水と混ぜて泡立てるだけ ひよこ豆の煮汁からできた「プラントベースな卵」が誕生 

「Oggs」という海外の食品ブランドが、ひよこ豆(アクアファバ)の煮汁を使ったプラントベースの卵「Oggs Aquafaba」を発売した。アクアファバとは、ヴィーガンの間で注目を集める素材。環境に対する貢献度も消費者に開示しており、ブランドとしての透明性の追求にも力を入れている。

小嶋正太郎

農家 / 編集者

元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。

2021.01.14
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植物由来の素材でできたプラントベースの卵

いま、日常的に食べているもののほとんどに代替品がある。肉や魚だけでなく、チーズやミルクまで。ここで紹介するのは、卵の代替品だ。

また、それを開発しているブランドの姿勢が非常にすばらしいので、彼らの取り組みについても紹介したい。

「Oggs Aquafaba」のパッケージ

卵の代替品といえば、緑豆を使ったプラントベースの「JUST Egg」が有名だろう。現在、非常に多くのプラントベース製品が販売されていて、消費者はさまざまな商品を選べる時代となった。

ここで注目したいのが、「Oggs(オッグス)」というブランドの「Oggs Aquafaba(オッグス アクアファバ)」という卵の代替食品。卵の代わりにひよこ豆の煮汁(=アクアファバ)を使っているのだ。

すでにアクアファバはヴィーガンの間でも注目されていて、卵を使わずにメレンゲをつくる際の代替材料として購入されている。フムスをつくるときに使う煮汁といえば、わかる人もいるかもしれない。

粉末状になった「Oggs Aquafaba」のアクアファバと水を混ぜて泡立てれば調理に使えるという。環境保護や動物愛護の視点でも購入をしたくなる商品だ。

環境に対する影響を消費者に開示

「Oggs」の二酸化炭素排出量の削減目標

ここからはブランドの紹介にうつりたい。「Oggs」がすばらしいのは、彼らから商品を購入することで、どれくらいのインパクトがあるのかをしっかりと提示しているところだろう。

「Oggs」では2020年、約50万6,000個の卵の消費を減らし、約8万7,000羽の鶏を救ったと発表している。二酸化炭素排出量は、約4,600万kg以上も削減しているという。

ちなみに消費者は、「Oggs Aquafaba」を購入した個数に応じて、どれくらい環境に配慮できたのかを知れるようになっている。

アニマルウェルフェアの観点から、鶏が狭いケージのなかで育てられていることもイラストを使いながら紹介しているのも評価できる。これなら不快感を覚える人も多くはなさそうだ。

2021年、個人が二酸化炭素排出量やアニマルウェルフェアを気にすることは当たり前になる。そんな時代で「Oggs」は、すでに両者に取り組んでいながら消費者に情報を公開している点で、非常に先進的だと表現できるだろう。

※掲載している情報は、2021年1月14日時点のものです。

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