プラスチックフリーとは、プラスチックを使わないこと。毎年7月は「プラスチックフリージュライ」として、使い捨てプラスチックの使用を控えようという活動もある。そこで、外出・掃除するとき、キッチン・バスルームでできるプラスチックフリーな小さな取り組みを紹介する。
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「プラスチックフリー」とは、プラスチックを使わないこと。英語で「〇〇フリー」は「〇〇がない」という意味で、「アルコールフリー」ならアルコール不使用、「タックスフリー」なら税金がかからない(免税)を意味する。それと同じように、「プラスチックフリー」はプラスチックを使わない製品やライフスタイルを指す。
類似した言葉に、「脱プラスチック(脱プラ)」や「ノープラスチック(ノープラ)」がある。
ちなみに、プラスチックとは一般的に合成樹脂を指す。日本では1950年代に石油由来のプラスチック製品が登場。安価で使い勝手がいいなどの理由から、1960年代後半頃から、爆発的に広まった。 (※1)
毎年7月をプラスチックフリーの強化月とし、使い捨てプラスチックの使用を控えようという活動がある。それが「プラスチックフリージュライ(Plastic Free July)」だ。
はじまりは2011年。オーストラリア・パースの近郊にある港町、フリーマントルで暮らすレベッカ・プリンスルイス氏が考案した。初期の参加者は、職場の同僚や近所の住人など、わずか40人程度だった。だが、活動の意義や参加しやすさなどの理由から、世界に賛同の輪が広まり、2020年には世界177カ国3億2,600万人が参加している。(※2)
「プラスチックフリージュライ」が、10年ほどでなぜ世界中に広まったのか。環境意識の高まりもあるが、誰もがチャレンジしやすかったことも一因だろう。プラスチックフリーの取り組みは、実はとても小さな行動からできる。今日からすぐにでも始められるプラスチックフリーのアクションをいくつか挙げよう。
なお、ここで紹介するアイテムは『ELEMINIST SHOP』で取り扱っているものをピックアップした。商品に興味を持った方は、ぜひ「詳しく見る」ボタンをクリックしてみてほしい。
食材の保存や調理などに使える食品用ラップ。非常に薄く、用途に合わせて自由にカットして使えるため便利だ。だが使い切りのため、役目を終えた途端すぐにごみになってしまう。
一方、布に蜜蝋や天然樹脂を染み込ませた蜜蝋ラップは、洗って繰り返し使えるため、ごみが増えない。色やデザインが美しいものも多く、サイズも豊富に展開されているので、食品や食材に合わせて使い分けるのもおすすめ。蜜蝋ラップの購入はこちら。
プラスチック素材のたわしやブラシをキッチンで使う人は少なくないだろう。だが、かつては、ヤシ科の植物、棕櫚(しゅろ)などを原料にしたたわしが家庭で使われるのが一般的だった。
キッチンスポンジは使用頻度が高く消耗品だからこそ、天然素材のものを選んでみてはどうだろう。セルローススポンジ、ヘチマスポンジなどもある。天然素材のスポンジ・たわしの購入はこちら。
プラスチック製容器は軽くて丈夫だが、プラスチックフリーを目指すなら、シリコン製のアイテムを選んでみよう。
例えば、『stojo(ストージョ)』のシリコン製ボックス「stojo BOX」は、折りたたみできるランチボックスだ。弁当箱として利用することはもちろん、量り売りの持ち帰り容器として使えばゼロウェイストに。また、外食時に食べきれなかった料理をこのボックスに入れて持ち帰れば、食品ロスの機会を減らすことにつながる。シリコン製ボックス「stojo」の購入はこちら。
食材には、密閉された状態よりも通気性のある環境を好むものがある。そんな食材に活用したいのが、コットンやリネンのメッシュバッグ。マイバッグと一緒に持ち歩けば、パッケージされていないばら売りの野菜や果物を買ったときにも便利だ。フルーツや玉ねぎなどを入れたままキッチンに置いておいても、さまになるところもなんだか嬉しい。写真のメッシュバッグの購入はこちら。
合成繊維のマイクロファイバークロスは、しなやかで吸水率が高いためキッチンで使われることが多い。洗えば繰り返し使えるところはいいのだが、微小なマイクロプラスチックが流出していると言われる。
そこでおすすめしたいのが、麻などの植物原料でできたクロス(布巾)だ。麻は成長が早く丈夫。さらに毛羽立ちにくく、通気性がよいなどの特徴から、クロスとして昔から愛用されている。
プラスチックはペットボトルやラップばかりではない。日常的に着ている服の多くもプラスチックでできている。そのため、洗濯するたびに細かな粒子が水に紛れ、最後は海へとたどり着く。マイクロプラスチックをキャッチできる洗濯ネットを使えば、そのリスクはぐっと減らせるだろう。海の豊かさを守れる手軽で確かなアクションだ。マイクロプラスチック流出防止フィルター付き洗濯ネットの購入はこちら。
洗剤はプラスチックボトル入りのものを買わず、詰め替え用を選んでいる人は多いだろう。詰め替え用洗剤のなかには、紙パックで売られているものもある。さらに、洗剤を量り売りで購入することも考えてみてはどうだろう。例えば『エコストア』では、全国各地にある店舗で洗濯用洗剤や台所用洗剤などを量り売りしている。
室内の掃除は掃除機かフロアワイパーと思っている人はいないだろうか。近年、天然素材を用いたほうきが静かなブームだという。さっと取り出して使えて、静かなため夜間も周囲を気にせずに掃除できるところが人気の秘訣だ。
フローリングの床を傷つけない素材としては、柔らかでこしがある棕櫚(しゅろ)がおすすめ。もちろん、畳敷きの部屋にも使える。しゅろのほうきの購入はこちら。
数年前から、若い世代を中心に固形石鹸の良さが見直されている。ボディソープはプラスチックボトルに入っているものが多いが、固形石鹸ならプラスチックフリーのパッケージで販売されているものもある。
もしボディソープが好きなら、リサイクルに力を入れる企業から購入するといいだろう。ユニリーバ・ジャパンと花王は共同で、一部の地域でプラスチックボトルの回収に乗り出している。(※3)こうしたサステナブルな活動に積極的な企業の製品を購入し、プラスチックボトルの使用済み容器を返還することも、プラスチックごみを減らすことにつながる。
サステナブルやエシカルに関心の高い人の間では、すでによく知られているのが、固形タイプのシャンプー(シャンプーバー)。従来は液体だったシャンプーを固形化することで、プラスチックボトルを排除できる。
シャンプーバーの使い方は簡単だ。使うときは、濡れた髪にシャンプーバーをスライドさせて泡立てるだけ。固形タイプのコンディショナーもあるから、チェックしてみてはどうだろう。シャンプーバーの購入はこちら。コンディショナーバーの購入はこちら。
お気に入りのバスボムがあると、バスタイムがより楽しくなる。プラスチックのパッケージに個包装されているバスボムを使うのは、地球にやさしいとは言えない。それなら、手づくりしてみてはどうだろう。
バスボムの主成分は、重曹とクエン酸。そこへお気に入りのエッセンシャルオイルで香りをプラスすれば、手軽にバスボムが手づくりできる。シリコン型の製氷皿や焼き型を使ってかわいい形にすれば、バスタイムがより楽しくなりそう。
家庭用洗剤にとどまらず、ボディソープなどの量り売りを行う店が増えている。例えば、コンビニ大手のローソンの一部店舗では、ハンドソープやシャンプーなどの量り売りをはじめている。プラスチックを新たに買わない、使わない暮らしの一歩に、身近なお店が役立つ日は近づいているようだ。
従来のプラスチック製歯ブラシは、使い終わった後のリサイクルが難しく、ほとんどが焼却処分される。そんなごみを出さないためにできるのが、竹の歯ブラシというチョイスだ。竹は成長が早く、再生可能な植物。歯を磨くたびに脱プラを実感できるのもいい。
例えば、『MiYO Organic(ミヨオーガニック)』の竹歯ブラシもそんなアイテムのひとつ。柄には、循環型素材である竹を使用することで、プラスチックごみの80%削減に成功している(※ブラシ部分はナイロン6を使用)。『MiYO Organic』の竹歯ブラシの購入はこちら。
学校や職場にマイボトルを持参する人が着実に増えている。だからこそ、よりエシカルでサステナブルなマイボトルを選びたいものだ。植物繊維であるセルロースを主原料にしたものや、紛争の資金源になっている鉱物資源を使わないものなど、環境や社会に配慮したボトルも生まれてきている。
日常的にオフィスや学校などでマイボトルを持ち歩く人も、身軽な休日には持ち歩くのをためらうことがあるのでは。そんな場面で、シリコン製のカップがきっと役に立つだろう。丈夫で軽く、しなやかなシリコンは、折りたたんでコンパクトになるのが強み。バッグに入れて、コーヒーなどをテイクアウトしてみるのもいいだろう。シリコンカップの購入はこちら。
プラスチック製の買い物袋が有料化になり、一気に普及したマイバッグ。すでに、お気に入りのマイバッグをいくつか所有している人も多いのではないだろうか。マイバッグも、ぜひプラスチックフリーなものを選んでほしい。そして、マイバッグを必要以上に多く買いすぎないことも大切だ。
外出先のカフェなどでストローを使うときは、使い捨てのストローではなく、エコなストローを選ぼう。ステンレス製のストローや、竹などの植物由来のストローなど、繰り返し使えるエコなストローが生まれている。太さも手触り、口あたりもさまざまで、デザインも種類も豊富。自分の好みに合うストローを選んで、使ってみてはどうだろう。ステンレスストローの購入はこちら。
食品から日用品まで、多くのものがプラスチック包装されて販売されている。だが、できるだけ過剰包装のものは避けるよう心がけることも、プラスチックフリーのひとつの方法。何重にもプラスチック包装されているものは買わない習慣を身につけてはどうだろう。
2022年4月からプラスチック新法が施行され、プラスチック製使い捨てカトラリーの取り扱いがより厳しくなった。だからこそ、地球環境にやさしいマイカトラリーを用意してはどうだろう。ステンレス製のカトラリーを持ち歩いたらクールだし、木や竹でできた箸は日本の伝統文化を感じられる。地域材などを使った地産地消のサステナブルな箸を選んでもよさそうだ。カトラリーセットの購入はこちら。
私たちの身のまわりにはプラスチック製品があふれている。軽くて丈夫で安価なプラスチック製品は気軽に買えることから、私たちには「使わなくなったら捨てる」習慣がついていないだろうか。値段だけではなく、「長く使える」という視点でものを選ぶ習慣をつけていくことも大切だ。
プラスチックフリーな生活は、実は身近なものでトライしやすいと感じていただけたのではないだろうか。『ELEMINIST SHOP』ではプラスチックフリーをサポートするアイテムを数多く揃えている。
製品の詳細はもちろん、アイテムに込められた生産者の思いまでが伝わってくる。そんな逸品のなかから選んだものなら、愛着が一層湧き大事に使いたくなることだろう。
2022年4月1日より「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック新法)」が施行される。これは企業などへ、プラスチックのリサイクルなどをさらに促すのが主な目的だ。だが、そのためには私たち消費者一人ひとりの意識を変えることも大切だ。
すでに持っているプラスチック製品は、すぐ捨てるのではなく、大事に使い、役目を終えたら適切にリサイクルにまわす。その際には、マイクロプラスチックとして流出しないよう配慮していきたい。また、新たに購入するときは、できるだけプラスチック製品は避け、環境への負荷の少ないエシカルでサステナブルなアイテムを吟味する。
そうした賢い消費と、地球と自分にやさしい生活循環が当たり前になれば、プラチックフリーな社会の実現はきっと近づくはずだ。
※1 http://www.jpif.gr.jp/2hello/conts/toukei_c.htm
※2 326 million people make a difference | Plastic Free Foundation
※3 ユニリーバ・ジャパン、花王が協働回収プログラム「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を開始|花王
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