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富裕層のなかでもトップクラスの人を指す「超富裕層」。日本では純金融資産が5億円以上の世帯を指す。そんな超富裕層の多い国と都市の最新ランキングを紹介。また、日本に暮らす超富裕層の人数や内訳も解説しよう。
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裕福な世帯を表す、「富裕層」や「超富裕層」という言葉。野村総合研究所の調査では、以下のように定義されている。
富裕層:純金融資産が1億円~5億円の層
超富裕層:純金融資産が5億円以上の層
つまり、富裕層とは十分な資産を保有している層で、超富裕層とは富裕層のなかでも上位のとくに豊かな資産を持つ層を指す。
世界の長富裕層について調査して毎年発表している、調査会社Altrataでは、純金融資産が3000万ドル(約44億円)を超える層を超富裕層と定義している。
Altrataが発表した「超富裕層レポート2023」(※1)から、超富裕層が多い世界の国TOP10を紹介しよう。
順位 | 国 | 人数(人) | 総資産(ドル) |
---|---|---|---|
1位 | 米国 | 129,665 | 15兆530億 |
2位 | 中国 | 47,190 | 5兆3170億 |
3位 | ドイツ | 19,590 | 2兆3100億 |
4位 | 日本 | 14,940 | 1兆4170億 |
5位 | 英国 | 14,005 | 1兆4270億 |
6位 | カナダ | 13,320 | 1兆4160億 |
7位 | 香港 | 12,615 | 1兆5030億 |
8位 | フランス | 11,980 | 1兆2940億 |
9位 | イタリア | 8,930 | 9870億 |
10位 | インド | 8,880 | 1兆1440億 |
世界の超富裕層は395,070人で、国別にみると、超富裕層がもっとも多いのはアメリカだった。アメリカの超富裕層は129,665人で、2位以下に大きく差をつけ、圧倒的に超富裕層が多いことがわかる。アメリカで経済格差があると言われるのは、このような結果があるからだろう。2位は中国で、3位はドイツと、上位10か国には先進国が多く並んだ。
次に、超富裕層が多い都市について見てみよう。
順位 | 都市 | 人数 |
---|---|---|
1位 | 香港 | 12,615人 |
2位 | ニューヨーク | 11,845人 |
3位 | ロンドン | 6,370人 |
4位 | ロサンゼルス | 6,205人 |
5位 | サンフランシスコ | 4,385人 |
6位 | シカゴ | 4,235人 |
7位 | シンガポール | 4,160人 |
8位 | パリ | 3,995人 |
9位 | 東京 | 3,710人 |
10位 | ワシントンDC | 3,465人 |
超富裕層がもっとも多く暮らす都市は、香港だった。だが2位のニューヨークとの差は小さい。2位のニューヨーク、4位のロサンゼルス、5位のサンフランシスコ、6位のシカゴなど、アメリカの都市が多くランクインした。日本では、東京が9位に入った。ただ、人口比で見ると、東京の超富裕層の割合は前年から-27.0%と大幅に減少している。新型コロナのパンデミックの影響で、リモートワークして都心から離れる人が増えたことなどが関係するものとみられる。
今回のレポートで言えば、日本に暮らす超富裕層は14,940人だった。日本の人口は1億2,330万人なので、0.012%の人が超富裕層に該当する。
日本でも貧困家庭など経済格差が指摘されているが、人口の割合から見ればごく一部の人になるが、世界的に見ても裕福な人々が一定いることがわかるだろう。
また日本の超富裕層14,940人のうち、約25%の3,710人は東京で暮らしている。
超富裕層といえば、世界の経済格差のほかに、環境問題についても注目したい存在だ。というのも、地球温暖化の大きな原因となる二酸化炭素を排出する国は開発途上国よりも先進国が多い。そして、とくに超富裕層でその排出量が多いことが指摘されているのだ。
過去に発表された調査で、超富裕層の二酸化炭素排出量は、世界の総排出量の13%を占めていたという。超富裕層は、プライベートジェット、ヨット、宇宙旅行などの利用が多いことから、二酸化炭素排出量も多くなるものと考えられる。
世界の裕福な上位10%の層が、二酸化炭素排出量を抑えるだけでも、2030年までの地球温度上昇を1.5℃にするというパリ目標の達成に近づけるという指摘もある。
日々の食事や生活すらままならない貧しい人がいる一方で、贅沢な暮らしを送っている人もいるという現実。地球温暖化の観点でも、格差解消という点でも、そのような層の存在についてあらためて考える必要があるのかもしれない。
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