【2023年最新】二酸化炭素排出量の最新ランキング 日本の順位や排出状況とは

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地球温暖化防止に向けて、近年注目されているのが「二酸化炭素排出量」だ。世界銀行のオープンデータより、最新ランキングを紹介する。日本の順位や、排出国の傾向に注目してみよう。日本の排出状況や理由についても解説する。

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2023.03.29
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【2023最新】二酸化炭素排出量の多い国ランキング

人々がSDGsに関心を寄せるなか、「二酸化炭素排出量」は世界各国で注目されるトピックである。まずは世界のなかで排出量が多い国はどこなのか、現状把握からスタートしよう。

今回は「World Bank Open Data」より、二酸化炭素排出量の多い上位15カ国を紹介する。(※1)

順位国名二酸化炭素排出量割合
1位中国10,707,220kt31.18%
2位アメリカ4,817,720kt14.03%
3位インド2,456,300kt7.15%
4位ロシア連邦1,703,590kt4.96%
5位日本1,081,570kt3.15%
6位ドイツ657,400kt1.91%
7位イラン、イスラム代表630,010kt1.83%
8位インドネシア619,840kt1.80%
9位韓国610,790kt1.78%
10位カナダ580,210kt1.69%
11位サウジアラビア523,780kt1.53%
12位メキシコ449,270kt1.31%
13位南アフリカ439,640kt1.28%
14位ブラジル434,300kt1.26%
15位トルキエ396,840kt1.16%

(世界全体 34,344,006kt)

こちらは、2019年の情報をもとに作成されたランキングである。トップは中国で、世界の二酸化炭素排出量の3割以上を占めている。一方で、「国民一人あたりの排出量」に注目してみると、ランキングは大きく様変わりする。(※2)

順位国名二酸化炭素排出量
1位カタール32.8t/人
2位バーレーン22.3t/人
3位クウェート20.9t/人
4位アラブ首長国連邦20.5t/人
5位オマーン16.5t/人
6位ブルネイ ダルサラーム16t/人
7位カナダ15.4t/人
8位オーストラリア15.3t/人
9位ルクセンブルク15.3t/人
10位アメリカ14.7t/人
11位サウジアラビア14.6t/人
12位パラオ14t/人
13位韓国11.8t/人
14位ロシア連邦11.8t/人
15位トルクメニスタン11.8t/人

世界の二酸化炭素排出量ランキング 日本の現状と高い排出量の理由

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二酸化炭素排出の理由と割合

世界資源研究所(World Resources Institute)によると、二酸化炭素排出の主な理由と、それぞれの割合は以下のとおりである。

・エネルギー部門 76%
・農業部門 12%
・産業プロセス部門 6.1%
・土地活用と林業部門 3.3%
・廃棄物部門 3.3%
(※3)

二酸化炭素排出の理由として、もっとも多いのが「エネルギー部門」である。エネルギーをつくり、それを使うプロセスにおいて、非常に多くの二酸化炭素を排出している。その割合は、総排出量の4分の3以上を占めるほどだ。排出量ランキング上位国では、「エネルギーの大量生産・大量消費」が日常的に行われている。人々の消費・生産活動は活発に行われ、経済的に豊かな国も多い。

一方で、二酸化炭素排出量ランキングとその割合からもわかるとおり、上記に当てはまる国は決して多くはない。上位15カ国が占める排出量割合は、全世界の76%以上に当たる。そのほか200以上の国や地域が排出している二酸化炭素量の合計は、今回のランキングで1位となった中国の排出量に満たないのだ。

経済発展が進んでいない国や地域においては、「エネルギーを使う産業が発展していない」という事例も多く見られる。また先進国のなかには、二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みを積極的に行うことで、経済基盤を維持しつつ排出量を抑えているケースも存在している。

日本の二酸化炭素排出量の現状とは

二酸化炭素排出の理由

ここからは、日本の二酸化炭素排出について学んでいこう。先ほどのランキングで紹介したとおり、2019年の日本の二酸化炭素排出量は1,081,570kt。世界第5位の数値であり、全体の3.15%を占めている。ちなみに、国民1人あたりの二酸化炭素排出量は「8.5t/人」。ランキング上位15カ国には入っていないものの、決して少ない数字ではない。(※2)

日本国内では、どのような理由で二酸化炭素が排出されているのだろうか。環境省では、以下のような理由を挙げている。

・発電所や製油所などにおけるエネルギー転換
・工場などでの産業
・自動車や鉄道などの運輸事業
・商業やサービス、事業所などの業務その他
・家庭における各種活動
・工業プロセスおよび製品の使用
・廃棄物の焼却など
・その他
(※4)

日本においても、もっとも多くの二酸化炭素を排出しているのは、エネルギー転換部門である。我々日本人にとって、電気は日常生活に欠かせないエネルギーだ。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーも増えてきているものの、大量の化石燃料を使う火力発電からの脱却は、まだまだ遠い。

また事業活動においても、二酸化炭素は排出される。工場で製品をつくったり、それを流通ルートに乗せて出荷したりすれば、それも二酸化炭素排出の理由となる。

家庭における二酸化炭素排出も無視できないだろう。日々の食事のためにガスを使ったり、入浴のために湯をわかしたりすれば、それも二酸化炭素を生み出すことになる。日々の移動に欠かせない「自動車」も、キーポイントの一つだ。

もう一つ、忘れてはいけないのが廃棄物の焼却処理である。ごみや不用品を処分するためには、非常に大きなエネルギーが必要になる。ごみを燃やせば、当然二酸化炭素が発生。日本で排出される廃棄物の量はまだまだ多く、地球温暖化以外の側面から見ても、解決するべき課題と言えるだろう。

都道府県によって頃なる二酸化炭素排出量

日本国内においても、二酸化炭素排出量には地域差がある。環境省が発表した「2019年度 都道府県別データ一覧」によると、二酸化炭素排出量ランキングトップ5は以下のとおりだ。(単位:1,000t-CO2)(※5)

順位都道府県名二酸化炭素排出量
1位千葉県64,342
2位愛知県64,237
3位東京都64,126
4位神奈川県58,478
5位北海道50,020

人口が多く、産業がさかんな地域は、やはり二酸化炭素排出量も多くなりがちだ。とくに千葉県や愛知県は、重化学工業がさかんな地域。有名メーカーの製造拠点があることでも知られ、人やモノの流れも多い。東京よりも公共交通機関が発達しておらず、マイカーを使う場面が多いのも特徴と言えるだろう。

第5位にランクインした北海道は、上位4都県と比較すると、意外だと思う人も多いかもしれない。広大な面積を誇る北海道において、移動手段としての車は手放せない。また寒冷地であるため、暖房が欠かせないだろう。こうした事情が関連し、排出量アップにつながっていると考えられる。

二酸化炭素排出の原因となる業種は、多岐にわたる。

・鉄鋼業
・化学工業
・各種製造業
・繊維工業
・農林水産業
・建設業
など

二酸化炭素排出は、幅広い企業が共通して抱える課題である。日本国内の排出量をさらに減らしていくためには、企業ごとにさまざまな工夫が求められるだろう。

二酸化炭素排出量削減に向けた世界的な取り組み

地球温暖化が問題視されるようになったのは、1970年代だと言われている。科学の進歩にともない、地球の気候に対する研究も活発になった。1985年にオーストリアで開催されたフィラハ会議をきっかけに、地球温暖化への危機意識が国際的に共有された。

1992年には、第5回気候変動に関する政府間交渉をきっかけに気候変動枠組条約を策定。ECを含めた世界154カ国が署名した、初めての国際条約となった。ここから各国は、未来の地球環境を守るため、具体的な取り組みを求められるようになる。

その後、さまざまな話し合いが進められ、1997年に採択されたのが京都議定書だ。その内容は、「2008年から2012年までの先進国の二酸化炭素排出量を、1990年度比で5%削減するよう求める」というもの。目に見えない「二酸化炭素排出量」に対し、国際的な数値目標を初めて明確にした点、また法的拘束力を持たせた点が注目された。ただしこちらは、世界最大級の二酸化炭素排出国であるアメリカが「不参加」を決めたため、「意味がなかった」と見る向きもある。

2015年には、2020年以降の具体的な取り組みを求めるパリ協定を採択。二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みを、先進国だけではなく世界中の参加国すべてに求めた。削減目標はそれぞれの国が設定。5年ごとの更新で、取り組みを進めていくよう求められている。京都議定書と同様に法的拘束力を持つ一方で、目標達成できなくても罰則はない。

このような流れのなか、世界の国々や企業は、二酸化炭素排出を抑えるためにさまざまな取り組みを行っている。世界および日本の取り組み事例を紹介しよう。

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再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入

2012年、日本でスタートしたのが、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」である。これは太陽光発電など、再生可能エネルギーでつくった電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを約束する制度だ。自宅の屋根に太陽光発電システムを搭載しようと思えば、相応のコストが発生する。つくられた電力を「家庭内で使う」だけではなく、「電力会社が買い取る」という選択肢を増やすことで、再生可能エネルギーの導入を後押しした。

一般社団法人 太陽光発電協会が発表したデータによると、2020年までの住宅用(10KW未満)太陽光発電の普及率は10%にまで上昇。制度が導入された2012年以降、太陽光発電システム導入件数は大幅に伸び、その数を増やしている。(※6)

太陽光発電システムの導入で、家庭内の電力を賄えるようになれば、大量の化石燃料を使ってつくられる電気を購入する必要はない。また、太陽光発電事業に参入する事業者が増えたことで、再生可能エネルギーはより身近な存在となった。

SDGs(持続可能な開発目標)の採択

2015年9月の国連サミットにて採択されたのが「SDGs(持続可能な開発目標)」、通称SDGsである。2030年までに達成するべき17の目標を提示したもので、二酸化炭素削減はゴール13「気候変動に具体的な対策を」をクリアするための重要課題である。

SDGsの対象は、先進国・開発国を含めたすべての国々である。また具体的な取り組みを求められるのは、政府だけではない。企業や個人も、問題を自分ごととして捉え、具体的な行動を起こすよう求められているのだ。

SDGsを受け、日本や中国をはじめとする二酸化炭素排出上位国の多くが、政府主導でカーボンニュートラルを推進。達成目標時期を明らかにしたうえで、さまざまな取り組みを行っている。

欧州グリーン・ディールのスタート

2019年12月に、欧州委員会が発表したのが「欧州グリーン・ディール」である。EU経済の持続可能性を追求する目的でつくられた成長戦略だ。

欧州グリーン・ディールの目標は、人々の幸福と健康の向上である。これを実現させるための重要課題の一つに、「温室効果ガスの実質排出量ゼロ」を設定。2050年までに気候中立の実現を目指している。「2030年までに温室効果ガスを1990年比で55%以上削減する」という目標は、実現に向けた第一歩だ。

欧州グリーン・ディールをもとに、2021年6月には欧州気候法を採択。2030年までの削減目標は、EU加盟国内で法的拘束力を持つものとなった。

欧州グリーン・ディールは、ただ単純に「二酸化炭素排出量削減」を目指すだけの戦略ではない。温暖化防止や環境保護は、人々の幸福や健康の向上を目的にしたもの。温室効果ガス削減とともに、経済をよりいっそう発展させることを目指している。雇用の促進や技術革新を進めつつ、次世代のための環境整備を進めている。

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サウジ・グリーン・イニシアチブ

二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みを進めていくなか、鍵を握るのが産油国である。世界最大級の産油国の一つであるサウジアラビアが、2021年に発表したのが、サウジ・グリーン・イニシアチブだ。

具体的な取り組み内容としては、国内での植樹や保護地域指定など。2030年までに、電力の50%を再生可能エネルギーによって調達することを目指している。2060年までには、カーボンニュートラルを実現する予定だ。

これまで、産油国として確固たる地位を築きあげてきたサウジアラビアだが、今後は太陽光発電やクリーンエネルギー事業も積極的に推進。脱炭素を実現するためのエネルギーシフトに向けて、具体的な取り組みをスタートしている。

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二酸化炭素排出量を減らし環境問題の解決へ

温室効果ガスによる環境への悪影響が認知されてから、50年以上の年月が経過している。2015年のパリ協定やSDGsによって、多くの国や企業、そして個人が、さまざまな形で具体的な取り組みをスタートしている。実際に、二酸化炭素排出量削減に成功しているケースも多い。技術革新とともに、うまくエネルギーシフトが進めば、さらなる削減も可能だろう。

とはいえ、地球環境への影響は、すでに「待ったなし」の状況である。このまま順調に二酸化炭素排出量を削減できるのか、そして実際に温暖化を食い止められるのかは、まだまだ未知数と言えるだろう。

今後は、ただ単純に二酸化炭素排出量を減らすだけではなく、どのように経済発展と両立させていくのかについても考慮していく必要がある。さらなるイノベーションと社会構造の変革を目指し、いま何が求められているのか、あらためて考えてみよう。

※掲載している情報は、2023年3月29日時点のものです。

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