「ハラルフード」とは? イスラム教の考え方と具体的な食品例を紹介

ハラルフード

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ハラルフードとは、イスラム教で食べることが許されている食事のことで、豚肉やアルコールは禁じられている。そこでイスラム教の考え方や具体的なハラルフードの例を挙げ、ハラル認証や日本国内でのハラルフードの現状について紹介する。

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2021.08.30

ハラルフードとは

ハラルフード

Photo by Muhammad Haikal Sjukri on Unsplash

ハラルフードとは、イスラム教において食べることが許されている食品や料理のこと。

「ハラル(ハラール)」は、アラビア語で「許されている」という意味を持ち、その反対語となる「ハラム(ハラーム)」は「禁じられている」という意味を持つ。

イスラム教には生活に関わるすべてのモノや行動に戒律があり、食べ物に関しても「食べることが許されているもの」と「食べることが禁じられているもの」が細かく定められている。

イスラム教の考え方

イスラム教は、唯一神・アッラーの教えに服従する教えで、7世紀にアラビア半島ではじまった。イスラム教徒(ムスリム)は、神の教えに忠実にしたがって生活している。

「ハラル」や「ハラム」とは、生活全般におけるモノや行動が、神によって「許されている」のか、「禁じられている」のかを示す考え方だ。神によって許されたもの(ハラル)を選び、神によって禁じられたもの(ハラム)を避けることで、日々の行動で信仰を表す。

このような考え方は食に限ったことではなく、嘘をつくこと、物を盗むこと、女性の肌の露出なども、神に禁じられている行為(ハラム)とされている。

現在世界にいるイスラム教徒(ムスリム)は、18億人以上。その半数以上はアジア圏で暮らしている。もっとも多くのムスリム人口を抱える国・インドネシアでは、人口2億5千万人のうち9割がムスリムと言われている。

そのほか、パキスタン、バングラデシュ、インドなどでもムスリムの人口が多く、ヨーロッパには4千万人以上、中国にも2千万人以上が暮らしている。(※1)

世界全体で急速に人口が増加しているムスリムは、2060年までに約30億人となることが見込まれており、世界でのハラルフードの需要も増していくことが予測される。(※2)

ハラルフードの決まり・具体的な食品の例

ハラルフード, イスラム教

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ムスリムは、毎日の食事で「ハラル(食べていいもの)」と「ハラム(食べてはいけないもの)」を注意しながら生活している。

このような食べ物の決まりは、単なる好き嫌いの問題ではない。ハラルのものだけを食べることは、神の教えに忠実にしたがう、つまり信仰そのものなのである。

ハラルとハラムについては、国、地域、学派、個人によって解釈が異なる場合があるが、ここでは主な食べ物の例を挙げる。

ハラムな食品(禁じられている食品)例

・豚肉
・イスラム法に則って処理がされていない食肉
・アルコール
・血液 など

ハラムな食べ物としてよく知られているものに、豚肉がある。イスラム教では、豚肉は副産物を含めて厳しく禁じられている。

例えば、豚肉そのものはもちろん、豚肉の加工品、豚を原料とした食品添加物、豚が含まれた餌を食べた家畜もハラムとみなされ、口にすることを禁じられている。

鶏や牛に関しても、イスラムの教えにしたがって屠畜・加工されていなければ、ハラムとされている。例えば、死んだ動物の肉や、解体前に血抜きがされなかった家畜などがハラムにあたる。

アルコールに関しては、酔っ払うことの危険性や害から、飲むことが禁じられている。ただ、飲料や料理で用いるアルコールを避ける人は多いが、手や指の消毒用アルコールを避ける人は少ないとされている。

ただし、同じムスリムでも、発酵過程でアルコールが自然に醸造されるものについては、厳しく規制するべきという人がいる一方で、一定の濃度を超えなければ問題ないという考えの人もいる。

また、豚やアルコール以外にも、肉食動物や爬虫類、昆虫類、水中でも陸上でも生きられるカエルやカメ、カニなどもハラムとされている。これらの副産物も同様にハラムであり、食べることが禁じられている。(※3)

ハラルな食品(許されている食品)例

・野菜
・果物
・穀物(米、小麦など)
・魚介類、海草類
・豆類
・牛乳
・卵
・イスラム教の方式にしたがって屠畜・加工された動物の食肉

ハラルな食品は、野菜や果物、魚介類などがある。一般的に、ハラム以外のものが、「ハラル」とみなされている。

店選びの目安となるハラル認証

ハラルフード

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レストランなどの飲食店でハラルフードを取り扱っているか見分けるために、「ハラル認証」の制度がある。

ハラル認証とは、食品化学と宗教の観点から、専門家がハラルであると保証したものだけに与えられる認証だ。ムスリムにとってハラル認証は、日本などのハラルに対応していない国における店選びの目安となっている。

ハラル認証は、各国の政府機関や団体ごとに基準や運用が異なり、世界的な統一基準は確立されていない。

非イスラム圏における対応

ムスリムが、非イスラム圏でも安心して暮らし食事するためには、ハラルフードに対応した飲食店が増えていくことが望まれる。

飲食店では、ハラルフードを取り扱っている卸売業者から食品を調達することで、対応できるだろう。ただし、ハラムな食材に触れた調理器具を使用したり、ハラムな食材の副産物を使用したりすることはできないため、注意が必要だ。

日本国内でのハラルフード

現在日本で生活しているムスリムの人口は、10~20万人。(※1)日本に住むムスリムは、主にハラル認証を受けた飲食店で食事したり、ハラルフードを取り扱う卸売業者から食品を調達したりしている。

世界のムスリム人口が増えていくと予測されるなか、日本在住のムスリムの人々や観光客もこれから増加していくとみられる。

そのため、日本でもハラルフードショップやハラル対応の飲食店が増えつつある。ムスリム向けの飲食店検索サイト「ハラールグルメジャパン」で、ハラル認証を取得している日本国内の飲食店の数は、2021年8月時点で170店以上だ。(※4)

またハラル認証がなくても、ムスリムの人々と直接コミュニケーションを取ることで食事の対応をしている飲食店もあるようだ。

拡大が予測されるハラルフード市場

世界のムスリム人口は増加傾向にあり、2060年までに、世界最大の信者を擁するキリスト教と同程度まで達すると予測されている。それに伴って、日本国内のムスリム人口やハラルフード市場も拡大していくだろう。(※2)

これから進むグローバル化に対応するためにも、私たちはハラルフードだけに限らず、さまざまな宗教や文化への理解を深めていく必要があるのではないだろうか。

参考
※1 イスラム教とは?|日本フードバリアフリー協会
http://www.halal.or.jp/halal/halal2.html
※2 The Changing Global Religious Landscape|Pew Research Center
https://www.pewforum.org/2017/04/05/the-changing-global-religious-landscape/#global-population-projections-2015-to-2060
※3 マレーシアハラル制度の基礎と応用|食品産業センター
https://www.shokusan.or.jp/wp-content/uploads/2019/03/166pdf24.pdf
※4 ハラールグルメジャパン
https://www.halalgourmet.jp/ja/

※掲載している情報は、2021年8月30日時点のものです。

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