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「永遠の化学物質」とよばれるPFAS(ピーファス)の危険性が、さまざまなところで指摘されるなか、EUでは消費生活用製品の使用を禁止する方向へ動いている。
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近年よく耳にするであろう言葉「PFAS(ピーファス)」。炭素とフッ素の原子を持つ化学物質(ペルフルオロアルキル化合物またはポリフルオロアルキル化合物)の総称だ。
一口にPFASといっても、1万種類以上の物質があるとされる。代表的なものとして、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)がある。
PFASの特徴として、熱・薬品・紫外線に強い、水や油などの液体を弾く、燃えにくいなどがある。そのような理由から、フライパンのフッ素加工剤、靴や衣類の撥水加工剤、食品の包み紙や容器のコーティング剤など、多種多様なものに使われてきた。
だが、「永遠の化学物質」と呼ばれるように、PFASは自然界でほぼ分解されず、人や動物、環境に蓄積していく。その後の影響について、懸念が高まっているのだ。
近年、PFASの安全性に対して疑問の声が上がるなか、EU(欧州委員会)では、消費者向け製品におけるPFASの使用禁止を提案する予定であることがわかった。
デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンは約2年前から、PFASの広範囲におよぶ使用禁止を支持してきた。しかし、PFASはフライパンから航空機まで、使用範囲が幅広く、電気自動車のようなグリーン技術に使用されているケースもある。
そのため、EUでは「必須の工業用途」を例外として、消費生活用製品のPFASの使用を禁止にする見込みだ。だが、対象外のものを決定するためにまだ時間がかかると見られる。
EUの環境委員のジェシカ・ロスワル氏は「我々が求めているのは、消費者向け製品における禁止だ。この禁止は、人間にとっても、環境にとっても、重要なことだ」と話し、PFASを段階的に禁止する方向性について意見を述べている。
ニュージーランドやニューヨーク州などが、PFASの規制について動いてきた。世界や日本のPFASの規制については、下記の記事を参考にしてほしい。
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