NY州がペット販売を禁止する法案を可決 保護犬・猫の引き取りを推奨

NY州がペット販売禁止の法案を可決

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アメリカ・ニューヨーク州で「パピーミルパイプライン法案」が可決された。ペットショップでの犬、猫、うさぎの販売を禁止し、シェルターからの引き取り・飼育を奨励する内容だ。

今西香月

環境&美容系フリーライター

慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中

2022.07.11
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ペットショップでの犬・猫・うさぎの販売を禁止

NY州 ペットショップでの子犬販売を非合法化へ

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ニューヨークはパピーミル業界最大の市場のひとつだ。パピーは英語で「子犬」、ミルは「工場」を意味し、パピーミルとは「動物の幸福よりも利益を優先する犬の繁殖事業」のことを指す。

いわゆる“悪質なブリーダー”の元で生まれた子犬は、生後8週間ほどでブローカーや小売業者に転売され、消費者に売られる。一部のパピーミルは、Webサイトや新聞広告、フリーマーケットを通じて消費者に直接販売する場合もある。

そんなパピーミル市場でアメリカ最大規模のひとつと言われるニューヨーク州で、新たな法案が可決された。動物の福祉を優先し、ペットショップでの犬、猫、うさぎの販売を禁止する「パピーミルパイプライン法案」である。

この法案は、劣悪な環境で飼育された動物がニューヨークに流入することに歯止めをかける法律として、アメリカ動物虐待防止協会、全米人道協会、ニューヨーク州動物保護連盟、コンパニオンアニマルプロテクションソサエティ、動物法務防衛基金など、動物の権利を求める主要団体をはじめ、ペットショップでの動物の販売終了を支援する人々などの支持を受けて可決した。

全米人道協会によると、米国には推定10,000件のパピーミルがあり、そのうち約2割の2,024しかUSDA(アメリカ農務省)の許可を受けておらず、ブラックマーケットが大半を占める。現在、アメリカ国内でもっともペットショップが集中していると言われるニューヨークであるが、その多くがこうした繁殖事業者より出荷されているという。

劣悪なパピーミルでは、十分な飼育スペース、適切な食事、獣医によるヘルスケア、社会との接点などがないまま、狭く不衛生なケージで飼育されることが多い。営利優先で飼育環境は二の次となってしまう結果、深刻な健康被害や計り知れないストレスで問題行動に苦しむ動物も多いという。

今回州議会で可決された法案は、キャシー・ホークル州知事の署名によって成立する見込みだ。

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この法案の成立により、パピーミル業界最大の市場である同州のパイプラインが閉鎖される。今後ペットを飼育したい人は、アニマルシェルターから動物を引き取る方法が推奨される。引き取り手のいない保護犬、保護猫を保護施設から受け入れるもので、動物愛護先進国の欧米諸国では非常にメジャーな制度だ。

動物の命は人間の命と等しく尊い。アメリカの中心地であるニューヨークで、ペットショップでの動物販売を禁止し、過剰な繁殖や殺処分を極力減らす今回の法案の可決は、アメリカ全体や世界へ影響を及ぼすだろう。

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※掲載している情報は、2022年7月11日時点のものです。

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