Photo by Norbert Braun on Unsplash
ドイツで、2022年の夏休みは月額9ユーロ(約1,200円)で公共交通機関が乗り放題になる。これは、ドイツ政府がエネルギー削減対策の一環として実施するもので、人々に公共交通機関の利用を促進する狙いがある。
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ドイツでは、2022年6月から8月の夏休み期間、公共交通機関が乗り放題になる。料金は月額9ユーロ(約1,200円)という破格だ。
これは、ウクライナ危機による燃料価格高騰を受けたエネルギー削減対策の一環で、ドイツ連邦議会で承認されたものだ。これを機会に、ふだんは自動車を使う人も含め、人々に公共交通機関の利用を促す狙いがある。政府はこの施策に25億ユーロ(約3,400億円)の予算を投じる。
対象となるのは、ドイツ全土の鉄道、地下鉄、バスなど。都市間をむすぶ高速鉄道(ICE)は対象外だが、ローカル線を乗り継げばドイツ全土をめぐることも可能だという。この乗り放題チケットは、ドイツ国民はもちろん、観光客も利用できる。
ドイツ政府による大胆なエネルギー対策は、早速世界中で注目を集めている。
ただ、旅行や帰省など人々が移動する夏休み期間に設定されたことで、期間中は「鉄道などがどこも混雑するのでは」と懸念する声が上がっていることも事実だ。
乗り放題が終了する2022年9月以降は、通常の料金体系に戻るとみられ、しかもエネルギー価格上昇により運賃が上がることも考えられる。そのため、今回の施策を気候変動対策と結びつけることはできないかもしれない。
しかし環境への負荷が大きい自動車ではなく、公共交通機関の選択肢をあらためて人々に提供するいいきっかけになることは間違いないだろう。気候変動対策など、国が主導するこのような大規模な取り組みが、今後も各国で進められていくことが大切になっていくのではないだろうか。
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