ワンウェイプラスチックとは プラスチック新法との関連や使い捨ての問題点

海に漂うプラスチックフォークを掴む手

Photo by Brian Yurasits on Unsplash

ワンウェイプラスチックとは、「一度だけ使われて廃棄されるプラスチック製品」。具体的にはどのような製品を指し、どういった問題を抱えているのか詳しく確認していこう。2022年4月施行の「プラスチック新法」との関連についても、わかりやすく解説する。

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2022.03.31
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ワンウェイプラスチックとは

ワンウェイプラスチックとは、「一度だけ使われて廃棄されるプラスチック製品」と定義されている。英語表記では「one way plastic」、直訳すると「一方向プラスチック」であり、意味は通じない。つまり、ワンウェイプラスチックは和製英語の一つなのだ。使い捨てプラスチックを英語で伝えるなら「single-use plastic」が正しい表現である。

たとえばコンビニでパスタを購入すれば、プラスチック製フォークが付いてくる。ホテルに宿泊すれば、プラスチック製のブラシやくしがアメニティとして提供されるだろう。これらのアイテムはほとんどの場合、繰り返し使われることはない。性能的になんら問題がなくても、使い捨てにされるケースが一般的だ。

近年、プラスチックごみに対する注目度が世界中で上昇している。いまや我々の生活に欠かせないアイテムとなったワンウェイプラスチック。具体的にどう対処していくのか、日本でも新たな動きがスタートしている。

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ワンウェイプラスチックの問題点

では、そもそもなぜワンウェイプラスチックが問題視されているのだろうか。その理由は、2010年代後半からスタートしたプラスチックを取り巻く国内外の環境変化にある。

2016年、エレン・マッカーサー財団は、「THE NEW PLASTICS ECONOMY RETHINKING THE FUTURE OF PLASTICS(新プラスチック・エコノミーに関する報告書)」にて、海洋プラスチック問題について驚くべき試算を公表した。海洋へ流出するプラスチックごみは、世界全体で年間数百万トン以上にのぼる。2050年までには、海洋のプラスチックごみの量が魚の重量を上回ると言うのだ。(※1)

2018年6月には、UNEP(国連環境計画)が「シングルユース・プラスチック報告書」を公表。これらのデータがきっかけとなり、各国はプラスチックごみへの対策に乗り出していった。とはいえ、プラスチック製品からの完全な脱却は、決して容易ではない。比較的脱却しやすく、ごみ削減効果が高いものとして注目されたのが、ワンウェイプラスチックなのだ。

各国で進むプラスチック対策

ヨーロッパでは、2019年に「シングルユース・プラスチック規制」をスタート。10種類のワンウェイプラスチック(ストローやカトラリーなど)の販売を禁止した。また2025年までにペットボトルの再生材利用率を25%まで上昇させ、2029年までに回収率90%達成を目指している。

2020年からは、中国においてもワンウェイプラスチック製品の規制が始まった。レジ袋の生産や販売は禁止され、食器やカトラリー類についても段階的な削減、廃止が進められている。(※2)

2018年の「UNEPシングルユース・プラスチック報告書」において、日本は世界最大のプラスチックごみ排出国の一つと指摘されている。1人当たりのワンウェイプラスチック容器、包装の廃棄量は、アメリカに次いで世界第2位。国際社会の一員として、この状況にどう向き合っていくのか、日本も具体的な対策を求められている。

2020年7月からスタートしたレジ袋有料化は、その取り組みの一つである。(※3)

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プラスチック新法に明記 ワンウェイプラスチック規制

プラスチックごみ問題に対して、日本では2022年4月より、新たな法律による取り組みがスタート。法律の名前は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」。プラスチック新法、または「新プラ法」という名称で知られている。ワンウェイプラスチック製品は新たな法律で規制対象として定められているのだ。

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具体的な目標は、「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」である。我々の生活に身近な製品だからこそ、突然ゼロにするのは難しい。さまざまな手段による合理化が、排出量削減の鍵になるだろう。

事業者に求められる変化

たとえば、特定プラスチック使用製品提供事業者には、以下のような工夫が求められる。

・ワンウェイプラスチックの有償での提供
・特定プラスチックを必要としない顧客に対する景品やポイントの提供
・必要かどうか、顧客の意思を確認した上での提供
・繰り返しの使用を促すこと

またこれ以外に、製品そのものに工夫を凝らすのも合理化のために必要な手法である。

特定プラスチック使用製品提供事業者は、具体的な目標を設定し、合理化のための行動を実践、さらにその取り組みについて積極的に情報を発信する必要がある。取り組み継続のための体制を整えるほか、実施状況を把握し続けることが求められるだろう。

取り組みが著しく不十分と判断された場合は、勧告や公表、命令などが行われる可能性にも十分に注意する必要がある。

プラ新法で指定された12品目

プラスチック新法で特定プラスチック使用製品に指定されているのは、以下の12品目だ。

・フォーク
・スプーン
・テーブルナイフ
・マドラー
・飲料用ストロー
・ヘアブラシ
・くし
・かみそり
・シャワーキャップ
・歯ブラシ
・衣類用ハンガー
・衣類用カバー

カトラリー類は無店舗のものを含む各種商品、小売業や飲食料品小売業、飲食店など、幅広い業種に対して対策を求められている。ヘアブラシや歯ブラシは宿泊業、衣類用アイテムは各種商品小売業のほか、洗濯業が対象となる。

ワンウェイプラスチック削減に向けて

2022年4月より、脱プラスチックに向けた新たな一歩がスタートする。ワンウェイプラスチックを削減するために必要なのは、我々消費者のライフスタイルの変化と言える。レジ袋有料化と同様に積極的に受け入れ、推進していきたい。

プラスチック製品を使い捨てにするのは大切な資源の無駄遣いである。環境意識が高まっているいまだからこそ、身近なプラスチック製品に注目してみよう。

※掲載している情報は、2022年3月31日時点のものです。

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