若者に「鉄道の旅」の楽しさを EUで35,500人の18歳に無料パスを配布

駅のホームにいる旅行客

Photo by Danijela Prijovic on Unsplash

CO2排出量削減のため、飛行機や自動車ではなく、公共交通機関の利用を呼びかけているEU。夏休みシーズンに向けて、35,500人の18歳に無料パスをプレゼントする。

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2024.05.07

30日間利用できる無料鉄道パス

EUでは、若い世代にヨーロッパの多様性を理解し、その魅力を発見してもらおうと「ディスカバーEU」という制度を設けている。この一環で、2024年夏に35,500人に鉄道パスを無料で配布する。

対象となるのは、誕生日が2005年7月1日から2006年6月30日で、EU加盟国27か国またはノルウェー、アイスランドなどの国に居住する人。「ディスカバーEU」のウェブサイト上で、簡単な質問に答えて応募すれば、2024年7月1日から 2025年9月30日までの最大30日間に利用可能な鉄道パスが、35,500人にあたる。

鉄道パスは、鉄道のほか、バスやフェリーも利用可能で、セカンドクラスまたはエコノミークラスで最大283.26ユーロ(約47,000円)に相当する。

鉄道の魅力を再発見する機会

飛行機や自動車は温室効果ガス排出量の面で、環境への負荷が大きい。そこで、ヨーロッパではこれまで、公共交通機関である鉄道の利用を促進するさまざまな取り組みが行われてきた。

例えば、ドイツでは2022年、格安料金で公共交通機関が乗り放題になるチケットを販売。2023年にはベルギー、オランダ、ドイツの首都を結ぶ夜行列車が開通した。

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さらに、フランスでは2時間半以内の距離にある国内線のフライトは禁止され、公共交通機関の利用がすすめられている。

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このような背景があり、若者たちが旅行を楽しむ夏休み期間にあわせて、鉄道の無料パスを配布し、鉄道の旅の楽しさを体験してもらうことが狙いのようだ。

ちなみに、この制度のアプリを使えば、自分の旅の工程や地図を作成でき、乗車する鉄道の数や訪れる国の数のほか、削減できたCO2量も確認できるという。

今回の鉄道パスをもらえるのは18歳という若い世代だ。若いうちから鉄道が当たり前の選択肢になることで、より明るい未来につながっていくと期待したい。

※掲載している情報は、2024年5月7日時点のものです。

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