EU、家電の「修理する権利」に合意 長く大切に使うサイクルへ

EUが「修理する権利」を認める、壊れた家電製品

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欧州議会とEU理事会は、家電製品に関する「修理する権利」を認め、手ごろな価格で修理が受けられるような環境整備を各メーカーに義務付ける法案に大筋合意した。対象はスマートフォンや洗濯機、冷蔵庫、掃除機など。

岡島真琴|Makoto Okajima

ライター

ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。ライター・編集者として活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRESSを運営。

2024.02.13
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消費者に「修理する権利」を

EUが消費者の「修理する権利」を法制化

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欧州議会とEU理事会は2月2日、消費者の「修理する権利」を強化するEU規制について暫定合意に達した。消費者が家電製品を長く使えるよう、手ごろな価格での修理義務をメーカーに課し、使い捨てを防止し、長く利用してもらうことが目的。

同法案は、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」計画の一環として2022年3月に提案されたもの。消費者の「修理する権利」を導入し、製造事業者に対して保証期間の終了後も修理できる仕組みを整え、消費者の修理サービスへのアクセスを容易にする。

この法案はEU議会と理事会での承認を経て施行される。EU官報に掲載された後、EU加盟国は24ヶ月以内に国内法に反映させなければならない。

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各メーカーに課される「適正な価格」での修理義務

EUが消費者の「修理する権利」を法制化

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同法案によれば、保証期間中に製品が故障した場合、メーカーは修理を提案することを義務付けられ、さらに修理後の保証を1年間延長する。さらに各メーカーは、保証期間終了後にも別の業者でも修理しやすいような環境をつくる必要がある。

具体的には、メーカーはスペアパーツや工具を「適正な価格」で入手できるようにしなければならず、修理を妨害する契約条項を組み込むことが禁止される。中古部品や3Dパーツなどを使ったメーカー指定以外の部品での修理を認めるほか、メーカー以外が修理しにくくなるようなハードウェア、ソフトウェアも組み込めなくなる。

対象となるのは、洗濯機、掃除機、スマートフォン、食洗機、冷蔵庫など。将来的に対象製品を拡大する予定で、欧州に進出する日本企業も対応を求められる。さらに欧州委員会は、消費者が近隣の修理業者を検索できるオンライン・プラットフォームを構築し、修理しやすい環境を整える予定だという。

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15年間で約1800万トンのCO2を削減

欧州議会の主席交渉官であるレネ・レパシ氏は、「EU議会は、気候変動との闘いにおいて消費者に力を与えることを強く支持してきました」と述べる。この法案によって、15年間で約1800万トンのCO2が排出削減され、同時に消費者は1760億ユーロ(約28兆円)を節約できるとしている。

現状では、保証期間終了後に家電が壊れると、新製品に買い換えることを選ぶ消費者が多い。一つの製品を長く使い続けることが容易になれば、家電ごみを減らし、外国産の原材料への依存を抑え、環境を保護することにもつながる。

同法案によって、より持続可能なビジネスモデルが促進されることが期待されるだろう。

※掲載している情報は、2024年2月13日時点のものです。

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