【2020年版】世界競争力ランキング 日本は63カ国中34位 

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ビジネスの成否は環境に左右されるところも大きい。日本のビジネス環境を知る指標の一つが、世界競争力ランキングだ。このランキングから何がわかるのか。ランキング指標やランキング上位国の傾向、そして日本の強みと弱みを解説する。

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2021.05.24

世界競争力ランキングからわかること

地上から見上げた高層ビル群

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IMDが発表する「世界競争力年鑑」とは、国の競争力に関連する統計データと企業の経営層を対象とするアンケート結果から作成される競争力指標だ。2020年の調査対象国は世界63カ国だった。

収集される指標は多岐にわたり、それらに基づいて作成される「世界競争力ランキング」は、その国に企業が競争力を発揮できる土壌があるかを測るものさしと考えられる。

有名誌が高く評価するIMDとは

IMD(International Institute for Management Development)とは、国際経営開発研究所。経営者と幹部教育に特化した世界的な専門ビジネススクール。拠点はスイスのローザンヌにあり、エコミストやフォーブスなどの経済誌やビジネス誌のランキングでは高評価を得ている。

IMDと他のビジネススクールの大きな違いは、大学などの外部機関と提携せず、独立した存在であることだ。学位授与にはMBAを取得するための経営学修士と、中堅幹部向けのEMBAの2つのプログラムがある。

世界競争力ランキングの評価方法と項目

経済状況政府効率性ビジネス効率性インフラ
国内経済財政生産性・効率性基礎インフラ
貿易租税政策労働市場技術インフラ
国際投資制度的枠組み金融科学インフラ
雇用ビジネス法制経営プラクティス健康・環境
物価社会的枠組み取組み・価値観教育

競争力年鑑を作成するために使われるのは、各国の政府が公表する統計と、対象国の企業経営層によるアンケートだ。2020年版のアンケート回答者は、約5,900人だった。

統計データとアンケートデータを元に標準偏差によるスコアリングを行い、それらを分類して合算した結果がランキングとなっている。評価項目の分類は次のとおり。

2020年世界競争力ランキング結果と上位国の傾向

順位国名
シンガポール
デンマーク
スイス
オランダ
香港
スウェーデン
ノルウェー
カナダ
UAE
10米国
11台湾
12アイルランド
13フィンランド
14カタール
15ルクセンブルク
16オーストリア
17ドイツ
18オーストラリア
19英国
20中国

2020年のランキング首位は、2年連続でシンガポール、2位は昨年7位のデンマークだった。スイスやオランダも前年度に比べて大きく順位を上げている。

項目別に見るとシンガポールは1位ではないものの、評価項目のすべてで7位以内の高順位にランキングしている。その他の国については、シンガポールのようにすべての項目で上位に入っている国はないが、下位半分にランキングされる項目もないことがわかる。

日本の順位と競争力低下の原因

日本の総合順位は63カ国・地域中34位だった。

日本は、世界競争力ランキングの公表が始まった1989年からバブルが終わる1992年までは1位に位置していた。しかし1997年の金融危機で17位に急落、その後は基本的に20位台にとどまっていた。2019年に30位、2020年は34位となった。

競争力を測る指標は随時入れ替えられており、過去と現在のランキングの単純比較はできない。近年はグローバル化、ICT化、人材の3点が重視されている。

日本の強みと弱点

日本の競争力を削ぐ原因となっているのは、「政府の効率性」の41位と「ビジネス効率性」の55位にありそうだ。とりわけビジネス効率性は2015年以降、大幅に下降している。

他方、評価されているのは雇用の安定や積極的な体外直接投資だ。企業ができる競争環境の整備には、企業内の意思決定のプロセスや、デジタル化への対応を見直しが考えられる。

※掲載している情報は、2021年5月24日時点のものです。

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