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世界の平均年収を高い順にまとめた結果、OECD加盟国のなかで、1位はルクセンブルグだった。日本の平均年収は49,445ドルで、25位だった。国税庁の調査結果とあわせて見てみよう。

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国際協力開発機構(OECD)では、加盟国全38か国についての平均年収(平均賃金)の調査を行い、発表している。その結果によると、最新版(2025年)で加盟国全体の平均は、61,146ドル(1ドル155円換算で、約950万円)だった。
では、その加盟国38か国の年収について、ランキング形式で紹介しよう。
| 国名 | 平均所得($) | |
| 1位 | ルクセンブルク | 94,446 |
| 2位 | アイスランド | 89,946 |
| 3位 | スイス | 87,468 |
| 4位 | アメリカ合衆国 | 82,932 |
| 5位 | ベルギー | 76,108 |
| 6位 | オーストリア | 75,767 |
| 7位 | オランダ | 75,370 |
| 8位 | ノルウェー | 74,863 |
| 9位 | デンマーク | 74,021 |
| 10位 | オーストラリア | 70,736 |
| 11位 | ドイツ | 69,433 |
| 12位 | カナダ | 69,417 |
| 13位 | イギリス | 63,690 |
| 14位 | ニュージーランド | 62,436 |
| 15位 | スロベニア | 61,776 |
| 16位 | フランス | 60,608 |
| 17位 | アイルランド | 60,430 |
| 18位 | スウェーデン | 60,415 |
| 19位 | フィンランド | 59,596 |
| 20位 | イスラエル | 54,736 |
| 21位 | スペイン | 54,564 |
| 22位 | リトアニア | 52,897 |
| 23位 | イタリア | 51,018 |
| 24位 | 大韓民国 | 50,946 |
| 25位 | 日本 | 49,445 |
| 26位 | ラトビア | 45,566 |
| 27位 | ポーランド | 44,210 |
| 28位 | ポルトガル | 40,002 |
| 29位 | エストニア | 38,974 |
| 30位 | チェコ | 38,488 |
| 31位 | スロバキア | 36,105 |
| 32位 | ハンガリー | 34,995 |
| 33位 | ギリシャ | 32,257 |
| 34位 | メキシコ | 20,422 |
| OECD平均 | 61,146 |
ランキングの結果、平均年収が最も高かったのはルクセンブルグだ。94,446ドルで、1ドル=155円換算で、1500万円近くになる。日本の49,445ドルと比較すると、2倍近い水準だ。
ルクセンブルグは、GDPランキングでも1位に君臨する、世界でも裕福な国だ。金融業が発展しており、投資や決済といったフィナンシャルに関わる高収入の職に就く人が多いと言われている。
また、本ランキングの上位は欧米諸国で占められているのがわかる。
日本は49,445ドルで25位だった。1ドル155円換算で、約770万円になる。日本は長年、「給与水準が上がっていない」と指摘されているが、このランキングを見ても、OECD加盟国の中でも下位に位置することがわかる。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円だった(※2)。OECDによる平均年収と開きがあるのは、OECDでは一般的な為替レートとは異なるレートで計算するためだ。日本人の感覚からすると、国税庁調査の結果のほうが現実味がある数値だろう。
| 平均給与 | 478万円 |
|---|---|
| 男性平均 | 587万円 |
| 女性平均 | 333万円 |
| 正社員平均 | 545万円 |
| 正社員以外の平均 | 206万円 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、世界でインフレが進むなか、欧米諸国では給与水準も上がってきたが、「日本では給与水準が変わらない」と指摘する声が大きい。実際、OECD加盟国の平均と比べると、日本の平均年収額は高い方とは言えない。
だが、一方で日本ではひとり親世帯などを中心に、ますます格差が広がっていることも見逃せない。またOECD加盟国はヨーロッパ諸国を中心とした先進国が加盟するため、世界の途上国の平均年収はOECDの結果よりずっと低く、そのような低収入で生活している人々が世界には数多くいる。
平均年収はあくまでも平均値であり、その数字だけでは見えない社会の実態があることも忘れてはいけないだろう。
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