Photo by The Matter of Food on Unsplash
イギリスのスターリング大学で行われた17,000人の学生投票で、学食を100%ヴィーガンにする意見が賛成多数となった。気候変動を防ぐ方法として、肉の消費を減らす動きは世界中で見らるが、完全ヴィーガン学食の大学が誕生すればイギリスで初となる。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
Photo by Toa Heftiba on Unsplash
イギリスのスコットランドにあるスターリング大学で、学食のメニューが100%ヴィーガンになるかもしれない。実現すればイギリスで初めてのこととなり、世界からも注目を集めている。
ここ数年、多くの人がいままでにない異常気象や自然災害を経験し、気候変動への関心が高まっている。その対策のひとつとして、ヴィーガンやプラントベースの食事を推奨する動きがある。これは、畜産業が温室効果ガスの排出量が多く、森林破壊、水質汚染など、環境負荷が高いと言われているからだ。
なかでもイギリスでは、環境のために100%ヴィーガン食へのシフトを求める学生運動「プラントベース・ユニバーシティ・キャンペーン」が盛んだ。同運動は、イギリス内の40以上もの大学で行われている。
そしてこの運動の一環で、スターリング大学では17,000人に学生投票を実施。大多数が「100%ヴィーガンの学食にする」ことに賛成する結果となった。この結果を学生組合に提出し、学生組合が運営する3つの食堂において、2023年度までに50%、2025年までに100%をヴィーガンへ移行するよう求めている。
イギリス政府が出資する研究機関Energy Systems Catapultによると、同国が掲げる「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」目標のためには、肉と乳製品の生産量を最大50%削減する必要があるという。
スターリング大学のようなヴィーガン学食の取り組みは、この目標の実現に貢献すると期待されている。
環境への負荷を軽減するために、ヴィーガン学食にしようとする動きは、他の国でも見られる。
2021年には、ドイツの4つの大学で合計34のキャンパスにある学食のメニューを一新。68%をヴィーガン 、28%をベジタリアン 、2%を魚料理へ変更。肉料理は一品のみを週4回だけ提供しているという。
ポルトガルのコインブラ大学は2020年に14の学食で、もっとも環境負荷が高いと言われる牛肉の提供を廃止。同様にイギリス・ロンドンの複数の大学でも、学食での牛肉の提供が廃止されている。
若い世代を中心にしたヴィーガン学食を求める動きは、今後もさらに増えていきそうだ。
私たちも肉食を週3回から1回に減らすなど、小さくてもできることがある。これにならって、自分たちの食事や生活を見直すきっかけにしてはどうだろう。
※参考
17,000-Student University Votes to Go Vegan by 2025 to Help Save the Planet|Veg News
Net Zero 2050 possible with targeted innovation and scale up|Energy Systems Catapult
ELEMINIST Recommends