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企業が競争できる環境が整っているかどうかがわかる「世界競争力ランキング」。2024年のランキングで全67の順位を紹介しよう。日本は38位と過去最低となったが、その背景についても解説する。

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「世界競争力ランキング(世界競争年鑑)」とは、各国の競争力についてスイスのビジネススクールの国際経営開発研究所(IMD)がまとめたもの。
「経済状況・経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4項目について、それぞれスコア付けしている。
・経済状況・経済パフォーマンス:国内経済、貿易、国際投資、雇用、物価
・政府の効率性:財政、租税政策、制度的枠組み、ビジネス法則、社会的枠組み
・ビジネスの効率性:生産性・効率性、労働市場、金融、経営プラクティス、取り組み・価値観
・インフラ:基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、健康・環境、教育
また、各国政府が公表している統計データのほか、アンケート調査も行い、幅広い視点で競争力の推察が行われている。このランキングによって、企業にとってビジネスがしやすい国であるか、ビジネススキームを実行する環境が整っているかといったことがわかる。
| 順位 | 国名 | 前年比 |
|---|---|---|
| 1位 | シンガポール | +3 |
| 2位 | スイス | +1 |
| 3位 | デンマーク | -2 |
| 4位 | アイルランド | -2 |
| 5位 | 香港特別行政区 | +2 |
| 6位 | スウェーデン | +2 |
| 7位 | アラブ首長国連邦 | +3 |
| 8位 | 台湾 | -2 |
| 9位 | オランダ | -4 |
| 10位 | ノルウェー | +4 |
| 11位 | カタール | +1 |
| 12位 | 米国 | -3 |
| 13位 | オーストラリア | +6 |
| 14位 | 中国 | +7 |
| 15位 | フィンランド | -4 |
| 16位 | サウジアラビア | +1 |
| 17位 | アイスランド | -1 |
| 18位 | ベルギー | -5 |
| 19位 | カナダ | -4 |
| 20位 | 韓国 | +8 |
| 21位 | バーレーン | +4 |
| 22位 | イスラエル | +1 |
| 23位 | ルクセンブルグ | -3 |
| 24位 | ドイツ | -2 |
| 25位 | タイ | +5 |
| 26位 | オーストリア | -2 |
| 27位 | インドネシア | +7 |
| 28位 | 英国 | +1 |
| 29位 | チェコ | -11 |
| 30位 | リトアニア | +2 |
| 31位 | フランス | +2 |
| 32位 | ニュージーランド | -1 |
| 33位 | エストニア | -7 |
| 34位 | マレーシア | -7 |
| 35位 | カザフスタン | +2 |
| 36位 | ポルトガル | +3 |
| 37位 | クエート | +1 |
| 38位 | 日本 | -3 |
| 39位 | インド | +1 |
| 40位 | スペイン | -4 |
| 41位 | ポーランド | +2 |
| 42位 | イタリア | -1 |
| 43位 | キプロス | +2 |
| 44位 | チリ | ー |
| 45位 | ラトビア | +6 |
| 46位 | スロベニア | -4 |
| 47位 | ギリシャ | +2 |
| 48位 | ヨルダン | +6 |
| 49位 | プエルトリコ | ー |
| 50位 | ルーマニア | -2 |
| 51位 | クロアチア | -1 |
| 52位 | フィリピン | ー |
| 53位 | トルコ | -6 |
| 54位 | ハンガリー | -8 |
| 55位 | ボツワナ | +4 |
| 56位 | メキシコ | ー |
| 57位 | コロンビア | +1 |
| 58位 | ブルガリア | -1 |
| 59位 | スロバキア | -6 |
| 60位 | 韓国 | +1 |
| 61位 | モンゴル | +1 |
| 62位 | ブラジル | -2 |
| 63位 | ペルー | -8 |
| 64位 | ナイジェリア | ー |
| 65位 | ガーナ | ー |
| 66位 | アルゼンチン | -3 |
| 67位 | ベネズエラ | -3 |
2024年のランキングで1位に輝いたのは、シンガポール。実に4年ぶりの首位となった。主に政治、ビジネス環境の効率性、さらにインフラの面で評価を上げた結果だった。
そのほか、2位のスイス、3位のデンマーク、4位のアイルランドなど、欧州勢が上位を占める結果は例年と大きな変化はなかった。
日本については38位。2023年ランキングで35位だったため、順位を3つ下げて過去最低となった。評価項目のなかで、国内経済、雇用、科学インフラについては評価が高かったが、「ビジネスの効率性」の評価が低く、それによって順位が下がることとなった。技術面などの強みがあるものの、人材や組織を強化する「ビジネスの効率性」に弱点がある日本の姿がうかがえる。
過去の世界競争力ランキングの結果はこちら。
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