ごみに定義はあるか? あなたにとって「ごみ」とは何ですか

ごみゼロの未来に向けて

ごみは、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ……と区分される。でもそれは本当に“ごみ”なのか。ごみのない社会をめざすゼロ・ウェイスト活動を計画、実施してきたゼロ・ウェイスト・ジャパンの坂野晶さんに聞く。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2021.05.05
SOCIETY
学び

エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

ごみゼロに必要な3Rと「発生抑制」

リサイクル

Photo by Nareeta Martin on Unsplash

------ごみを減らす取り組みとしては3Rが知られています。

坂野 ごみのリデュース、リユース、リサイクルの3Rですね。ざっと整理しておきましょう。

使う物の量を減らし、ごみの量を減らすのがリデュースです。長く使えるものを買って長く使う。ごみの使い手を変えるのがリユースです。中古品を他の人が使ったり、壊れて使えなくなった物を修理して使ったりする。資源に戻す技術を持っている企業が使えばリサイクルになる。はじめの投資額は高くつくかもしれませんが、長い目でみれば安くつくので経済的です。

ごみそのものは、たしかにあるわけですが、それを誰から見ればごみにならないか、どんな仕組みがあればごみにならないか。社会によって大きく左右されることに、気づいてほしいなと思います。

------坂野さんの取り組んでいるゼロ・ウェイストも3Rの延長線上に?

坂野 ゼロ・ウェイストの観点で、私がこれから重要になると思うのは「発生抑制」です。そもそも、ごみを出さない、ということです。

ごみになるものを使わない、家に持ち込まない。身近なところでは、たとえば、道ばたで配っているチラシを受け取らない。お店でもらうレジ袋は全国的に有料化されましたけれど、ほかの包装も受け取らない。要らない物を家に持ち込まないことから始まります。

------ごみになる物を持ち込まないとしても、生ごみは出ます。

生ごみは減らせないよね、と思っている人は多いと思います。けれども、家庭から出るごみの約半分は生ごみで、その多くは食品ロス、つまり食べずに捨てているものです。これは単純に食べればいいわけですが。

調理しているときのことを考えてみましょう。野菜の切りクズが出ます。たとえば、ピーマンやパプリカなどの種が生ごみになる。でも、そもそも種を取る必要があるのでしょうか? 私は種を取らずに野菜炒めをつくってみたのですが、ふつうにおいしく食べられたので、種は取る必要がないことがわかりました。

また、生ごみの処理方法にはコンポスト化(堆肥化)が欠かせません。コンポストの導入が日本では大きく立ち遅れています。その理由も気になるところです。次回は、ごみ処理方法の日本と海外の違いについてお話しします。


取材・構成・執筆/佐藤恵菜 編集/松本麻美(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2021年5月5日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends