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森林破壊とは、土地利用の転換や森林火災などにより、森林が減少する状態のこと。この記事では森林破壊について解説。原因や影響、防ぐための対策や私たちがおこなえるアクションについて紹介する。
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森林破壊とは、自然回復力を上回るスピードで森林が減少する状態のこと。森林伐採や火災などによって、森林面積が減少している。現在世界の森林は減少し続けており、このまま減少が続くと野生生物や人間社会にさまざまな影響を及ぼすことが危惧されている。
世界の森林面積は約40億haあるが、2010年から2020年の間に毎年約470万haが減少した。とくに南アメリカ、アフリカなどで森林の減少が激しいことが特徴だ(※1)。
日本を見てみると、日本の国土に占める森林の割合は67%(※2)。世界平均の約30%を大きく上回り、過去50年以上で大きな変化はない。だが日本は世界有数の木材消費国であり、需要の約8割を海外からの輸入品に頼っている。つまり世界の森林破壊と無関係とは言えないのだ(※3)。
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森林破壊の原因には、以下の5つが挙げられる。
ひとつめの原因は、森林伐採で農地や宅地、工業用地などに転換していることがある。人口増加によって、食料や資源の需要が高まったことをうけて、土地利用の転換がおこなわれるようになった。
違法伐採とは、国や地域の法令に反して森林伐採をおこなうこと。許可を得ていない伐採や、禁止地域での伐採などが違法伐採にあたる。無計画な違法伐採は森林を壊し、森林生態系の破壊につながる。また違法伐採された木材が流通することで、木材市場価格が低下し、経済面にもマイナスな影響をもたらす可能性がある。
世界で使われる木材の約半分は燃料用だ。アフリカなどの途上国では、調理時に薪や炭などの燃料が使われている。そのようなエリアの人口増加にともない、薪や炭などの木材燃料の使用量が増加している。
2019から2020年にかけて発生したオーストラリアの森林火災など、記憶に新しい方も多いのではないだろうか。農地開発時の火の不始末や落雷などが原因となって、森林火災が発生する。また地球温暖化の影響も大きい。気候変動にともない、干ばつや猛暑などの異常気象が起こるため、森林火災が起こりやすくなっている。
焼畑農業とは、森林を焼き払い、その灰を肥料として利用する農業のこと。従来の方法では、一度焼畑農業をおこなった場所は数十年放置するため、森林が十分に回復する時間があった。しかし近年は、森林が十分に回復しないうちに再び焼き払うなど、適したやり方でおこなわれない場合が増え、森林破壊の原因となっている。
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多様な原因によって、森林破壊は着実に進行している。そして森林破壊は、野生生物や人間社会にさまざまな影響を引き起こす。
森林破壊が進むと、森林に生息している野生生物の食べ物やすみかが奪われてしまう。生態系が崩れ、絶滅の危機に瀕する動植物もすくなくない。森林に生息している野生生物のうち、1万4,000種以上が絶滅のおそれが高いとされている(※4)。これらの野生生物が絶滅してしまうと、食物連鎖でさらに多くの野生生物の命が危険にさらされることとなる。
森林破壊によって、人間社会においても食糧不足や疫病・感染症の流行などが考えられる。森林が破壊されることで、さまざまな病原体を持っている野生生物が人や家畜と接することが多くなるため、新たな感染症の拡大につながってしまうと言われる。
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森林破壊を防ぐことは、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」につながっている。森林をはじめとする陸上の生態系を守るために、世界でさまざまな対策がおこなわれている。
2000年に制定された「グリーン購入法」は、国や地方公共団体などの公的機関を中心として、できるだけ環境に配慮した商品を選ぶことを推進する法律である。具体的には、紙類や文具、オフィス家具などがある。「グリーン購入法」を活用して環境にやさしい商品を購入することで、省資源・省エネルギーにつながるほか、環境配慮型製品の市場の拡大も期待できる。
「持続可能なパーム油のための円卓会議」は、2004年に設立された非営利団体のこと。生産者や商社、消費者製品製造業など、パーム油産業にかかわる7つのステークホルダーによって構成されている。
近年需要が高まっているパーム油だが、原料となるアブラヤシを生産するために大量の森林が農地開発されていることが課題となっていた。そこで持続可能なパーム油製品の生産・購買・利用を促進するために、「持続可能なパーム油のための円卓会議」が設立されたのである。
2017年に施行された「クリーンウッド法」は、原産国の法令に適合した木材や木材製品の流通・利用の促進を目的とした法律。違法伐採された木材の流通を防ぐために制定された。木材や建材、家具、パルプ・紙などが対象製品となり、合法な製品かどうかを見極めて購入しなくてはならない。
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森林破壊を防ぐためには一人ひとりのアクションが大切だ。ここでは日常生活で取り入れられるものを紹介しよう。
紙の使用量を減らすことで、原料となる木材の消費を削減できる。紙の書類でやりとりしていた業務をペーパーレスにするほか、電子書籍を活用したり、ティッシュペーパーの使用量を減らしたり。今日からすぐに始められる身近なアクションだ。
木材輸入の自由化によって国産材の利用が低下し、森林が手入れされなくなったり、土砂災害などが発生しやすくなったりしている。国産材を使用した製品を購入することで、これらの災害防止につながる。また政府も木材自給率の向上を推奨している。
適切に生産された木材や木材製品には森林認証マークがついている。代表的な森林認証マークとして挙げられるのが「FSC認証」と「PEFC認証」だ。買い物するときは、これらのマークを目印にするのもいいだろう。
FSC認証は、適切に管理された木材・木材製品であることを証明する認証である。森林自体の管理が適切かを認証する「FM認証」と、加工・流通過程に問題がないかを認証する「CoC認証」の2つがある。FSC認証は26カ国の環境NGO・林業に関連する人々・先住民族などが中心となって設立しており、認定はASIという独立した第三者機関がおこなう。
PEFC認証とは、持続可能な森林を維持するための認証制度。PEFC認証と似た制度に先述のFSC認証がある。どちらも「FM認証」と「CoC認証」の取得が可能である点が共通しているが、その判定基準が異なる。FSC認証は世界共通の規格に基づいて審査されるのに対して、PEFC認証は「持続可能な森林管理のための汎欧州施業ガイドライン」を基準としている。
森林保全を目的としたFSC認証を取得している紙を使用したハンガーだ。
rik skog
エシカルハンガー - FSC認証
2,750円
※2021.04.09現在の価格です。
新聞やダンボール、牛乳パックなどの雑古紙100%でつくられたトイレットペーパー。
社会福祉法人共働学舎
雑古紙100%トイレットペーパー
198円
※2023.03.14現在の価格です。
包装紙なしでトイレットペーパーを買えたことに満足しています。紙質はやや硬めですが全く問題ありません。
元々使っていたものと比べると長さがすごくあるので、使っていても減らないなー、という感覚がありました。市販のものはビニールに入っているのがほとんどなので、パッケージレスを選択できるのもすごく嬉しいです。
減少が進む森林資源。森林を失うことは、自然や野生生物、人間社会にさまざまな影響を及ぼす。紙の使用を減らしたり、認証された製品を選んで購入したりと日々の生活でできるのは小さなアクションかもしれないが、積み重ねることで未来の森林資源を守ることにつながる。この記事で紹介したアクションをぜひ取り入れてみてはどうだろう。
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