グローカルの意味とは? 企業の取り組み事例と、求められる人材像

日本発の言葉「グローカル」とは、グローバル×ローカルを意味する。最近、注目を集める「グローカル企業」とは、どのような取り組みを行い、なぜいま求められているのか。その具体的事例とグローカル企業に必要とされる人材になるためのスキルや知識を紹介しよう。

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2020.08.17
EARTH
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グローカルとは?

グローカルとは、グローバル(global)とローカル(local)をかけ合わせた造語で、日本で生まれた。意味は「国境を越えた地球規模の視野と、草の根の地域の視点で、さまざまな問題を捉えていこうとする考え方。グローカリズム」(大辞林より)となる。

世界規模で事業を展開する「グローバル企業」と、地域に根差したサービスを提供する「ローカル企業」のいい点を取った新しいビジネス様式=「グローカル」ということになる。

地球規模の大きな視野を持ちながらも、それぞれの地域の風習や環境などにも配慮することから、都市開発や環境問題などの領域でも、概念として広く使わるようになってきている。

グローカルを実践する企業の例

IKEA

グローカル企業の代表例として、スウェーデンの家具メーカー「IKEA」を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。

日本に進出する際、日本家屋の間取りなどを考慮して、いかに自社の製品が日本の暮らしにマッチするか試行錯誤を繰り返したという。それが功を奏し、国内で誰もが知る企業となったのはご承知のとおりだ。

イオン

一方、イオンは我が国を代表するグローカル企業のひとつ。2011年にグローカル経営を掲げ、中国やアセアン、日本にそれぞれ本社を構えたほか、2017年からは脱炭素や持続可能な調達方針を打ち出すなどしてサステナブルな経営に乗り出している(イオンレポート2018より)。

Patagonia

世界的アウトドアブランド「Patagonia」は、熱心なエコフレンドリー企業として知られる。自社ブランド製品へオーガニックやリサイクル素材を徹底して使用することで、世界規模の気候変動へのアクションを続け、多くのファンを獲得している。

同時に、公式サイトで世界各地でグローカルな活動をする団体や企業、個人を発信。そこで、東京都桧原村の林業会社「東京チェンソーズ」の企業理念や事業内容についても紹介している(※1)。

グローカル人材の需要は高まっているという事実

地球規模で販路を拡大し成長したグローバリズムは、利益の追求と引き換えに環境や格差の問題などを浮き彫りにした。

これらの反省から、前述のイオンのようにグローカルな取り組みに踏み出す企業は増えているのは確かだ。そこで求められるのが、地球規模の視野を持ち、地域に根付いた活動ができる「グローカル人材」。各地で、人材を育成する取り組みも始まっている。

たとえば、魅力的な地域性や文化を持ち、世界各国との接点も多い京都。産学公民が手を繋ぎ、グローカル人材を育てるプラットフォームとなるNPO法人「グローカル人材開発センター」を設立。大学教育プログラムの開発や、セミナーなどを開催している(※2)。

また、「グローカルデザインスクール」では、農業を自然科学や人文学、科学技術、環境、経営を総合的に学べるリベラルアーツと捉え、不確実な時代を生き抜く人材育成プログラムを提供している(※3)。 

広い視野を持つのはもちろん、エシカルかつサステナブルな感性も失わない「グローカル人材」は、これからますます求められていきそうだ。

※1
東京に100年の森を作ろう!若い世代が担う、未来の林業|Patagonia
https://www.patagonia.jp/blog/2019/08/work-stories-tokyo-chain-saw/

※2
グローカル人材開発センター
http://glocalcenter.jp/

※3
Glocal Desigh School
https://glocal-ds.co.jp/

※掲載している情報は、2020年8月17日時点のものです。

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