「フィランソロピー」とは、お金を寄付するだけではない多様な形の社会貢献活動。この記事では、「フィランソロピー」の詳しい意味や、著名なフィランソロピストとその活動、海外企業のフィランソロピー事例などを紹介。
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「フィランソロピー(Philanthropy)」とは、ギリシャ語で「フィリア(愛)」と「アンソロポス(人類)」という言葉からできており、人類への愛に基づいた行為・活動のことである。
日本語では「チャリティー」や「慈善活動」という意味に近い。しかし近年では単にお金を寄付するだけの「チャリティー」だけでなく、多様な「フィランソロピー」の形がある。
世界的に有名なフィランソロピストには、マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏や持株会社であるバークシャー・ハサウェイの会長であるウォーレン・バフェットなどがいる。
メセナとは、企業が芸術や文化などを支援することをいう。企業側は見返りを求めず資金提供をおこない、十分な資金がないことが理由で芸術活動や文化活動を行えない個人や団体を支援する。フィランソロピーもメセナと意味が似ているが、メセナは芸術や文化の分野に限らず、対象が広い違いがある。
フィランソロピーの具体的な活動には以下のようなものがある。
ボランティアは、みずから進んで行うという意味がある。フィランソロピーは継続的な活動を指す場合が多いが、ボランティアは災害時など一時的な活動として使われる場合が多い。だが、ボランティア活動はフィランソロピーの具体的な活動の一環といえる。
金銭面で支援を行う寄付活動もフィランソロピーのひとつだ。災害を受けた被災者に義援金を送ることも、フィランソロピーといえる。
NPOの活動とは、事業を通じて地域社会への貢献を目的とした活動。環境保護や子育て支援といったものなど、さまざまな種類がある。
ソーシャルビジネスとは、社会問題の解決を目指して事業を行うビジネスのこと。環境保護や貧困、高齢者・障がい者の介護・福祉、子育て支援などのテーマで行っていることが多い。
味の素では、さまざまなフィランソロピーの活動を行っている。例えば、東日本大震災の復興応援活動の一環である「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」。仮設住宅で暮らす被災した人々の健康や栄養面、さらにコミュニティの希薄化といった課題への取り組みとして始まった。
文房具メーカーのコクヨは、高知県の組合とともに2006年より「結の森」プロジェクトをスタート。日本最後の清流とよばれる四万十川の流域にある「結の森」を適正に管理して、健康的な森に育てるための取り組みを続けている。
洗濯洗剤のサラヤでは、自社製品の原料のひとつであるパーム油の生産地、マレーシアのボルネオ島で、生物多様性の保護と環境保全活動に取り組んでいる。日本全国の小中高校に学びの機会を提供する「いのちをつなぐ学校by SARAYA」も実施。生物多様性や地球環境の大切さについて教えている。
facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグは、2015年に「チャン・ザッカーバーグ・イニシアティヴ」を設立し、その組織を通じ生涯にわたって自身が保有するfacebook社の株式の99%を慈善事業に寄付する意向を表明した。
「チャン・ザッカーバーグ・イニシアティヴ」をは有限会社の形態をとり、従来の非営利法人NPOでは制約が課されできなかった「インパクト投資」なども行う。
このように現在は、チャリティだけでなく利益を生み出しながら社会貢献を行うソーシャルベンチャーへの投資である「ベンチャーフィランソロピー」もフィランソロピーとして重要だと考えられるようになってきている。
マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏が、元妻とともに立ち上げた「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」。世界最大規模の慈善団体として知られ、数多くの事前団体に寄付を行っている。
日本ではまだまだ地名度の低いフィランソロピーだが、近年消費者が企業に社会への貢献を求める傾向が大きくなってきておりフィランソロピーへのニーズが高まってきている。日本の起業家では楽天株式会社の創設者である三木谷浩史氏がフィランソロピーに力を入れていることで有名である。
世界的に有名なフィランソロピストには、マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏がいる。上述したように、さまざまな支援活動を行う団体に寄付を行う「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立した。
バークシャー・ハサウェイの会長で、世界的な億万長者で知られるウォーレン・バフェット氏もフィランソロピーに力を入れ、自分の財産の多くを寄付などに投じている。
2003年には公益社団法人日本フィランソロピー協会が、社会の課題解決のために、自社の経営資源を有機的・持続的に活用した社会貢献活動を顕彰し、広く社会に発信するために「企業フィランソロピー大賞」を設立した。
「企業フィランソロピー大賞」では毎年、革新性や継続性、波及性などの審査基準で審査される。2020年度は、地域貢献、防災や環境保護などのさまざまな分野での社会貢献に賞が贈られた。
日本国内においてもフィランソロピーは今後さらに広まっていくだろう。
参考資料
公益社団法人日本フィランソロピー協会|公式サイト
https://www.philanthropy.or.jp/
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