日本のリサイクル率は19.5% 都道府県&自治体ランキング【2025年】

ごみ箱に入った空のペットボトル

Photo by Arnepi Stocker on Unsplash

環境省が発表した2025年の最新のデータによると、日本のリサイクル率は19.5%だった。さらに都道府県別のランキング、自治体ランキングも紹介する。リサイクル率が80%を超える自治体など、ごみの削減に取り組む地域にも光をあてる。

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2025.05.08
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リサイクル率とは? 定義と計算方法

最初に「リサイクル率」の定義について確認しておこう。リサイクル率とは、ごみとして廃棄されたもののうち、リサイクルされたものがどのくらいあるか示したもの。リサイクル率が高いほど、リサイクルして再資源化されたものが多いことになり、ごみが減る。

しかし、リサイクル率にはさまざまな定義と計算方法があるため、リサイクル率を単純に比較できない場合もある。日本では、以下の計算式が用いられている。

リサイクル率(%)
=(直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)÷(ごみの総処理量+集団回収量)×100


・中間処理後再生利用量:資源ごみ、粗大ごみ等を処理した後、鉄、アルミ等を回収し資源化した量
・集団回収量:市町村による用具の貸出、補助金の交付等で市町村登録された住民団体によって回収された量


※ここでのリサイクルはマテルリサイクルを指し、サーマルリサイクルは含めない

日本のリサイクル率は19.5% 過去10年で横ばい

では、日本のリサイクル率がどのくらいか見てみよう。環境省発表の「日本の廃棄物処理 令和5年度版(2023年度版)」によると、最新のデータで2023年度のリサイクル率は19.5%だった。これは災害廃棄物を除いた場合の数値で、災害廃棄物を含んだ場合は19.9%だ(※1)。

過去10年間のリサイクル率は20%前後で横ばいで推移している。日本政府は2027年にリサイクル率を28%にする目標を掲げているが、その実現にはこれまで以上の取り組みが必要だ。

リサイクル率の推移(2014-2023年度)

年度リサイクル率
2023年度19.5%
2022年度19.6%
2021年度19.9%
2020年度20.0%
2019年度19.6%
2018年度19.9%
2017年度20.2%
2016年度20.3%
2015年度20.4%
2014年度20.6%

リサイクル率の高い都道府県ランキング

都道府県別のリサイクル率はどうだろう。全国平均19.5%に対して、もっともリサイクル率の高い都道府県は岡山県(29.0%)で、もっともリサイクル率の低いのは和歌山県(11.9%)と、都道府県によって大きな差があることがわかる。


都道府県
リサイクル率
1位岡山県29.0%
2位鳥取県28.2%
3位東京都24.9%
4位埼玉県24.3%
5位神奈川県24.2%
6位北海道22.8%
7位千葉県22.6%
8位長野県22.0%
9位愛知県22.0%
10位山口県21.6%
11位富山県21.4%
12位福岡県21.4%
13位広島県20.6%
14位茨城県20.0%
15位佐賀県20.0%
16位島根県19.9%
17位熊本県19.8%
18位高知県19.6%
19位三重県19.5%
20位香川県18.8%
21位新潟県18.7%
22位大分県18.1%
23位静岡県17.9%
24位岐阜県17.1%
25位宮崎県16.6%
26位岩手県16.4%
27位徳島県15.8%
28位愛媛県15.8%
29位長崎県15.8%
30位滋賀県15.7%
31位奈良県15.7%
32位山梨県15.6%
33位鹿児島県15.6%
34位宮城県15.3%
35位兵庫県15.2%
36位栃木県15.0%
37位沖縄県14.9%
38位京都府14.6%
39位群馬県13.8%
40位秋田県13.6%
41位山形県13.4%
42位福島県13.2%
43位石川県12.9%
44位福井県12.7%
45位青森県12.6%
46位大阪府12.6%
47位和歌山県11.9%
全国平均19.5%

ごみが少ない都道府県はどこ?日本全国ごみ排出量ランキング【2025年】

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リサイクル率の高い市町村ランキング

次は、市町村別のリサイクル率を見てみよう。人口の規模により、それぞれのランキング上位10の自治体を紹介する。

人口10万人未満の自治体

市町村リサイクル率
1位鹿児島県大崎町83.0%
2位北海道豊浦町81.5%
3位徳島県上勝町76.2%
4位鹿児島県志布志市75.6%
5位北海道小平町69.6%
6位長野県木島平村64.3%
7位福岡県大木町63.6%
8位鳥取県日吉津村53.4%
9位北海道羅臼町51.3%
10位北海道下川町51.0%

人口10万人以上50万人未満の自治体

市町村リサイクル率
1位神奈川県鎌倉市58.5%
2位岡山県倉敷市47.3%
3位東京都国分寺市44.9%
4位東京都小金井市44.8%
5位埼玉県加須市37.6%
6位愛媛県小牧市36.9%
7位東京都東村山市35.9%
8位東京都西東京市33.6%
9位東京都調布市33.2%
10位神奈川県横須賀市32.3%

人口50万人以上の自治体

市町村リサイクル率
1位千葉県千葉市34.6%
2位東京都八王子市28.0%
3位愛知県名古屋市26.4%
4位福岡県北九州市25.0%
5位岡山県岡山市23.8%
6位新潟県新潟市23.1%
7位神奈川県横浜市22.1%
8位埼玉県川口市22.0%
9位埼玉県さいたま市20.7%
10位神奈川県相模原市20.2%

上位の自治体のリサイクル方法は?

リサイクル率が日本全国でトップなのは、鹿児島県大崎町。83.0%という驚異的な数値を実現している。では、このような自治体では具体的にどのようにして、リサイクル率を高くしているのだろう。これまでELEMINISTで取材してきたこれらの自治体の取り組みを改めて紹介する。

鹿児島県大崎町:ごみを28品目に分別

人口1万2000人ほどの大崎町では、町に焼却処分場がなかったことから、ごみを減らすために1998年から分別を開始。当初はわずか3品目から始めたが、現在では28品目にもおよぶ。びんなら4つに、紙の場合は8つと、かなり細かく分けられている。

現在、リサイクルしても資源化できない一般ごみは2割弱。これらは埋立処分されることになるが、現在水平リサイクルにむけた実証実験も行われているところだ。

リサイクル率全国上位を実現する鹿児島県・大崎町と住民の取り組みに迫る

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鹿児島県志布志市&大崎町:使用済おむつのリサイクルも

鹿児島県大崎町の隣にある志布志市も、ごみ焼却炉を持たない。そこで志布志市でも分別によって、資源として再利用できるもののリサイクルに力を入れている。

この2自治体で行われているのが、ユニ・チャームとともに取り組む、使用済み紙おむつのリサイクルだ。使用後の紙おむつを回収して、再び新しい紙おむつにするという、信じられないような技術をユニ・チャームが確立。実際にリサイクルしてできた製品も販売され、参加する自治体の増加に期待が寄せられている。

使用済み紙おむつから、新しい紙おむつをつくる ユニ・チャームのリサイクル技術が生んだ「RefF(リーフ)」

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徳島県上勝町:「ゼロ・ウェイストの町」

徳島県上勝町は、2003年に日本で初めてゼロウェイスト宣言をしたことで知られる。町では収集車のごみ回収を行わず、住民がみずから「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」に持ち込むスタイルだ。ここでは、なんと45品目に分別が行われる。

また、サントリーグループと提携してペットボトルの水平リサイクル(ペットボトルからペットボトルへリサイクルする)の取り組みも始まった。

住民×行政×民間企業の連携が実現した上勝町ゼロ・ウェイストの取り組み

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住民の理解と協力が欠かせないリサイクルの取り組み

リサイクル率を高めるためには、ごみを細かく分別して、決められた回収日にあわせて回収ボックスに入れたり、決められた拠点に出したりと、住民の協力が欠かせない。そしてそのためには、「なぜリサイクルする必要があるのか?」という理解も必要不可欠だろう。

私たちが日々出しているごみが、地球全体や気候へ影響を及ぼしている。そしてもっと身近な目線で考えれば、日本ではあと20年ほどでごみの最終処分場がなくなることが指摘されている。一人ひとりの「ごみを出さない」「再資源化できるものはリサイクルする」心がけと取り組みは、小さなアクションかもしれないが、必ず未来へつながるものになるはずだ。

※掲載している情報は、2025年5月8日時点のものです。

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