Photo by AbsolutVision on Unsplash
「報道の自由度ランキング」とは、世界各国の報道機関の独立性や透明性についてスコア化し、順位をつけたもの。2023年のランキングでは、日本は68位に入った。1位から180位までの全ランキング結果を紹介し、上位国や下位国の特徴を解説する。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
「すだちの香り」で肌と心が喜ぶ 和柑橘の魅力と風土への慈しみあふれるオイル
1位に輝いたのはノルウェーだ。2021年、2022年に続き、7年連続で1位の座を獲得した。またトップ10には、2位のアイルランド(前年6位)、3位のデンマーク(前年2位)、4位スウェーデン(前年3位)など、ヨーロッパ勢が占める結果となっている。
日本は68位で、2022年の71位から3ランク上がった。だがスコアは、2022年の64.37に対して、2023年はは63.95と若干下がっている。RSFは日本について、「報道の自由と多元主義の原則があるものの、伝統、経済的利益、政治的圧力、男女不平等といったことにより、ジャーナリストは政府に責任を追及する役割を十分に発揮できていない」と評価している。
G7(主要7か国首脳会議)の結果は、以下のようになる。日本はG7で最下位だ。この傾向は近年変わっていない。
順位 | 国名 | グローバルスコア |
15位 | カナダ | 83.53 |
21位 | ドイツ | 81.91 |
24位 | フランス | 78.72 |
26位 | イギリス | 78.51 |
41位 | イタリア | 72.05 |
45位 | アメリカ | 71.22 |
68位 | 日本 | 63.95 |
ランキングの下位について見てみると、報道の自由度についてRSFが「非常に低い」と評価した国は、世界31か国におよぶ。2022年は28か国でそれまでの最多だったが、2023年はそれを上回る数となった。
2022年2月から始まったウクライナ侵攻によって、ロシアは国内での報道の規制を行っていると言われている。ロシアのランキングは2022年の155位(スコア:38.82)から、2023年は164位(スコア:34.77)に落としている。RSFも「ウクライナへの侵攻開始後、ほぼすべての独立系メディアが禁止された」ことを指摘している。このような社会的背景も、報道の自由度が低い国が増えていることの一因だろう。
最下位は2022年と変わらず、北朝鮮だ。世界でもっとも権威主義体制の政権であり、情報を厳しく管理している同国。RSFは「独立したジャーナリズムを厳しく禁止している」と低評価している。
実際に起きたことを事実のまま正しく伝え、ときには国の姿勢や政治のあり方について指摘することが、報道機関のあるべき姿だ。一方で、報道を規制したり、検閲を行ったりする国があるのも事実だ。報道の自由度ランキングは、そんな各国における報道の信頼性や透明性をあらわすひとつの指標となるだろう。
ELEMINIST Recommends