【最新】超富裕層が多い都市ランキング 東京はTOP20圏外に

超富裕層が住む都市、ニューヨーク

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約45億円以上の資産を持つ超富裕層は、世界に48万5000人。これらの超富裕層が暮らす世界の都市をランキング形式でまとめた。2年前の報告では9位だった東京は、上位20都市のランキングから外れる結果となった。

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2025.09.22

世界の超富裕層は約48万人 2030年までに65万人に増加の予測

「富裕層」よりもさらに裕福な「超富裕層」。厳密な言葉の定義はないが、米国の調査会社のアルトラータ(Altrata)が行う報告書では、以下のように定義している。

超富裕層(UHNW:ultra high net worth)
純資産が3000万ドル(約45億円)以上の層

富裕層(VHNW:very high net worth)
純資産が500万~3000万ドル(約7.4億円~45億円)の層

個人(Individuals)
純資産が100万~500万ドル(約1.5億円~7.4億円)の層

2025年に発表された報告書によると、2024年の世界における超富裕層と富裕層、個人の人数は以下のとおりだ。

2024年2030年(予測)
超富裕層
UHNW
48万3500人65万4900人
富裕層
VNHW
450万人620万人
個人
Individuals
3890万人5340万人

世界の超富裕層は、48万3500人。裕福な人々は、デジタル化やAIの導入などによってさらに富を増やし、富裕層は今後増加するものとみられ、2030年までに65万人を超えると予測されている。

超富裕層が多い都市ランキング TOP20

順位都市人数
1位ニューヨーク33,222人
2位ロサンゼルス19,781人
3位香港19,439人
4位マイアミ17,457人
5位ロンドン15,695人
6位サンフランシスコ14,341人
7位シカゴ9,463人
8位シンガポール9,061人
9位ワシントンDC8,872人
10位ボストン8,633人
11位ダラス7,958人
12位北京7,794人
13位サンノゼ7,469人
14位ヒューストン7,258人
15位パリ7,159人
16位シアトル6,836人
17位アトランタ5,786人
18位フィラデルフィア5,261人
19位フェニックス4,900人
20位デンバー4,678人

超富裕層が世界のどの都市に住んでいるかまとめたものが、上記のランキングだ。報告書では、超富裕層はかつてないほど移動性が高く、グローバルに活動の拠点を移動しているという。上記のランキングは、主要な住居、またはセカンドハウスがある都市をベースにまとめたものだ。

その結果、超富裕層が圧倒的に多い都市が、アメリカのニューヨーク。2位のロサンゼルスや3位の香港に大きな差をつけた。また上位20都市のうち、15都市がアメリカで占められ、アメリカ以外でTOP20に入ったのは、香港(3位)、ロンドン(5位)、シンガポール(8位)、北京(12位)、パリ(15位)だ。

NYは依然としてトップ

ニューヨークは、金利の上昇や住宅不足などの影響で、不動産市場としての勢いは薄れ気味ではあるが、それでも依然として超富裕層を惹きつける都市のようだ。

マイアミはセカンドハウス利用が多数

パンデミックから富裕層の流入が続くマイアミは、本ランキングで4位にランクインした。ただマイアミの超高級住宅地のおよそ4分の3はセカンドハウスといわれるほど、別荘地などの利用として支持されているようだ。

アジアは香港・シンガポール・北京の3都市

アジアでランキング上位に入ったのは、香港、シンガポール、香港の3都市だ。とくに香港は、税率が低く、さらに中国や世界経済との金融の流れで優位的な地理にあることから、アジアの超富裕層に人気を呼んでいる。

東京(日本)は圏外に

ちなみに、2023年に発表された報告書では、東京が「超富裕層が多い都市」ランキングの9位に入っていたが、2025年の報告書では上位20以内に東京が入ることはなかった。

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人口に対する超富裕層の割合が高い都市

超富裕層が主要な居住地またはセカンドハウスを有する都市で、その都市の人口が少ない都市をまとめた結果が以下のとおりだ。

都市超富裕層1人に対する人口
1位モナコ22人
2位アスペン(米国)77人
3位ネイプルズ(米国)93人
4位ジュネーブ(スイス)225人
5位グリニッジ(米国)259人
6位サンノゼ(米国)262人
7位サンフランシスコ(米国)321人
8位マイアミ(米国)358人
9位香港388人
10位ソルトレイクシティ(米国)408人

超富裕層の割合が高い都市で1位は、モナコ。住民22人に対して、1人が超富裕層だ。アメリカを除くと、それ以外では、スイスのジュネーブや香港が挙がった。米国内では、山岳リゾートとして知られるコロラド州アスペンが有名。都市の人口に対する超富裕層の割合は、ニューヨークの8倍に相当する。

世界の貧富の差はますます広がるのか…

国連によると、過去30年で貧困から抜け出した人は10億人以上いるという。しかし、世界的にみて貧しい層の下から半数の人々の所得は、1990年以降ほとんど増えていないという(※2)。毎年のように著しい経済成長を見せる国が多いなかで、依然として貧しい環境下にある人は少なくないのだ。

その一方で、今回の報告書からわかるように、超富裕層や富裕層と呼ばれる豊かな人々は増加傾向にある。つまり、世界では貧富の差が広がる傾向にあるのではないだろうか。

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また超富裕層や富裕層のような人々は、プライベートジェットやメガヨットの利用、さらに宇宙旅行などの「裕福な楽しみ」があることから、二酸化炭素排出量が多いことが指摘されている。そのため、パリ協定達成の鍵は、上位10%の富裕層がにぎっていると言われるほどだ。

気候変動をいま以上に進行させないためにも、このような富裕層向けの二酸化炭素排出量削減の対策が必要と言う声もある。

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日々のくらしさえも不安定な人々がいるのに、他方では裕福な生活をおくる人々がいる。SDGsのゴール1「貧困をなくそう」を見つめる必要があるのかもしれない。

※掲載している情報は、2025年9月22日時点のものです。

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