AI×デジタル製品パスポートで古着の仕分けを効率・最適化 EU共同プロジェクト

古着

Photo by photo by Eric Prouzet

EUでは、AIとデジタル製品パスポートを活用し、古着の状態を自動で判定して適切な仕分けにつなげるプロジェクトが進められている。不要になった衣類をまとめて回収ボックスへ持ち込むだけで、リユースやリサイクルなど最適なルートへ振り分ける仕組みの実現を目指す。

natsumi_kawaide

ライター

フランスのパリに滞在中、ライターとして欧州の旅行見本市や日本文化イベントを取材。帰国後は旅行情報誌の編集に携わり、現在はフリーランスのライターとして活動している。

2026.07.13

衣類の循環利用を支えるEU共同プロジェクト「TexMat」

EUでは、2025年から加盟国に使用済み繊維製品の分別回収体制の整備が求められており、回収した衣類をいかに効率よくリユース・リサイクルにつなげるかが重要なテーマとなっている。一方で、回収された衣類は状態や素材がさまざまで、適切な仕分けには多くの手間がかかることが課題とされている。

こうした課題の解決に向けて進められているのが、EUの共同プロジェクト「TexMat」だ。AIやデジタル製品パスポートを活用し、衣類の回収から仕分け、循環利用までをより効率的につなぐ仕組みの構築を目指している。

デジタル製品パスポートとは?

デジタル製品パスポート(DPP)とは、製品に関する情報をデジタル上で管理・共有する仕組みだ。衣類の原産地や素材、製造情報に加え、製品の使用、メンテナンス、修理、リサイクルに関する情報などを記録し、製品のライフサイクル全体を通じたデータの活用を可能にする。

古着の状態に応じて適切なリサイクルへ

TexMatでは、このデジタル製品パスポートとAIを活用した仕組みだ。

利用者はブランドや衣類の状態ごとに、リサイクル・リセールなどの持ち込み先を選ぶ必要がなく、不要になった衣類をまとめて専用の回収ボックスへ持ち込める。システムが衣類を適切なリユース・リサイクル・再販売ルートへ振り分け、再販売された場合には、その売上が利用者へ自動的に還元される仕組みも構想されている。

消費者だけでなく、リユース事業者にとってもメリットがある。ブランドやカテゴリー、サイズ、色など、自社のニーズに合った衣類を受け取れるようになることで、人の手による仕分け作業の効率化が期待されている。

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AIの画像解析技術も活用 古着の仕分けを支える新たな仕組み

一方で、デジタル製品パスポートだけでは、生地の摩耗や衣類の劣化状態までは把握できない。そこでTexMatでは、AIを活用した画像解析技術を組み合わせ、衣類の状態を自動で判定するシステムの開発が進められている。 
 
AIは変色や毛玉、毛羽立ちなど、衣類の表面の状態を分析し、リユースに適しているのか、それとも別の循環方法が望ましいのかを判断するために活用される。こうした衣類の表面の状態を自動で判定する商用サービスは、現時点では存在しないという。TexMatでは、画像解析技術を活用しながら、その実現を目指して研究を進めている。  

さらに、デジタル製品パスポートから得られる素材や製品情報と、AIによる衣類の状態判定を組み合わせることで、より精度の高い仕分けの実現を目指す。

プロジェクトは今後、フィンランドとスペインで実証実験が予定されている。衣類の回収後まで見据えた新たな循環利用の仕組みとして、実証結果やその後の展開にも注目が集まりそうだ。

※掲載している情報は、2026年7月13日時点のものです。

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