PEFC森林認証とは FSCとの違い・特徴・基準をわかりやすく解説

森林が持続可能に管理されていることを認証する「PEFC認証制度」

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PEFC森林認証プログラムとは、持続可能な森林を維持するための国際認証制度だ。PEFC認証の基準や特徴、同様の国際森林認証制度であるFSCとの違いについて解説する。またPEFCで相互認証された日本のSGEC(エスジェック)制度についても紹介する。

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2021.11.18

PEFC認証とは 世界最大規模の森林認証制度

持続可能な森林管理の促進を目指すPEFC森林認証プログラム

Photo by trevor pye on Unsplash

PEFC森林認証プログラム(以下、PEFC)とは、持続可能な森林管理の促進を目指す森林認証制度だ。森林の生物多様性や生産性、再生性に関わる能力を維持しつつ、森林の果たす各種の機能を維持し管理することを目的としている。

この認証制度が制定されたのは、主に先進国で林地の所有者からの要望が高まったことがきっかけだ。1990年代後半から認証制度の開発が進み、1999年に欧州11カ国による「汎ヨーロッパ森林認証(PEFC:Pan European Forest Certification)」が発足。

PEFCは森林認証制度の管理を行う非営利NGOとして、「持続可能な森林経営のための政府間プロセス」をもとに、各国で策定された森林認証制度の審査と相互承認を推進している。

2000年には、欧州内5ヶ国(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、オーストリア)の森林認証制度を相互承認。日本の森林制度であるSGEC(エスジェック)は2014年にPEFCに加盟し、2016年に相互承認されている。

加盟国は55ヶ国 認証森林面積は3億3000万ha

林野庁の「世界森林資源評価2020」によると、世界の森林面積は約40億6000万ha。(※1)このうちPEFCが認証した森林面積は約3億3000万haで、世界の森林の1割弱に該当する。(※2)

またPEFCの加盟国は世界55ヶ国(2021年時点、※2)にのぼり、PEFCは世界で最大規模の認証制度のひとつと言える。

PEFCの2種類の認証

PEFCには、以下の2つの認証がある。

FM認証(森林管理)

FMとは「Forest Management」の略で、FM認証は林業関係者のための認証であり、「森林管理認証」と呼ばれる。森林が持続可能に管理されていることを第三者機関が検証し、認証する。

CoC認証(加工・流通過程の管理)

CoCとは「Chain of Custody」の略で、FM認証を受けた森林から生産された木材やリサイクル材を原材料として、適切に加工・流通していることを認証する。

PEFCの特徴 FSC認証との違いは?

世界には森林認証制度がいくつかあるが、そのなかでよく知られているのが、PEFCとFSCだ。

FSCは、木材や紙などの林産物が製品となって消費者の手元に届くまで、その製品を取り扱うすべての組織を対象とする認証制度だ。PEFCとFSCは、FM認証とCoC認証の取得が可能という点が共通する。

しかしFSCでは世界共通の規格にもとづいて審査されるが、PEFCは「持続可能な森林管理のための汎欧州施業ガイドライン」を基準とする。

ちなみに、PEFCやFSCなどの認証を受けている世界の森林面積のうち、約6割がPEFCの認証森林だ。(2015年時点、※3)

PEFC認証の基準

PEFCの「持続可能な森林管理のための汎欧州施業ガイドライン」では、以下の6つの基準が定められている。

1. 森林資源とその地球的カーボンサイクルへの寄与の維持および適切な増進
2. 森林生態系の健全性と活力の維持
3. 森林(木材および非木材)の生産機能の維持、促進
4. 森林生態系における生物多様性の維持、保全、適切な増進
5. 森林経営における保護機能の維持、適切な増進(とくに土壌と水)
6. その他の社会経済的機能と状態の維持

SGECと相互認証に

森林認証制度のPEFCとSGECが相互認証

PEFCとFSCは森林管理のための国際認証制度だが、日本独自の制度として2003年に制定されたのが「SGEC」だ。

日本は国土の7割が森林で占められる森林大国であり、人工林や零細な森林所有者が多いといった特徴がある。SGECは、そのような日本の森林の実情に応じた制度として、林業団体や環境NGOなどの働きかけによって誕生した。日本の認証森林のうち約8割がSGECで認証された森林だ。(※4)

SGECは、PEFCとの相互承認を目指して、2011年に制度の見直しを実施。2014年にPEFCに加盟し、2016年にPEFC総会で相互承認が認められた。これによって、SGECの認証を受けた製品が、PEFC認証商品として流通することが可能になった。

PEFC・SGEC認証マークの意味

PEFCおよびSGECの認証マークは原則として、FM認証、CoC認証を取得した企業のみが使用できる。

消費者はこれらの認証マークを目印に、製品の原料が持続可能な森林管理のもとで生産されていると知ることができる。

持続可能な世界のためには森林が必要

森林を守ることは、木材や紙などの材料の供給、水循環、人々や野生動物の住処の維持などに結びつく。しかし、身近に森林を感じられる環境で生活している人は限られるため、森林保護について意識を持って生活している人は少ないかもしれない。

だからこそ、このような認証について知ることが森林を守るためには大切だ。このような認証制度の理解が、私たち一人ひとりの今後のアクションにつながっていくだろう。

※掲載している情報は、2021年11月18日時点のものです。

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