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ゼロウェイストとは、ごみをなくすことを目指し、できるだけ廃棄物を出さないようにすること。個人から自治体まで誰もが取り組むことのできる活動であり、SDGsや環境問題との関連からも世界で注目されている。ゼロウェイストのまちづくりやメリット、エコライフの具体的な方法や事例を紹介しよう。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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ごみをゼロにする目標が「ゼロウェイスト」だ。サステナブルな社会を実現するためには、多くの人がゼロウェイストに取り組む必要がある。
オーストラリアの首都キャンベラが1996年に世界初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を出したことで、ニュージーランド、北米やヨーロッパなどの各都市にこの動きが広がった。
資源を浪費しない製品の生産方法や、ごみの出ないライフスタイル、物流のやり方を変えることなどが、ゼロウェイストの具体的な取り組みとして挙げられる。
難しく考えがちなごみ問題だが、誰でもいますぐ実践できる、ごみを出さないシンプルな暮らしの方法はいくつもある。
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ゼロウェイストが求められる背景として、ごみの大量廃棄やプラスチックごみ問題などがある。
使い捨てられたプラスチックが海や埋立地に溜まり続けたことが原因で、環境破壊が深刻化。日本ではプラスチックのリサイクルが行われているが、エネルギー消費が多く、環境に負荷をかけている。
そもそも、リサイクルだけでは、地球温暖化や環境問題の根本的な解決にならない。ごみになるものを、はじめから買わないようにするエコな暮らしが環境にやさしい。
子どもたちや次の世代に、美しい地球環境を残したいという思いから、ゼロウェイストなライフスタイルを目指す人が増えている。
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ゼロウェイストの取り組みは、世界各国に広まっている。日本では、徳島県上勝町や福岡県大木町、熊本県水俣市などの自治体の取り組みが活発だ。
ほかにも、ゼロウェイストのコンサルティングや教育、イベントの企画や運営、ゼロウェイストのプロダクト開発や販売などのサービスを提供している団体も増えてきている。
徳島県上勝町は、2003年に国内初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表。2020年までに町内から出るごみについて、焼却・埋め立てに頼らないごみゼロをめざす取り組みを行い、リサイクル率80%以上を達成した。(※1)
ごみ問題を行政と住民が一緒に解決する方法のひとつとして、町民が自らごみを持ち込み、分別する「ゼロ・ウェイストセンター」を設置。自治体や企業と協働して、ゼロウェイストの取り組みを実施する上勝町は、持続可能な社会へのモデルケースとして、世界中から注目されている。
福岡県大木町では、生ごみのような有機系廃棄物を発酵させ、液体肥料にして水稲など農作物の肥料として農地に返す「有機資源循環事業」をはじめとした循環型のくらしを実現する取り組みが進められている。(※2)
2008年に「大木町もったいない宣言(ゼロウェイスト宣言)」を採択し、焼却や埋め立てに頼らないごみゼロを目指す取り組みを行っている。
ゼロウェイストの拠点「ゼロ・ウェイストセンター」を設置しているほか、焼却工場がなく、どうしても燃やさなくてはならない可燃ごみは、他の自治体に持ち込んで焼却処理費を支払っているという。
水俣市は、2008年に政府から認められた「環境モデル都市」の1つ。(※3)
同市では2009年、「ゼロ・ウェイストのまちづくり水俣宣言」を行い、「ゼロ・ウェイストセンター」の設置や「有機資源循環事業」のほか、市民や事業所、研究者、行政が参加するゼロウェイスト円卓会議で多くの議論を交わしている。
市民目線でごみ減量について紹介する情報紙「みなへら通信」も作成・発行している。
ゼロウェイストの取り組みは、個人でも簡単に実践できる。以下に、すぐに取り組める5つの具体例を挙げる。
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ペットボトル、ストローやラップなどの使い捨てプラスチックは、環境に悪影響を及ぼすだけでなく、健康にも害を与える可能性がある。
買い物の際に、レジ袋を使わずに自分で持参したバッグに入れること。ペットボトルを使わず、自分で持参したボトルに水や飲み物を入れることで、プラスチックのごみを減らすことができる。
繰り返し使えるものや、最終的には土に還る素材でできているカトラリーなどを積極的に選びたい。
世界各国で、食べ物の残りや皮や種などの生ごみをコンポストにして、家庭菜園やプランターの肥料にしたり、近所の農家や公園に寄付するようなライフスタイルがあたりまえになっている。
家族4人で1年間に出すごみの量がわずか1リットル弱という、ゼロウェイストな暮らしを実践している様子を描いた、フランス人女性のベア・ジョンソンの本がある。(※4)
リフューズ(断る)、リデュース(減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源化)、ロット(たい肥化)の5つのRを取り入れた生活は、アイデアが満載。さまざまな角度から暮らしを変えていくヒントが得られるだろう。
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必要な分だけ購入することは、食品や日用品の無駄を減らすことができる。節約にもなつながり、一石二鳥だ。
プラスチックのごみを減らすためには、紙のようなプラスチックがより使用されていないパッケージを選ぶこと、お菓子や食品の個包装も避け、量り売りや詰め替えできるものを選ぶようにしたい。
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買い物をするとき、必要なものかどうかよく考えよう。また、壊れたり汚れたりしたものは、捨てる前に修理したり洗ったりして再利用できないか試してみたい。
服や家具などは、リメイクやリフォームをすることで新しいものに生まれ変わらせることもできる。 また、使わなくなったものは、フリーマーケットやオンラインで売ったり、友人や家族にあげたり、寄付したりすることで、他の人の役に立てるかもしれない。
新しい服を買う代わりに、古着を着ることで、衣服の廃棄を減らすことができる。
「HOTEL WHY」は、徳島県上勝町にあるゼロ・ウェイストアクションホテル。
宿泊中に出るごみを45分別する分別体験や、客室で利用する石鹸のセルフ切り分け、コーヒー豆の量り分けなど、ゼロウェイストアクション体験ができる。
また、上勝町のゼロウェイストの取り組みを勉強できる「ゼロ・ウェイスト・スタディーツアー」や、トレッキング、フィッシング、湖でのカヤック、サバイバルゲームなどのアウトドアプログラムにも参加できる。
家族やグループで、楽しみながらゼロウェイストを学べるオススメのスポットだ。
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持続可能な社会に向けて貢献する方法は、節水や節電、食品ロスの削減、ごみの分別など個人レベルで取り組めることのほか、企業レベルではペーパーレス化や再生可能エネルギーの導入、車通勤を減らすなど、すぐに始めることが山ほどある。
ゼロウェイストに向けたアクションは、仲間がいればより楽しく続けられるかもしれない。地域のイベントやワークショップに参加し、ゼロウェイストに取り組む人たちと交流することで、情報やモチベーションを共有できるだろう。
ゼロウェイストやSDGsに関心を持ち、自分自身ができることを日常のルーティーンとして組み込んでみてほしい。
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