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SDGsのロゴの使用方法については、国際連合によってガイドラインが制定されている。許可申請が必要な場合と不要な場合、使用する際の注意点やNGな使い方など、細かく指定があり、遵守する必要がある。この記事では、SDGsロゴの使用ルールやダウンロード方法などについて解説する。
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SDGsのロゴの利用ルールやダウンロード方法を知る前に、SDGsやSDGsロゴについて触れておこう。
SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連で採択された「持続可能な世界を実現する」ための目標だ。2030年を達成期限とし、17のゴールと169のターゲットで構成されている。(※1)
SDGsでは「誰一人取り残さない」という理念を掲げ、持続可能な社会を目指している。貧困、不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正などのグローバルな課題を解決するための包括的な目標を設定しており、目標は相互に関連し合っている。
SDGsのロゴは、スウェーデン出身のクリエイティブディレクター 、ヤーコブ・トロールベック氏によって作成された。17の目標が記されたアイコンは、多岐にわたりかつ複雑な社会課題をわかりやすい、短い言葉で表現した"言葉の視覚化"がなされている点が特徴だ。言葉から行動につなげていってほしいという願いが込められている。
SDGsロゴを企業や団体が使用することは、SDGsの普及と支援活動の促進に寄与する。企業のCSR活動やイベント、キャンペーンで広く活用されており、目にする機会も多いだろう。
SDGsロゴには2種類ある。1つは国連エンブレムが付いた「バージョン1」である。バージョン1は、国連関連組織専用とされている。もう1つはエンブレムのない「バージョン2」である。バージョン2は、国連以外の団体や企業が使用する。
SDGsロゴには「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」と表記されており、縦型と横型の2種類が存在する。SDGsロゴのカラーバリエーションは、カラー版、白色版(黒背景に白文字)、黒色版(白背景に黒文字)の3種類である。
また17色のブロックで構成された「カラーホイール」や、それぞれの目標を表す17のアイコンもある。カラーホイールや17のアイコンは、企業や団体が自社のSDGsへの取り組みを効果的にアピールするために利用される。
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SDGsロゴの使用許可が必要かどうかは、その使い道によって異なる。どのようなときに使用許可が必要なのだろうか。ここでは、SDGsロ ゴの使用許可が必要な場合と、そうでない場合について説明する。
SDGs支援活動の費用を賄うための資金調達を指す「資金調達目的」やSDGs普及を目的とした営利活動や販促用商品・製品での使用を指す「商業目的」でSDGsロゴを使用する場合は、必ず書面による事前許可が必要となる。
また、教科書を含めた印刷出版物や電子書籍に使用する場合は事前申請が必要となるが、報道機関(新聞、雑誌、TV、ウェブ)による情報目的での利用はその必要はない。セミナーなどで参加料が発生する場合、イベント関連の資料、招待状、チラシ、バナー、ポスターなどでロゴを使用する場合は事前申請が必要だ。
SDGsロゴの使用許可の申請では、使用用途がSDGsの精神と目的に合致していること、ガイドラインに定める要件に合致していること、持続可能なビジネスの実践と持続可能な素材を利用していることを説明する必要がある。使用許可が下りた場合、使用前に適切なライセンス契約を締結する必要がある。
情報目的での使用は事前申請が不要だ。営利団体であっても、プレゼンテーションや社内報、非財務報告や年次報告、自社のSDGs関連活動やSDGsに対する支援を表すための会社資料など、情報目的に使用する場合などが該当する。新聞、雑誌、TV、ウェブなど報道機関による情報目的での利用も同じく不要だ。
なお、SDGsロゴを企業ロゴと並べて使用する際には「私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。」という文言の記載が欠かせない。またSDGsロゴと17のアイコンは、2030年12月31日まで使用可能である。(※2)
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SDGsロゴを使用するためには、いくつか注意しなければならないことがある。どのようなルールが設けられているのだろうか。
SDGsロゴを使用する場合は、デフォルトの色を変更してはならない。また、黒色のロゴを使用するときに下地に色をつけたり、影付けしたりすることも禁止されている。
SDGsロゴを使用する場合は、縦横比を変更したり、トリミングしたりしてはならない。また、要素の位置なども定められているため、デフォルトから変更しないようにしよう。さらに、突き出したり、斜角をつけたりしてはいけない。
SDGsロゴには「ROBOTO」、17のアイコンには「OSWALD」と呼ばれる活字書体が指定されている。(※2)SDGsロゴを使用する場合は、書体を変更してはならない。
カラーホイールを使用する場合は、SDGsロゴ同様、比率や要素の位置、色彩を変更してはならない。また、カラーホイールの中心に色を付けたり、17の目標アイコンやSDGsロゴを置いてはいけない。カラーホイールの上に17の目標アイコンを重ねるのもNGだ。
会社ロゴとSDGsロゴを並べる場合は、スペースを含めたSDGsロゴの高さと会社ロゴの高さが等しくなければならない。また、会社ロゴとSDGsロゴの間には100%黒色で0.5ポイントの線を加える必要がある。(※2)
なお、資金調達目的で会社ロゴとSDGsロゴを並べる場合は、会社ロゴがSDGsロゴよりも目立つようにする必要がある。
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SDGsロゴは、国連広報センターのホームページからダウンロードできる。国連広報センターのホームページでは、よく寄せられる質問(FAQ)も公開している。SDGsロゴを使用する場合は、参考にしてほしい。
また、SDGsロゴの使用や許諾への問い合わせは、国際連合本部が一括対応している。件名を「SDG LOGO/ICON REQUEST」として本文を英語にしたうえで「sdgpermissions@un.org」あてにメールで送信しよう。
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近年は、さまざまな企業や団体がSDGsロゴを使用している。企業や団体がSDGsロゴを使用すると、どのようなメリットがあるのだろうか。
企業や団体がSDGsロゴを使用することで、効果的に社会貢献活動をアピールできる。SDGsロゴは国際的に認知されており、企業や団体の取り組みが持続可能な開発目標に沿っていることを見た人に知らしてくれる。これにより、ステークホルダーや顧客に対して社会的責任を果たしている姿勢を強調し、ブランドイメージや信頼性の向上につなげられる。
企業や団体がSDGsロゴを使用することで、従業員へSDGsの周知が進められる。SDGsロゴは、持続可能な開発目標に対する取り組みを視覚的に示せる。そのため、従業員が企業の社会的責任や目標を理解しやすくなる。これにより従業員の意識向上や協力姿勢の強化が期待でき、組織全体で一体感を持ってSDGsに取り組める。
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SDGsの実現に貢献することは、グローバルな課題を解決し、持続可能で公平な未来を築くために重要だ。SDGsロゴを使用し、SDGsの精神を広めることは、SDGsの早期達成にもつながる。使用ルールに準じたうえで、効果的にSDGsロゴを使用しよう。
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