世界人口が80億人を突破 人口増加の背景や影響とこれからの社会を考えよう

駅で行き交う人々

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2022年11月、世界人口が80億人を超えた。長年、人口世界一だった中国をインドが抜くなど、世界人口の現状を解説する。また、人口増加の背景やそれによって生じる影響、わたしたちができる取り組みについて紹介する。

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世界人口は80億人を突破

2022年11月15日、国連は世界人口が80億人を超えたと発表した。今後も人口は増加傾向にあり、2037年には90億人、2080年代には104億人でピークを迎えると予想されている。

1804年頃には10億人だった世界人口は、産業革命による経済・医療の発展を機に、急速に増加し続けている(※1)。

インドが中国を上回り、人口世界一に

また、世界人口が80億人を超えたことに加え、大きなニュースとなったのが、インドの人口がついに中国の人口を抜いて世界一になったことだ。

ワールド・ポピュレーション・レビューによると、インドの人口は2022年末で14億1700万人。中国国家統計局の調査によると、中国(台湾、香港、マカオを除く)の2022年末の人口は14億1200万人とされており、長年人口世界一であった中国を、インドが上回る結果となった(※2)。

2022年末の中国の人口は前年比85万人減で、61年ぶりに人口が減少。40年以上続いた「一人っ子政策」による出産適齢女性人口の減少、都市部での非婚化・晩婚化が要因となり、少子化が進んでいる。

日本は11年連続で減少、出生率も過去最少の80万人割れ

発展途上国などで人口が増加する一方で、先進国では人口が減少し、少子高齢化が進んでいる。総務省統計局によると、日本の人口は2023年3月時点で1億2449万人で、2011年以降11年連続で減少傾向にある(※3)。また2022年の出生数は79万9728人で、過去最少を更新した(※4)。

少子高齢化が進み、社会経済を担う働き手が少なくなることで、経済発展がマイナスになることも考えられる。また社会保障の財源となる税金が減少することも予想されるため、社会保障の基盤が脆弱になりかねないだろう。

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世界人口が80億人に達した背景

医薬品が並んでいる棚

Photo by freestocks on Unsplash

世界人口は、20世紀に入って急速に増加している。農業革命によって農業技術が進歩し、食糧が確保できるようになったり、産業革命によって医療や公衆衛生が改善され、平均寿命が延びたりと、さまざまな事象が複合的に作用していることが要因だ。

長寿化

人口増加には、産業革命によって医療や公衆衛生が改善されたことが関係している。医療技術が進歩したことで、多くの病気や疾患が治療可能になり、医療サービスの提供が拡大した。

また予防医療の進歩も人口増加に貢献している。 予防医療とは、病気や疾患を予防するための医療であり、予防接種や健康診断などが含まれる。 予防医療の進歩により、多くの感染症や病気が予防可能になり、人々の健康を維持できるようになった。

妊産婦と幼児死亡率の低下

妊産婦と幼児死亡率の低下も人口増加の理由の1つ。医療の質の向上により、健康管理や治療が改善。出産における合併症のリスクが低くなり、出産や病気などによる死亡率が低下した。ユニセフによると、2000年以降世界の子どもの死亡率は半減、妊産婦の死亡数は3分の1以上減少したことがわかった(※5)。

さらに、人口が増加している地域はアジアやアフリカなどの発展途上国が多い。発展途上国で医療や公衆衛生が改善され、高出生率・低死亡率へ移行したため、世界人口は増加傾向にあるといえる。

世界人口が80億人になることで生じる影響

人口が増えることで、労働力が増加したり個人消費が活発になったりと、経済成長が見込まれる。しかし一方で、食糧やエネルギー、住宅など生活に欠かせない資源の不足が課題となっているのも現状だ。ここでは世界人口が80億人に増加したことで考えられる、3つの影響を見ていこう。

食糧不足

食糧不足によって、飢餓や栄養不良になる人々が増加することが考えられる。国連によると2021年の飢餓人口は最大8億2800万人に上ることが明らかになった(※6)。人口増加だけではなく、紛争や新型コロナウイルス感染症のパンデミック、異常気象による食料価格の高騰などが原因となり、健康的な食生活を送ることが難しくなっている。

自然環境の破壊

人口の増加を受けて、必要となる食糧・エネルギー量も増加している。これらの資源を用意するために、自然環境が破壊されていることが問題視されている。

世界の森林面積は約40億haあるが、2010年から2020年の間に南アメリカやアフリカなどを中心に毎年約470万haが減少(※7)。土地利用の転換や違法伐採の増加、木材の過剰摂取などが原因だ。

自然環境の破壊によって、野生生物が絶滅の危機に瀕したり、人間社会で新たな感染症が発生したりとさまざまな問題が生じる可能性がある。

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貧困層の増加

人口増加のほとんどは発展途上国で見られている。人口が増加すると、その分生活を維持するための食糧や住宅、経済的に自立するための職(雇用)が必要となる。しかし発展途上国では、人口増加に見合った環境を整えることができていない。その結果、貧困層が増加している。

持続可能な社会のためにできること

ファーマーズマーケットで販売されている野菜や果物

Photo by Somi Jaiswal on Unsplash

人口増加によって生まれるさまざまな課題を解消するためには、私たち一人ひとりの取り組みが重要になる。ここでは日常生活に取り入れられるアクションを紹介しよう。

フェアトレード商品を購入する

アジアやアフリカなど、人口が増加傾向にある地域のほとんどを発展途上国が占めている。これらの発展途上国でつくられた製品が、日本をはじめとした国々で驚くほど安い価格で販売されているものもある。そのような製品は、安さを追求したり、生産性を上げたりするため、途上国の生産者に正当な賃金が払われていないことがある。

少ない賃金では生活水準が上がらず貧しいまま、子どもたちが学校に通えず、労働に従事せざるを得ないこともある。

そのような発展途上国の労働者に対して、公平・公正な取引を行うのがフェアトレードだ。フェアトレード商品を購入することで、発展途上国の雇用を守り、彼らの生活向上につながる。また、フェアトレードの認証には児童労働を禁止しているものもあり、子どもたちを児童労働から守ることもできる。

フェアトレード商品を見分けるには、公平な条件で取引されていることを証明する「国際フェアトレード認証ラベル」などの認証が付いているか確認してみよう。

国際フェアトレード認証とは 制度の仕組みとラベルの意味は?

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おすすめフェアトレード商品

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レビュー (3)

  • ★★★★★
    マテ茶正直苦手だったけどこれは別

    これまで大手メーカーから売られていたマテ茶は正直味が苦手だったのですが、これは美味しく飲むことができてリピートしています。シュワシュワの炭酸が新感覚ですし、オレンジとレモンのほんのりとした風味がとても絶妙です。 飲み終わったボトルはディスペンサーを付けてハンドソープ入れて活用しています^^

    YUJI on Mar. 3, 2022
  • ★★★★★
    ハマる。

    美味しい、ハマります。夏に冷やして飲むと特に美味しいです!飲み終わったボトルには、ホタテパウダー入れて、ディスペンサー付けました!(そうしたくて買ったのもあるw) 洗濯する際、洗濯機の中に洗剤としてホタテパウダーふりかけてます。(本当は決まった量あるみたいですが、大雑把だから適当、、、、) スプーンですくってたときは、粉が飛び散ってたのですが、それがなくなったのでとっても快適です!

    Teresa on Jan. 26, 2022
  • ★★★★★
    シュワシュワなマテ茶

    しっかりマテ茶の味もしますが、とってもフルーティーで清涼感があり美味しいです。このマテ茶でウォッカや焼酎などのお酒を割ってサワーにしても楽しめそうです。

    michimaru on Jan. 20, 2022
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ミツロウラップ

1,320円

※2022.06.29現在の価格です。

食品ロス(フードロス)を削減する

人口増加によって食糧不足が深刻化するため、食品ロスを削減することで食糧供給の安定につながる。食品ロスと聞くと、製造会社や飲食店などの事業系から排出されるイメージがあるが、実は家庭で発生する食品ロスも多い。

日本で出る食品ロスの量は年間522万トン。そのうち家庭からは247万トンが排出されている。国内の年間食品ロス量を国民1人あたりに換算すると、1日約113g。これは茶碗約1杯のご飯分にあたる(※8)。

食品ロスの約半数近くが家庭から排出されているため、日々の生活で食品ロスを削減する必要がある。食べ残しや買いすぎ、調理時の過剰除去に注意して、食品を有効活用できるよう工夫しよう。

フードロス削減に貢献できるおすすめ商品

FOOD LOSS BANK

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レビュー (2)

  • ★★★★★
    みかんの味が濃くて嬉しい🍊

    みかんの味か濃く感じられ、飲むデザートのように感じられるジュースでした。(少し大袈裟かな笑、でもほんとに美味しい!!)

    FuMuFuMu on Jun. 14, 2022
  • ★★★★★
    ごくごく、また飲みたい!

    甘いとか、酸っぱいとかではなく、みかんならではの「旨味」を感じる奥深い味わいでした。これぞ、本物。身体馴染みが良くて、ごくごく飲んでしまう。これがともすればロスになっていたなんて信じられません… 製品化して届けてくださる生産者さんに感謝です。

    oishiinimeganai on Jun. 10, 2022

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80億人が心地よく暮らせる社会に

2022年に80億人を超えた世界人口は今後も増加傾向にある。経済発展が期待される一方で、資源の枯渇や貧困層の拡大が問題視されている。格差や不平等を解消するには、一人ひとりの取り組みが重要だ。この記事で紹介したアクションをぜひ取り入れてみてはどうだろう。

※掲載している情報は、2023年3月30日時点のものです。

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