Photo by Silo
英ロンドンにある「サイロ(Silo)」は、廃棄物を極限まで減らしてゼロウェイストを目指すレストランだ。そんな同店が、発酵ファクトリーをオープン。廃棄食材を原料にした味噌や「ゼロ醤油」を生産する。
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野菜の皮、食材の切れ端など、どうしても廃棄が出やすい飲食業界。そんななか、「サイロ(Silo)」は「廃棄ゼロ(ゼロウェイスト)」にチャレンジする世界でも先駆け的存在の店と言える。
そしてサイロは9月、発酵食材を専門に生産する工場「ファーメンテーション・ファクトリー(発酵工場)」をオープンする。場所は、サイロの店舗と同じ、ロンドンのハックニー・ウィック地区。かつてナイトクラブとして使われていた建物だ。
もともとサイロでは、野菜の切り落としやチーズの皮といった廃棄物に塩を加え、店舗地下にある醗酵室で発酵させ、調味料として活用している。間もなくオープン10周年を迎えるサイロが、そんな発酵の工程を専門のファクトリーでより規模を拡大して行うということだ。
この発酵ファクトリーをつくった目的は、活用が難しい食材を発酵させて、飲食業界で幅広く使える、より価値のあるものに変えること。これまで、廃棄食材を発酵させてサイロで調味料として利用してきたように、他店でも利用してもらい、飲食業界全体がサステナブルへ移行するよう促進する狙いがある。
生産するものは、味噌と醤油。味噌は、サイロの提携先であるブルワリーで出るビールの醸造粕に麹を加えてつくる。醤油は、サイロの店舗で出る廃棄パンを原料にした「ゼロ醤油」で、今後販売する予定だ。
今回の発酵ファクトリーのオープンに必要な資金は、クラウドファンディングで集めたという。支援者には、自分でも手づくり味噌体験ができるよう、麹などの材料と一緒に味噌をつくるレシピを提供している。廃棄物を出さず、自分たちで調味料をつくる楽しさも体験してほしいという思いが隠れているようだ。
サイロの発酵ファクトリーのオープンで、廃棄食材からできた調味料を利用する店が増えれば、廃棄食材を活用することがもっとスタンダードになっていくかもしれない。
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