2021年報道の自由度ランキング発表 日本の報道の不自由とは

記者会見場でカメラを向ける記者

RSFによる「報道の自由度ランキング2021年版」が公表された。各国の結果から、日本の現状や先進国中の立ち位置などを確認しよう。日本の順位から学べるのは、決して自由ではない現状である。興味関心を高めるためにも、基礎知識から学んでみてほしい。

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2021.11.30
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報道の自由度ランキングとは

報道の自由度ランキングとは、Reporters Without Borders(国境なき記者団)が2002年より発表する、報道と自由に関するランキング情報だ。Reporters Without Bordersは、RSFと省略されるケースが多い。1985年、フランスにて、4人のジャーナリストによって設立されたNGOの一つである。

2021年の調査では、世界180の国と地域が対象になった。各国のランキング情報をチェックすれば、報道の多様性や透明性、独立性などについて、自国の報道の状態やレベルを、他国の現状と容易に比較できるだろう。

「報道の自由度」の評価基準

報道の自由度ランキングのもととなる評価は、各国におけるジャーナリストへの虐待指標と、ジャーナリストたちへのアンケート結果に基づいて行われる。アンケートで評価される項目は、主に以下のとおりだ。

・多様性(pluralism)
・メディアの独立性(media independence)
・メディア環境と自己検閲(media environment and self-censorship)
・報道に関する立法の枠組み(legislative framework)
・透明性(transparency)
・メディアのインフラ品質(quality of the infrastructure that supports the production of news and information)

これらの評価が高い国ほど、ランキング上位に入りやすいという仕組みである。

2021年最新・報道の自由度ランキング

2021年版の最新の結果は、以下のとおりである。

順位国名
ノルウェー
フィンランド
スウェーデン
デンマーク
コスタリカ
オランダ
ジャマイカ
ニュージーランド
ポルトガル
10スイス
11ベルギー
12アイルランド
13ドイツ
14カナダ
15エストニア
16アイスランド
17オーストリア
18ウルグアイ
19スリナム
20ルクセンブルク
21サモア
22ラトビア
23リヒテンシュタイン
24ナミビア
25オーストラリア
26キプロス
27カーボベルデ
28リトアニア
29スペイン
30ガーナ
31トリニダード・トバゴ
32南アフリカ共和国
33イギリス
34フランス
35スロバキア
36スロベニア
37ブルキナ・ファソ
38ボツワナ共和国
39アンドラ
40チェコ
41イタリア
42大韓民国
43台湾
44アメリカ合衆国
45東カリブ諸国機構
46トンガ
47パプアニューギニア
48ルーマニア
49セネガル
50ドミニカ共和国
51ガイアナ
52セーシェル
53ベリーズ
54チリ
55フィジー
56クロアチア
57マダガスカル
58ボスニア・ヘルツェゴビナ
59ニジェール
60ジョージア
61モーリシャス
62マラウイ
63アルメニア
64ポーランド
65ブータン
66コートジボワール
67日本
68モンゴル
69アルゼンチン
70ギリシャ
71東ティモール民主共和国
72モルディブ
73チュニジア
74トーゴ
75シエラレオネ
76北キプロス
77パナマ
78コソボ
79キルギスタン
80香港
81マルタ
82エルサルバドル
83アルバニア
84コモロ連合
85ガンビア
86イスラエル
87ハイチ
88レソト
89モルドバ
90北マケドニア共和国
91ペルー
92ハンガリー
93セルビア
94モーリタニア
95ギニアビサウ共和国
96エクアドル
97ウクライナ
98リベリア
99マリ
100パラグアイ
101エチオピア
102ケニア
103アンゴラ
104モンテネグロ
105クウェート
106ネパール
107レバノン
108モザンピーク
109ギニア
110ボリビア
111ブラジル
112ブルガリア
113インドネシア
114ベナン
115ザンビア
116グアテマラ
117ガボン
118コンゴ
119マレーシア
120ナイジェリア
121ニカラグア
122アフガニスタン
123チャド
124タンザニア
125ウガンダ
126中央アフリカ共和国
127スリランカ
128カタール
129ヨルダン
130ジンバブエ
131アラブ首長国連邦
132パレスチナ
133オマーン
134コロンビア
135カメルーン
136モロッコ
137タイ
138フィリピン
139南スーダン共和国
140ミャンマー
141エスワティニ
142インド
143メキシコ
144カンボジア
145パキスタン
146アルジェリア
147ブルンジ
148ベネズエラ
149コンゴ
150ロシア
151ホンジュラス
152バングラディシュ
153トルコ
154ブルネイ
155カザフスタン
156ルワンダ
157ウズベキスタン
158ベルラーシ
159スーダン
160シンガポール
161ソマリア
162タジキスタン
163イラク
164赤道ギニア
165リビア
166エジプト
167アゼルバイジャン
168バーレーン
169イエメン
170サウジアラビア
171キューバ
172ラオス
173シリア
174イラン
175ベトナム
176ジブチ
177中国
178トルクメニスタン
179朝鮮民主主義人民共和国
180エリトリア

【報道の自由度】先進国のランキング

ここでは、先進国に的を絞って結果を見ていこう。先進国中の日本の順位は、非常に低いことがわかる結果となっている。

順位国名
ノルウェー
フィンランド
スウェーデン
デンマーク
オランダ
ニュージーランド
ポルトガル
10スイス
11ベルギー
12アイルランド
13ドイツ
14カナダ
15エストニア
16アイスランド
17オーストリア
20ルクセンブルク
25オーストラリア
29スペイン
33イギリス
34フランス
35スロバキア
36スロベニア
40チェコ
41イタリア
42大韓民国
44アメリカ合衆国
64ポーランド
67日本
70ギリシャ
86イスラエル
92ハンガリー

日本の順位が低い原因と現状

2021年版の日本の順位は67位。前年よりも順位を1つ落としている。不自由さの原因としてRSFが挙げているのは、「菅義偉首相が、報道の自由のために何もしてこなかった」という点である。

メディアの自由と多元主義の原則を尊重する一方で、伝統とビジネス上の利益への影響のため、報道の自由度が低下している点を指摘。また、記者クラブ制度がフリーランサーや外国人記者を差別している点や、原発事故や沖縄米軍基地について扱うジャーナリストへの嫌がらせ、特定秘密保護法などを問題視している。

報道の自由度ランキング上位国の要因と現状

ランキング上位には、北欧諸国が目立つ結果となった。ランキング上位は、ほぼ毎年固定化されている。1位となったノルウェーにおいては、表現の自由と報道の自由の状態に関する年次評価の発行やメディアポリシーの実装に関する定期的な更新を、政府に要請した点が評価されている。

2位のフィンランドでは、2020年に政府が、オンライン上で行われるヘイトスピーチから、メディアとジャーナリストを保護することを目的とした法律を提案した。報道と政府、法律が程よい距離感にあり、透明かつ公平な環境が守られている点が、上位国の共通点と言えそうだ。

ランキングが低い国の要因と現状

一方で、今回のランキング最下位となったエリトリアは、「メディアが権利を持たない独裁」と酷評されている。過去には多くのジャーナリストが「人道に対する罪」で有罪となり、国民はオンライン上の活動についても、厳しい監視の目にさらされている。

177位となった中国においては、Covid-19のパンデミック報道に関わったジャーナリストが拘束され続けている。ジャーナリストの自由な活動と、国民が自由に情報にアクセスできる権利を阻害されている点が、自由度の低さの原因である。

報道の自由度ランキングから考える日本の現状

日本で生活していて、報道の自由度について、深く考える機会は少ないかもしれない。しかし、各国のランキング情報をチェックしてみると、決して自由とは言えない現実が見えてくるのではないだろうか。

報道の自由度を上げていくために必要なのは、まず国民が、報道とその自由度に対して、関心を寄せることだろう。来年の結果がどうなるのか、今後の流れにも、ぜひ注目してみよう。

※掲載している情報は、2021年11月30日時点のものです。

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