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2026年7月より、EUで売れ残った繊維製品の廃棄が禁止される。「エコデザイン規則(ESPR)」にもとづく取り組みで、EU全体で繊維製品の廃棄を大幅に減らそうとする狙いがある。

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エレミニスト編集部
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EUで、ファッション業界のサーキュラーエコノミーを推進する取り組みが新たに決まった。これまで企業やメーカーで廃棄されてきた売れ残り製品について、廃棄そのものを禁止する。
これは、持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)にもとづいた措置で、大企業については2026年7月19日から、中小企業には2030年から適用される。
同様の取り組みは、フランスで2022年から一足早く行われてきた。今回のこの発表は、EU全体に拡大した内容だ。
ESPRはまた、企業に対し、廃棄された売れ残り製品に関するデータの開示を義務付ける。これらの開示規則についても、廃棄禁止規則の施行と同時に行われる。
これにより、企業やメーカー側は、在庫管理をこれまで以上に改善させ、売れ残り製品を少なくさせる努力が求められる。また、売れ残ったり返品されたりした製品については、再販、再製造、寄付、再利用といった選択肢を検討しなければならない。
サーキュラーエコノミーを推進するグローバルプラットフォームを運営する「Reconomy」の繊維EPR開発ディレクター、エイミー・カンパネッラ氏は、次のようなコメントを発表した。
「ブランドや小売業者にとって、これらの規則は『原料を手にし、つくり、捨てる』モデルが段階的に廃止されつつあることを明確に示している。循環型ソリューションの実践は困難な場合もあるが、今回の禁止措置と、繊維製品の拡大生産者責任を組み合わせることで、市場はより優れたデザイン、より優れたデータ、そしてより優れた製品寿命管理へと向かうだろう」
さらに、再販や寄付などに積極的に取り組む企業やブランドの評価が高まり、「循環型のビジネス」が求められる。
欧州全体で1年間に売れ残った繊維製品のうち、4%から9%が誰かに着用されることなく廃棄されているとみられる。この結果、排出されるとみられるCO2は約560万トンになる。
これらに加えて、EUのような先進国で売れ残った製品の多くが、途上国に輸出され、現地で大量の廃棄物を生み出していることも、近年明らかになり指摘されつつある。
ニーズ以上の製品を安く大量につくりだし、売れ残ったものは次々に廃棄する……。そんな消費スタイルは、私たち使う側の「飽きたら廃棄する」消費のあり方も助長しかねない。
必要なものを必要なだけつくり、大切に使う。私たちはいま、そんな転換点に立っている。
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