「ゆるやかな菜食主義」を掲げるグリーンマンデー メリットと取り組みは?

大皿に盛られたサラダ

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毎週月曜日だけ肉食を控え野菜中心の食事をとる「ミートフリーマンデー」。気軽に取り組めるエコな活動として、現在世界的に広がっている。そんなミートフリーマンデーと繋がりがあるのが「グリーンマンデー」だ。

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2024.04.24

ミートフリーマンデーとは

ミートフリーマンデーは、元ビートルズのポール・マッカートニー氏が提唱した活動で、週の初めの月曜日に肉を食べないようにするものだ。

食肉の生産には、広い土地や多くの水が必要で、環境への負荷が大きい。そこで、この活動は、環境保護や健康維持、動物愛護を目的としたもの。ベジタリアンやヴィーガンのように完全に肉を食べない選択をするのではなく、週1日だけ肉を避けることで参加できるため、より多くの人が取り組むことが可能だ。

週1日だけ肉の摂取を控えることで、地球温暖化の緩和や資源の保護に、より多くの人が関わることが目的とされている。

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グリーンマンデーとは

「ミートフリーマンデー」を別のことばで言い換えるなら、地球にやさしい「グリーンマンデー」。そんな意味から生まれたのが、香港を拠点とする企業「グリーンマンデー」だ。

「Make Change Happen, Make Green Common(グリーンをあたりまえに、変化を起こそう)」というビジョンを掲げて、2012年に設立。野菜中心の食事を主体としながらも、時折肉を摂取するフレキシタリアンなライフスタイルを提唱している。プラントベースの食材などを開発し、日本市場にも参入を果たしている。

グリーンマンデーの目的

グリーンマンデーの目的は、人々を菜食主義に変えたり、ライフスタイルを大きく変化させたりすることではない。グリーンマンデーが掲げるのは、フレキシタリアン。これは「フレキシブル(柔軟な)」と「ベジタリアン」を組み合わせた言葉で、「ゆるやかな菜食主義者」と表現できる。

そんなゆるやかなライフスタイルの拡大を目指し、環境に負荷をかけにくい食事スタイルへの移行を呼び掛けているのだ。そして、一人ひとりが力を合わせることで、気候変動や環境、食糧不足など大きなものから、公衆衛生、個人の健康などまで、私たちが直面しているあらゆる問題を解決することが目的だ。

グリーンマンデーの環境面へのメリット

川と森

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グリーンマンデーの取り組みによって、環境にはどのような影響があるだろう。ここでは環境面へのメリットについて紹介する。

温室効果ガスの排出量削減

週に1回でも肉食を避けることで、温室効果ガスの排出量を削減する効果がある。毎週月曜日に肉や乳製品を避けて植物ベースの食事を摂ることで、肉や乳製品を生産するのに必要なエネルギーの削減につながる。グリーンマンデーのWebサイトによると、プラントベースの食事に変えた場合、1人あたり年間2.1トンのCO2換算排出量を削減できると推定されている。

森林破壊の抑制

畜産業が拡大すると、森林を伐採して牧草地を増やす必要が出るかもしれない。また飼料用の作物を栽培するための土地もさらに必要になる。だが、グリーンマンデーの取り組みを行うことで、肉生産の需要を減らし、それに伴う森林破壊の抑制につながる。植物ベースの食事を継続することが、回り回って森林を保護し生態系のバランスを維持するのに役立つだろう。

水資源の保護

畜産には多くの水を必要とする。野菜の栽培などにくらべると、その量は多く、水資源を使うことになる。しかしプラントベースの食事を多くとるようになれば、水の使用量が比較的少なくて済む。肉や乳製品の消費が減ると、水資源の節約が促進されると考えられるのだ。

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グリーンマンデーの健康面へのメリット

山の上でヨガ

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ここからは、グリーンマンデーの取り組みが体に与える健康面へのメリットについて解説する。

健康的な食生活

グリーンマンデーの取り組みは、プラントベースの食事を積極的に摂ることが推奨されている。果物、野菜、穀物、豆類、ナッツ、種子などの健康的な食材は栄養価が高い。これらを多く食事に取り入れることで、自然と健康的な食生活を送ることになるだろう。より健康的な体に近づくことも期待される。

ダイエット効果

一般的にプラントベースの食事は低脂肪で低カロリーである。また、食物繊維を豊富に含む。そのため、グリーンマンデーの取り組みを行うことで、カロリーの高い肉や乳製品を避け、体重管理もしやすくなる。また野菜や果物に多く含まれる食物繊維は満腹感をもたらし、間食や過食を防ぐのに役立つ。これらの要因が組み合わさり、ダイエット効果も期待できるだろう。

食費の節約

プラントベースの食事では、肉や乳製品を含む動物性食品よりも費用を抑えやすい。週に一度でもプラントベースの食事を取り入れることで、食費の節約にもつながる可能性があるのだ。

グリーンマンデーの取り組み

机の上のリンゴと本

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フレキシタリアンのライフスタイルの拡大を呼びかける「グリーンマンデー」では、プラントベースの食事を楽しむための、さまざまな提案を行っている。

代替豚肉オムニポークの開発

グリーンマンデー傘下のフードテック部門であるオムニフーズが開発した代替肉製品「オムニポーク」は、豚肉の代替食品だ。原材料にはエンドウ豆や大豆、大豆、椎茸、米などを使用し、遺伝子組み換えのものは使っていない。

オムニポークは本物の豚肉よりも飽和脂肪が96%、カロリーが70%低い。それだけでなくコレステロールが0mg。さらに食物繊維が豊富で、カルシウムや鉄分も多く含まれている。(※1)高級ホテルをはじめ、香港では多くの店でオムニポークが採用されている。

オムニフーズの開発

「オムニポーク」以外にも、さまざまな代替食品をラインアップ。「オーシャンバーガー」「オムニツナ」「オムニポーク入りスパゲティ」「オムニポーク入り餃子」など、多彩な商品が揃えられている。いずれも本物の肉や魚の代替としての機能性や栄養価にも配慮し、独自の技術によって生み出された次世代の食事だ。

レストランプログラムの実施

グリーンマンデーでは、プラントベースのメニューを提供するレストランを支援するレストランプログラムを行っている。香港、シンガポール、台湾、マカオなどの多くの地域で、約2,000軒のレストランがこのプログラムに参加し、グリーンマンデーの考え方を広めている。

グリーンマンデーのパートナーとなることで、連携したイベントの開催やコンサルティングやマーケティングなどの支援、さらにはPRなどレストラン運営に関わる多角的なサポートを受けられる。プラントベースの食事を選択する消費者にとってもレストランを選びやすくなり、地域のレストランに新たな食事の選択肢を提供することにつながっている。

スクールプログラム

グリーンマンデーでは「ゆるやかな菜食主義」をテーマに、子どもたちに、食と環境、健康の関係性を伝えるスクールプログラムを提供している。

例えば、植物性のおやつをつくるワークショップ、読書会、スーパーやオーガニック農園を訪れるエコツアーなど、座学にとどまらない体験を通した多様な内容だ。また企業向けにプラントベースフードに関する勉強会やワークショップを開催し、プラントベースメニューを提供するレストランのネットワーク構築も進めている。

グリーンマンデーのスクールプログラムは、現在世界中で1,000校以上の教育機関で度行われ、給食・食堂業者、教職員、学生団体などさまざまな人々に影響を与えている。

ゆるやか&気軽にプラントベースの食事を楽しもう

カゴの中の野菜

Photo by Brooke Cagle on Unsplash

ミートフリーマンデーは環境について考えた食生活を始めるにあたり、もっとも気軽にスタートできる選択の1つだ。毎週月曜日だけプラントベースの食事を取ることで持続可能な社会への貢献ができ、さらには健康や節約にもつながる。

毎日野菜だけだと物足りないという人も、無理なく取り組めることがポイントだ。「たった1日だけ」と捉える人もいるかもしれないが、ミートフリーマンデーの考え方が広がり取り組む人が増えることで、やがて大きな結果につながるはずだ。

※掲載している情報は、2024年4月24日時点のものです。

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