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SDGsが注目される昨今、学生の間でもこれをテーマに作文を書く機会が多くなっている。SDGsをテーマにした作文や小論文は、どのように書くとよいのだろうか。この記事では作文の書き方のポイントや、学生向けの作文コンテスト、学生でもできるSDGsの取り組みについて紹介する。
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SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」という意味がある。このSDGsには、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが掲げられており、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓うものだ。17の目標は次のとおりで、発展途上国だけでなく、先進国も含むすべての国で積極的に取り組んでいる。
1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう
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いまなぜSDGsが注目されるのか、その背景にはどのようなことがあるのか解説していく。
SDGsの前身に、ミレニアム開発目標(MDGs)があった。これは、2000年に開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられた開発分野における国際社会共通の目標である。具体的な開発目標は8つあり、2015年までに達成すべきとして設定された。
8つの目標のなかの「極度の貧困や飢餓の撲滅」や感染症対策の分野などでは一定の成果を上げたものの、達成できなかった分野や積み残された課題もある。(※1)
またミレニアム開発目標は対象が発展途上国だけだったが、先進国でも同様の問題を抱えているケースもある。このことから国連は発展途上国だけでなく先進国も対象とし、課題を解決する枠組みを策定した。それがSDGsである。
SDGsでは、包括的で具体的な17の目標を掲げている。また、それぞれの目標を表現するカラーロゴデザインは、どの国や地域の人でもわかりやすくなっている。このデザインが世界中に広まり、SDGsは多くの人に認知された。
環境問題の深刻な課題や、社会的不平等の増大といった社会問題がクローズアップされることが多くなった。こうした問題に世界中の人々が危機感を募らせていることが、SDGsが注目される要因のひとつと考えられる。
多くの企業は、SDGsへの取り組みを積極的にアピールしている。こうすることで、投資家や消費者からの信用度がアップし、売上向上が期待できるからだ。これは、経済的なメリットとなる。またSDGsビジネスの市場もよりいっそう拡大していくことが見込まれており、ますますSDGsは注目されていくだろう。
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作文のテーマに「SDGs」が設定されることも多いだろう。ここでは、SDGsに関する作文を書くときのポイントを紹介する。
時事ニュースには、SDGsにまつわるキーワードや内容がふくまれていることが多い。たとえば山火事や洪水、猛暑などの気象、人権問題や貧困問題のニュースなどだ。こういった時事ニュースとSDGsを関連付けると、作文のメインテーマにでき、作文が書きやすくなるだろう。
いまや、SDGsに取り組んでいる企業や自治体は多い。わかりやすい例としては、ファストフードのストローがプラスチックから紙製に変わったことが挙げられる。このように、企業や自治体がどんなSDGsの取り組みを行っているのかを調べ、その事例に対する感想や意見を書くのも、作文を書くうえでのポイントとなるだろう。
実際に自分自身が取り組んだSDGsの経験を盛り込むと、作文に厚みが出る。また、その経験から疑問提起ができ、新たな発見も出てくるだろう。
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ここでは、学生向けに開催されているSDGsに関する作文コンテストを紹介する。
「国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」は、外務省と公益財団法人日本国際連合協会が主催する、中学生を対象とした作文コンテストだ。「国際連合についての作文を通して、国際理解・国際協力について考える機会を提供すること」を趣旨としている。
応募テーマおよび題目が設定されており、過去には次のような応募テーマがあった。
・2030年までに17の国際目標から成るSDGsをすべて達成するために、日本ができることは何か。
・「核兵器のない世界」に向けて国際社会ができることは何か。
・安保理非常任理事国である日本は、どのような取組をおこなうことで、世界の平和と安全に貢献すべきか。
文字数は、日本語で400字詰め原稿用紙4枚以内となっている。
「誰ひとり取り残さない」作文・小論文/クリエイティブコンテストは、野毛坂グローカルが主催する、若者を対象としたSDGsに関するコンテストだ。作文・小論文部門では、SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」の視点で、考えること、自分が行いたいこと、社会への提言など自由な発想の作品を募集している。文字数は不問だが、上限は2000文字まで。
「国際ユース作文コンテスト」は、公益財団法人五井平和財団が主催するコンテストだ。平和の文化と持続可能な地球社会を築いていくうえで、人々がよりよい世界のために何ができるかを考え、行動することを奨励する目的で毎年開催されている。テーマは毎年異なり、2024年度は「対立を超えた私の体験」となっている。応募資格は、「子どもの部」が小学生と中学生が対象。「若者の部」が中学校を卒業した15歳から25歳までが対象だ。
「SDGs学生小論文アワード」は、住友理工が主催するコンテストだ。第10回となる2024年の小論文のテーマは「『オープンイノベーション』で社会課題を解決するには」となっている。文字数は9500~10500字で、応募資格は国内の大学生、大学院生、短大生、高等専門学校生(4・5年生)、留学生が対象。個人または3人までの団体でも応募もできる。
『2050年 理想の「自然との共存・共創社会」 Beyond SDGs 全国作文コンテスト』は、金沢工業大学が主催するコンテストだ。作文のテーマは、自分の暮らす地域における2050年 理想の「自然との共存・共創社会」となっている。
応募条件は、金沢工業大学SDGs推進センターのウェブサイトで公開しているゲーミフィケーション教材を用いてSDGsについて学んだことがある小中高生。文字数は原稿用紙4枚以内だ。
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ここからは、学生でもできるSDGsの取り組みを紹介する。身近なことからはじめてみよう。
マイボトルを使うことはペットボトルを減らすことにつながり、目標14「海の豊かさを守ろう」への取り組みとなる。昨今では、マイボトルに飲み物を入れてくれるコーヒーショップなどもあるため、そういったものも積極的に活用しよう。
目標14「海の豊かさを守ろう」への取り組みとなるのが、レジ袋をもらわないようにすることだ。プラスチックごみによる環境汚染は、深刻な状況となっている。プラスチックの使用を減らすためにも、レジ袋は断ってマイバッグを持ち歩くようにしよう。
食品ロス削減は、目標12「つくる責任 つかう責任」に関連する。食品ロスの大きな原因となっているのが食べ残しだ。食べ残しをしないためにも、賞味期限や消費期限が古いものから食べるようにし、食べきれる分量をつくったり買ったりしよう。
節電することは、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」につながる。不要な電気はオフにし、窓からの熱の出入りをカーテンなどで防ぐ、LEDランプを使うなどすれば、エネルギーの無駄遣いを減らすことができる。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」につながるのが、節水を心がけることだ。歯磨きをするときにはコップを使う、水道の蛇口をこまめに止める、トイレの大小のレバーを使い分けるなどの工夫をし、水を大切に使おう。
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SDGsをテーマにした作文を書くときには、17ある目標のなかから興味関心のあるものを1つピックアップしたり、自分ができるSDGsの取り組みを実践したりすることから始めると書きやすくなるだろう。またSDGsについての情報を収集し学んでいくことで、よりよい作文を書くことができる。
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