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サンゴ礁が環境の変化などによって衰退の危機にさらされている。その一因となっているのが、紫外線から肌を守ってくれる日焼け止めだ。本記事では、サンゴ礁の現状と日焼け止めによる影響を解説しながら、サンゴ礁に負担の少ない日焼け止めの選び方を解説。さらにおすすめアイテムを紹介していく。
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エレミニスト編集部
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サンゴ礁の総面積は地球表面のわずか0.1%にすぎないが、そこには9万種もの生物が生息している。しかし現在、そんな豊かな生物多様性を育むサンゴ礁が、環境の変化などによって破壊・死滅の危機にさらされているのを知っているだろうか(※1)。
サンゴ礁衰退の原因は、地球温暖化をはじめとする気候変動や、沿岸開発、生物資源の乱獲、ダイナマイト漁などの破壊的漁法の実施、海洋汚染、森林伐開や農地開発に起因する表土流出などの人間の活動などさまざま。
具体的には、2009年以降世界的にサンゴが減少し、世界中のサンゴの14%が失われたそうだ。また、2010年以降ほぼすべての地域でサンゴの被覆率が低下しており、南アジア、オーストラリア、太平洋、海洋環境保護地域組織、および東アジア海域で最大の減少を示している(※2)。
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サンゴ礁は、多くの生物に隠れ家や繁殖の場を提供している上、多様な生物が共存できる機能を持っている。
さらにサンゴ礁は、天然の防波堤となり沿岸に住む人々を高波から守る役割もある。高潮や津波の発生時には、サンゴ礁が波のエネルギーを吸収・分散することで、被害を軽減できるのだ(※3)。
また、サンゴは石灰質の骨格を形成する過程で二酸化炭素を固定化するため、大気中の二酸化炭素濃度を抑制する効果があり、二酸化炭素の循環においても重要な役割を果たしている(※4)。
サンゴ礁は人間に漁業資源や観光資源を提供するだけでなく、環境における幅広い役割を担っており、多くの生き物に多大な恩恵を与えているのだ。
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サンゴ礁が減少し衰退の危機にさらされているのにはさまざまな原因があるが、実は、私たちが使用している日焼け止めもその一因になっている。
日焼け止めの影響としてとくに問題視されているのが、サンゴの「白化現象」だ。白化現象とは、サンゴの白い骨格が透けて見えるようになる現象のこと。主な原因は温暖化といった海水温の上昇と考えられているが、日焼け止めに含まれる化学物資が海に溶け出すことによる海洋汚染も指摘されている。
そのほか、日焼け止めに含まれる「ナノ粒子」がサンゴの繁殖や成長のサイクルを乱し、最終的にサンゴを白化させてしまう可能性も考えられている(※5)。
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紫外線から肌を守るために役立つ日焼け止め。海で泳がない場合でも、シャワーを浴びると日焼け止めが排水管を通って海に流れ出てしまう可能性があるため、日常使い用の日焼け止めを選ぶ際にも注意が必要だ。
ここからは、サンゴ礁への負担が少ない日焼け止めの選び方を紹介する。
「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」などのサンゴにとって有害な化学物質を避けるには、ノンケミカルの日焼け止めを選ぶのがおすすめ。
これらの成分は紫外線吸収剤として配合されることが多いため、例外はあるが「紫外線吸収剤不使用」を目印に探すと、サンゴ礁に負担の少ない日焼け止めを見つけやすいだろう。
100ナノメートル(nm)以下の直径の粒子を指す「ナノ粒子」は非常に細かく、サンゴに吸収されやすい。そのため、ナノ粒子が含まれているかどうかも、サンゴ礁に負担の少ない日焼け止めを選ぶ上で重要なポイントだ。
クリームタイプやミストタイプ、バームタイプなど、さまざまなタイプの日焼け止めが販売されている。
サンゴ礁に負担の少ない日焼け止めを選ぶ上で避けたいのが、エアゾール(スプレー)タイプだ。ビーチでエアゾールタイプの日焼け止めを噴射すると、肌に当たらなかった分がそのままに海に流れ込んでしまうリスクがある。
サンゴ礁に負担の少ない日焼け止めを選ぶ上でわかりやすい目印となるのが、「リーフセーフ」のアイテムだ。
リーフセーフとは、サンゴ礁や海にやさしい処方のこと。「ビーチフレンドリー」「オーシャンフレンドリー」などと呼ばれることもある。しかし、これらの記載には国の公式な基準がなく、メーカーの判断にゆだねられているため、自身で成分を見てから選ぶのが望ましい。
多くの日焼け止めの中からサンゴ礁への負担が少ないアイテムを選ぶのは、少しむずかしいかもしれない。そこで、本記事で紹介した選び方のポイントを押さえた、おすすめの日焼け止め2つを紹介する。日焼け止め選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてほしい。
Little Hands Hawaii (リトルハンズハワイ)
ノンケミカル日焼け止め・サンスクリーン - スティックタイプ - SPF40
4,400円
※2024.11.28現在の価格です。
Little Hands Hawaiiは、ハワイ島のファミリービジネスから始まった、ハンドメイドのナチュラルなサンスクリーンブランド。子どもや環境に安全な日焼け止めを目指して、地球から自然に供給される原料だけを使って開発をスタートし、アップデートを重ねていまの形に至っている。
Little Hands Hawaiiの日焼け止めは、サンゴを白化させる「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」「パラベン」などといった化学合成物質は不使用。素材には、遺伝子組換えでなく、自然界で栽培・採取されたものを使用しており、ナノ粒子を含まないのもおすすめできるポイントだ。
また、天然オイルの力で汗水をしっかり弾くウォータープルーフ処方でありながら、石鹸でオフできるのも魅力。生後6週間の赤ちゃんから大人まで使えるため、家族でシェアすることもできる。
70年の歴史を持つ医療機関向け製薬会社発の環境再生型オーガニックブランド・MammaBaby。創業者の娘が重度のアトピーを持って産まれてきたことをきっかけに、「良質なオーガニックをすべての子どもたちに届けたい」という想いから生まれたブランドだ。
MammaBabyが手がける日焼け止めは、化学物質を一切使っていない完全ノンケミカル。自然由来100%だから、サンゴをはじめとする海洋生態系にもやさしい処方だ。もちろん肌にもやさしく、新生児・赤ちゃん・子どもから大人まで、顔・全身に使うことができる。
さらに、ノンシリコンでありながら、ベタつかない、きしまない、白浮きしないテクスチャーを実現。肌にすっとなじむ軽やかな塗り心地で、スクワランなどの植物オイルの力によってしっとりと潤う日焼け止めだ。
日焼け止めによるサンゴ礁への悪影響は世界中で問題視されており、パラオやハワイなどでは、特定の成分を含む日焼け止めの販売が禁止されている。
日焼け止めは、海やアウトドアなどのレジャーシーンだけでなく日常的にも使用されており、日本でも紫外線が年々増加傾向にあることも影響し(※6)、市場が拡大しつつある。多くの人が利用するようになっているからこそ、一人ひとりが“どの日焼け止めを選ぶか”が重要だ。自分の肌だけでなく、サンゴ礁をはじめとする環境も守れるような日焼け止めを選ぶように意識していこう。
※1 サンゴ礁の働きと現状|水産庁
※2 サンゴ礁の状況|リーフレジリエンス
※3 サンゴ礁の過去・現在・未来(3ページ目)|独立行政法人国立環境研究所
※4 サンゴ礁を守る|earth sustainability
※5 日焼け止めはサンゴ礁に優しいアイテムを!|KOWA
※6 紫外線基礎知識 日本の紫外線量は、増え続けている!? | 環境ストレスから肌を守る アウタースキンラボ
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