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ハラルフードとは、イスラム教で食べることが許されている食事のことで、豚肉やアルコールは禁じられている。そこでイスラム教の考え方や具体的なハラルフードの例を挙げ、ハラル認証や日本国内でのハラルフードの現状について紹介する。
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ハラルフードとは、イスラム教において食べることが許されている食品や料理のこと。
「ハラル(ハラール)」は、アラビア語で「許されている」という意味を持ち、その反対語となる「ハラム(ハラーム)」は「禁じられている」という意味を持つ。
イスラム教には生活に関わるすべてのモノや行動に戒律があり、食べ物に関しても「食べることが許されているもの」と「食べることが禁じられているもの」が細かく定められている。
イスラム教は、唯一神・アッラーの教えに服従する教えで、7世紀にアラビア半島ではじまった。イスラム教徒(ムスリム)は、神の教えに忠実にしたがって生活している。
「ハラル」や「ハラム」とは、生活全般におけるモノや行動が、神によって「許されている」のか、「禁じられている」のかを示す考え方だ。神によって許されたもの(ハラル)を選び、神によって禁じられたもの(ハラム)を避けることで、日々の行動で信仰を表す。
このような考え方は食に限ったことではなく、嘘をつくこと、物を盗むこと、女性の肌の露出なども、神に禁じられている行為(ハラム)とされている。
現在世界にいるイスラム教徒(ムスリム)は、18億人以上。その半数以上はアジア圏で暮らしている。もっとも多くのムスリム人口を抱える国・インドネシアでは、人口2億5千万人のうち9割がムスリムと言われている。
そのほか、パキスタン、バングラデシュ、インドなどでもムスリムの人口が多く、ヨーロッパには4千万人以上、中国にも2千万人以上が暮らしている。(※1)
世界全体で急速に人口が増加しているムスリムは、2060年までに約30億人となることが見込まれており、世界でのハラルフードの需要も増していくことが予測される。(※2)
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ムスリムは、毎日の食事で「ハラル(食べていいもの)」と「ハラム(食べてはいけないもの)」を注意しながら生活している。
このような食べ物の決まりは、単なる好き嫌いの問題ではない。ハラルのものだけを食べることは、神の教えに忠実にしたがう、つまり信仰そのものなのである。
ハラルとハラムについては、国、地域、学派、個人によって解釈が異なる場合があるが、ここでは主な食べ物の例を挙げる。
・豚肉
・イスラム法に則って処理がされていない食肉
・アルコール
・血液 など
ハラムな食べ物としてよく知られているものに、豚肉がある。イスラム教では、豚肉は副産物を含めて厳しく禁じられている。
例えば、豚肉そのものはもちろん、豚肉の加工品、豚を原料とした食品添加物、豚が含まれた餌を食べた家畜もハラムとみなされ、口にすることを禁じられている。
鶏や牛に関しても、イスラムの教えにしたがって屠畜・加工されていなければ、ハラムとされている。例えば、死んだ動物の肉や、解体前に血抜きがされなかった家畜などがハラムにあたる。
アルコールに関しては、酔っ払うことの危険性や害から、飲むことが禁じられている。ただ、飲料や料理で用いるアルコールを避ける人は多いが、手や指の消毒用アルコールを避ける人は少ないとされている。
ただし、同じムスリムでも、発酵過程でアルコールが自然に醸造されるものについては、厳しく規制するべきという人がいる一方で、一定の濃度を超えなければ問題ないという考えの人もいる。
また、豚やアルコール以外にも、肉食動物や爬虫類、昆虫類、水中でも陸上でも生きられるカエルやカメ、カニなどもハラムとされている。これらの副産物も同様にハラムであり、食べることが禁じられている。(※3)
・野菜
・果物
・穀物(米、小麦など)
・魚介類、海草類
・豆類
・牛乳
・卵
・イスラム教の方式にしたがって屠畜・加工された動物の食肉
ハラルな食品は、野菜や果物、魚介類などがある。一般的に、ハラム以外のものが、「ハラル」とみなされている。
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