米スーパー・ホールフーズが商業用コンポスト導入 食品廃棄物を鶏の飼料に

米ホールフーズが導入したコンポストのMill

Photo by Mill

全米で展開するオーガニックスーパーの「ホールフーズ」は、コンポストを販売する「ミル」と提携。店で発生する食品廃棄物をAIで処理し、鶏の飼料へと転換する商業用大型コンポストシステムを2027年に導入する。

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2026.04.08

スーパーで出る食品廃棄物を養鶏飼料へ

Amazon傘下の「ホールフーズマーケット(以下、ホールフーズ)」は、全米やカナダに500以上の店を展開するオーガニックスーパーだ。そんな同社はフードテックスタートアップの「ミル(Mill)」との提携を発表した。

ホールフーズの店で出る食品廃棄物を自動処理する「ミル・コマーシャル」を導入するという。

ミル・コマーシャルの核心は、AIと高度な脱水技術の組み合わせだ。店舗のバックヤードに設置された大型装置が、青果部門から出る野菜や果物の廃棄物をリアルタイムで計測、分類する。何が、どれだけ廃棄されているかをAIが追跡することで、仕入れパターンの最適化や在庫管理の改善にも役立てられる。

処理された廃棄物は乾燥・粉砕されて、臭いがなく常温で保存可能な「フードグラウンズ」と呼ばれる粉末状の素材になる。これをホールフーズのプライベートブランドである卵をつくる養鶏農家向けに配布。鶏の飼料原料として活用される予定だ。

廃棄物が飼料になり、その飼料から生まれた卵がホールフーズの店頭に並ぶ——まさに循環型サプライチェーンの実現である。

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脱水処理により廃棄物の体積を最大80%削減できるため、廃棄物の運搬コストや処理インフラのコストを大幅に下げられる点も特徴的だ。食品廃棄に伴う温室効果ガスの排出削減も期待されており、サステナビリティと経済合理性を同時に追求するモデルとして位置づけられている。

ホールフーズのジェイソン・ビューチェルCEOは、「食品廃棄物の削減と効率的な店舗運営を両立させるために、ミルの革新的な技術との連携を楽しみにしている」と述べる。この協業はWhole Foods Marketが掲げる「2030年までに食品廃棄量を半減させる」という目標への重要な一歩でもある。

スーパーの常識が変わる?新しい循環のかたち

米ホールフーズが導入したコンポストのMill

Photo by Mill

家庭向けのMillのコンポスト。

世界で年間約13億トンもの食品が廃棄されているといわれるなか、小売業は廃棄チェーンの主要な結節点として長年批判を受けてきた。今回の取り組みは、AIと循環型設計を組み合わせることで、廃棄物を「コスト」から「資源」に転換しようとするものだ。

ホールフーズでの展開が成功すれば、同様の仕組みがほかのスーパーマーケットチェーンや飲食業界へ広がる可能性もある。食品ロス問題の解決に向けて、テクノロジーと流通が交差する新しい取り組みが始まろうとしている。

※掲載している情報は、2026年4月8日時点のものです。

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