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GDPは世界各国の経済状況を把握する指標のひとつである。本記事では2022年の世界GDPランキングを1位から191位まで紹介するとともに、順位より推察できる国際社会からの日本への視線や、世界各国の動き、今後のGDPに関しての予測を解説する。
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1位のアメリカは、25兆3468億ドル。世界を牽引する経済大国であり、その経済力は衰えることがない。これまで、イラク戦争、911などのテロ、近年では森林火災などの自然災害などに直面してきているが、世界トップの地位を確立してきている。
第2位だったのが、中国だ。しかし中国の経済成長の割合は、少しずつ減少している。近年は、アメリカとの貿易摩擦が問題となっており、中国のGDPにも少なからず影響を及ぼしていくものと考えられる。
3位に入ったのが、日本だ。2010年までは、日本はGDPランキングで世界第2位に入っていたが、中国に抜かれてから3位の座になっている。日本経済については、後述する。
ヨーロッパでトップになったのが、4位のドイツ。労働市場や輸出が安定していることもあり、堅実に成長を続けている国だ。
世界2位の人口を誇るインド。2023年には1位の中国を抜くとみられており、経済成長を続けている。インドの主要産業は、GDPの約6割を占めるサービス業。財政赤字が縮小されるなど、今後も成長が見込まれている。
ヨーロッパで、ドイツに次いでランクインしたのが、6位のイギリスだ。イギリス経済には、ブレグジットの影響を考慮する必要があるだろう。予算責任局(OBR)によると、ブレクジット後は貿易量が若干減少するとみられている。
フランスは世界7位のGDPにランクインした。フランスのGDPでも約7割と大きな割合を占めているのが、サービス部門だ。新型コロナウイルスのパンデミックによる経済落ち込みから、どの程度回復していくか注目されている。
世界8位になったのが、カナダだ。カナダは原油や天然ガスなどの天然資源を有する先進国である。サービスや製造などもあわせて、経済成長がみこまれている。
iイタリアは世界9位にランクインした。2018年以降から失業率の改善がみられていたことが、経済成長の一因になっている。イタリア経済の主産業はサービスで、そのほかに自動車、繊維、観光などがある。
南米最大の経済国であるブラジルが、10位にランクインした。多くの企業がブラジル市場進出を検討するなど、注目の経済国のひとつと言える。他の先進国と比べると、ブラジルの主要産業に占めるサービス業の割合は低めで、およそ6割ほどだ。
2022年、日本はGDPランキングで見ると3位に位置している。順位は前年の2021年と変わらない。生産力においては1位のアメリカとはおよそ5倍、2位の中国とはおよそ4倍も差がついているものの、先進国の中では健闘していると言えるだろう。
しかし近年の成長率は低く、今後の推移にも厳しい目が向けられている。2022年の結果は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済の停滞が関わっているとはいえ、日本経済の世界での立ち位置が低下しつつあると考えられる。
今後は日本の競争力上昇が求められるだろう。もともと日本は独自の文化や歴史などの個性とビジネスモデルの融合に長け、技術力も秀でている。新たなビジネスモデルのローンチや、日本が有する高い最先端技術分野への注力により、競争力の上昇を期待したい。
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