廃棄食品をもらう!食品ロス削減に貢献できるおすすめアプリ5選

パーティーをする女性

Photo by Kelsey Chance on Unsplash

「廃棄食品をもらうアプリ」を利用して、食品ロス削減に貢献することができる。この記事ではおすすめの食品ロスアプリ5選と、個人ができる食品ロス削減の取り組みを紹介する。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2024.04.01
BEAUTY
編集部オリジナル

「藻」から化粧品づくりに挑むサキュレアクト ELEMINISTからアンバサダー10名が就任

Promotion

食品ロス(フードロス)とは

食品ロス(フードロス)とは、食べられる状態であるにも関わらず、捨てられてしまう食品のこと。食品ロスは、環境への負荷や経済的損失、食糧不足といった多くの社会的影響を及ぼし、世界中が直面している深刻な課題だ。

農産物の収穫から流通、小売り、消費者の手元までそれぞれの過程で発生し、日本で年間約523万トン、大型10トントラック約1,433台分の食糧を廃棄している計算だ。(※1)

食品ロスが起きる原因

まな板に並んだ食材

Photo by Katie Smith on Unsplash

食品ロスの原因は多岐にわたる。さまざまな要因が組み合わさり、世界中で大量の食品が無駄になっている。なぜこれほど多くの食品ロスが発生しているのか、対策の前にまずはその原因を知ることが重要である。

家庭での食品ロス

消費者庁のデータ(※2)によると、日本で1年に出る食品ロス532万トンの内訳は、レストランやスーパーといった食品関連事業者のもの279万トンと、家庭での食品ロス244万トンに分けられる。食品ロス全体の約45%は、私たちの家庭から出ているのだ。これは、決して無視できる数字ではないだろう。「買い過ぎて使わなかった」「食材が傷んでしまった」などの理由がある。

食べ残し

自宅調理での食品ロスのうち、半分近くを占めている理由が、食べ残しによるものだ。また、レストランや飲食店で提供された料理の食べ残しなども、食品ロスの主な一因になっている。宴会や披露宴といった大勢の人が参加する場では、とくに食べ残しが多く出る。事業者、家庭両者ともに削減に向け、真剣に取り組む必要がある。

売れ残り

卸や小売り業の間で発生する「売れ残り」は、商品が購入されずに在庫として残される現象である。需要予測の誤算や季節性の影響、販売促進の不足などが原因で発生し、需要と供給のバランスが崩れると、商品が購入されず在庫として残り、最終的には廃棄食品となってしまう。2月3日の節分に食べられる「恵方巻」はその代表で、時期を過ぎ、大量に売れ残った在庫が毎年大きな問題となっている。

期限切れ

賞味期限や消費期限が切れた食品が捨てられることも多くある。消費期限を過ぎた食品は安全性や品質が保証されないため、消費者に提供できなくなり廃棄される。

さらに流通・小売業界には「3分の1ルール」と呼ばれる、納入期限や販売期限を賞味期限の3分の1以内とする業界特有のならわしがある。それにより、まだ賞味期限前でも廃棄せざるを得ない食品が発生し、食品ロスの要因のひとつと考えられている。

過剰生産

需要を上回る量の商品が生産されることを過剰生産といい、「生産者が需要予測を誤る」「農作物の収穫量が予想以上に多かった」「農作物の価格変動があった」「製造プロセスの効率化が不十分だった」等が原因で、余剰な食品が生産される。

生産過多となった食品は、販売されずに貯蔵施設や流通経路で廃棄される。過剰生産は食品ロスの問題を深刻化させるだけではなく、資源の無駄な消費や環境への負荷も増大させる。

農産物の選別基準

農産物の選別基準も要因の一つである。市場や消費者の需要に合わせて、形やサイズ、外観の美しさなどの基準が厳格に設定される。これにより味は全く問題がなくても、規格外の農産物は市場で受け入れられず廃棄食品となる。その量は年間180万トンにもおよぶといわれている。

また流通過程での傷みや病気の可能性を防ぐために、余計な農産物が除外されることもある。食品ロス削減には、農産物の選別基準の見直しや柔軟性の向上が求められる。

食品ロス(フードロス)は何が問題か? 世界・日本の削減の取り組み

関連記事

廃棄食品がもらえる「食品ロスアプリ」とは

スマートフォンを持つ手

Photo by Jonas Leupe on Unsplash

「食品ロスアプリ」とは、スーパーや飲食店などの事業者が廃棄食品を利用者に提供するプラットフォームである。これらのアプリを通じ、利用者は無料または割引価格で廃棄食品をもらうことができる。これらのアプリを活用し食品ロス問題を自分ごと化することで、個々の行動が大きな社会的影響を持つことを認識できる。

食品ロス削減に貢献 「廃棄食品をもらう」おすすめアプリ

食品ロス削減を目的としたアプリやサイトは、多数開発されている。ここでは、おすすめのアプリを5つご紹介しよう。

TABETE

「TABETE」は、ホテルや飲食店、スーパーなどで食品ロスに直面する食べ物をユーザーとマッチングするアプリだ。近くで助けを求めているお店をアプリで検索できる。お店をお気に入り登録しておけば、出品されたときに「レスキュー依頼」が通知される。登録料や月額料はかからず、実際の商品購入時にのみ料金が発生する。

フリフル

「フリフル」は、規格外の農作物やそれを利用した加工品を販売している。市場に出回る前に規格外と判定されたり、価格維持のために廃棄されていた農産物を仕入れ、独自の販売ネットワークに流通させることで、生産者には収益の機会を提供し、消費者には良質な食品を手頃な価格で提供している。

Let(レット)

「Let(レット)」は、余った在庫や型落ち品、B級品、規格外品など、訳ありの品を購入できる日本最大級のマーケットである。基本利用料金は無料だが、利用するには電話番号などの会員登録が必要。配達サービスもある。

ポケットマルシェ

「ポケットマルシェ」は、直接生産者から食材を買うことができるオンライン市場である。審査に合格した農家や漁師のみが直接出品しているため、新鮮で安心な食材が産地から直送される。食べた感想を伝えたり、おいしい調理方法を聞いたりできる、生産者が身近に感じられるサービスだ。

Kuradashi(クラダシ)

「Kuradashi(クラダシ)」は、賞味期限の近いもの、規格外、季節商品といった通常廃棄される食品を企業が出品し、利用者はふだん買っている商品より少しお得に購入することができるサービスだ。さらに売り上げの一部は社会貢献活動の支援になる仕組みになっていて、支援したい団体を自分で選ぶこともできる。

食品ロス削減に向けてわたしたちにできること

買い物袋を持つ手

Photo by Priscilla Du Preez 🇨🇦 on Unsplash

食品ロス削減は、持続可能な食料供給と環境保護に向けた重要な取り組みである。個人の日常生活でも、いくつかのシンプルな行動を通じてこの問題に貢献することができる。以下では、食品ロス削減のためにできる5つの取り組みを紹介しよう。

計画的に買い物する

計画的な買い物をするには、買い物の前に賞味期限の管理や在庫の把握をすることが重要である。無駄なく食材を使うために、買い物をする前に冷蔵庫や食品棚をチェックし「買う物リスト」を作成する。必要なものだけを購入することで、余分な食材を買いすぎることを防げる。

食材を使いきる

食材をしっかり使い切ることも、食品ロス削減の鍵となる。余った野菜や果物はスープやスムージーとして利用したり、残り物を別の料理に活用するなど工夫して無駄を減らすことができる。食材を無駄なく使い切るレシピを紹介するサイトや動画も多くあり、合わせて利用するとより効果的だ。

食材の保存方法を学ぶ

食材の保存方法を知ることも重要である。適切な保存方法を実践することで、食材の鮮度を保ちながら長期間利用でき、食品ロスを減らすことができる。野菜や果物は、適切な温度や湿度で保存することで保存期間を延ばせる。冷凍保存や真空パックなども効果が期待できる。

食べきれる量だけ注文する

外食やデリバリーを利用する際は、食べきれる量だけを注文するようにする。過剰な量を注文して余らせることなく、適量を選ぶことで食品ロスを減らすことができる。残った場合には、持ち帰りや再利用を心がけるようにする。

フードドライブを利用する

「フードドライブ」は、フードバンクを通じて余剰食品を福祉団体や施設に寄付する活動をいう。食べ物が余った場合には、地域のフードドライブに寄付することで、飢えや食糧不足の問題解決に貢献するだけでなく、食品ロスの削減にも役立つ。地域のフードドライブに参加し、自分の食品ロスを社会貢献につなげていこう。

フードドライブとは? 3つのメリットやフードバンクとの違いも解説

関連記事

食品ロス(フードロス)を減らすためにできることから取り組みを

買い物する女性

Photo by Milada Vigerova on Unsplash

食品ロス(フードロス)は、環境や経済、食糧不足などさまざまな社会的影響をもたらす深刻な問題である。その原因は多岐にわたり、家庭、事業者、双方が減らす努力を継続的に取り組んでいかなくてならない。

廃棄食品をもらうことができるアプリは気軽に利用でき、問題を自分ごととして実感できる優れたサービスだ。多くの人がこのサービスを利用し、少しづつできることから始めていくことが大切である。

※掲載している情報は、2024年4月1日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends