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バーベキューや七輪などで火を起こすときに使う炭。炭が食べられることを知っている人は、どのくらいいるだろうか?この記事では家庭における炭の効果について紹介し、さらには近年注目されている、炭を食べることで得られる体へのよい影響について解説する。
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炭を食べることで体にいい効果が得られると聞くと、驚く人もいるだろう。
だが近年、炭を含んだサプリや健康食品が登場しており、炭が体に与える意外な効果が注目されている。まずは、炭がもつ生活に役立つ効果からおさらいしていこう。
冷蔵庫の消臭に竹炭を使う、という人も多いのではないだろうか。炭には微細な穴が無数にあいており、周囲の空気とともに嫌な臭いを吸収する効果がある。冷蔵庫に入れておくことで、食品から発生する臭いを防ぐことが可能だ。
また冷蔵庫の消臭目的以外でも、台所では米びつの湿気とりと消臭にも用いられている。後に詳しく説明するが、炭は体内に入れても基本的には無害であり、食べ物と一緒に置いておける天然の消臭剤だ。
炭の小さな穴は、空気だけではなく汚れも吸着する作用を持っている。よく洗った後に煮沸した炭を飲料水とともにペットボトルやカラフェに入れておくと、水に含まれている不純物を吸着してくれる。
さらに炭はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているため、通常の水道水をミネラルウォーターのようにする効果も期待できる。栄養面だけではなく、口当たりもまろやかになる。
炭は古来から民間療法にも用いられている。誤って体に有害なものを取り込んでしまった際などに、炭で毒素を排出を試みる。また、漢方にも炭が使用されることがある。そのため日本では、食品添加物として認められている。(※1)
家庭の清掃に、広く炭が取り入れられている。先にも触れた消臭効果や除湿効果によって、トイレなどに置いておくことで嫌な臭いが抑えられる。
また玄関の靴箱やクローゼットなどの湿度が溜まりやすい場所に置いておくことで、湿度を一定に保ちカビの発生を抑制する。他にも靴やカバンの臭い取りにも使え、用途は非常に幅広い。
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主に生活のなかで活用できる炭の効果を説明してきたが、そもそも炭は食用に適しているのだろうか。結論からいうと、食用として販売されている炭であれば適切な用法を守って摂取すれば問題ない。健康面でさまざまな効能が期待できる。
また、食用として市販されている炭には主に粉末タイプとタブレットタイプがあり、摂取しやすいようになっている。
食用の炭は現在、ダイエットやデトックスに用いられることが多い。「チャコールダイエット」や「炭ダイエット」と呼ばれるダイエット方法として、国内外を問わず注目されている。
また炭は体に取り込むことで食物繊維に近い働きが期待できるといわれている。炭特有の効果を用いて体内のデトックスや腸内環境の改善を行うことから「チャコールクレンズ」とも呼ばれることがある。
ここからは、炭を食べることで得られる効果に注目していこう。
炭を食べることで、腸内環境の改善にも効果があるとみられる。老廃物を吸着して体外に排出してくれるため、腸内環境が整うと期待できる。腸の健康状態は、私たちのメンタルヘルスにもつながると言われるほど重要。そんな腸の環境改善に、炭が一役買ってくれるのかもしれない。
体の内側から健康や美容を求める人は、定期的にデトックスして自然と体内にたまる毒素を排出する必要がある。炭は老廃物などのの物質を吸着して、排出を促す効果があるといわれる。そのため、炭を取り入れることでデトックス効果も期待できるのだ。
炭には、私たちが健康的に生きていくために必要不可欠な、マグネシウムなどのミネラル分が含まれている。ダイエット中に不足しがちなミネラルを炭を食べることで補給でき、体の機能を健康に保つサポートが可能だ。
炭の効果によって、腸内環境が整ったり、デトックスされたりすると、代謝が正常に働き肌のターンオーバーも促進されると期待できる。ダイエット中は栄養が不足して肌が荒れてしまうことがあるが、食用の炭を取り入れることで美肌をつくりながらのダイエットを実現することもできるだろう。
炭には臭いの元になる汚れや菌を吸着する働きがある。口腔内や体内の菌が炭によって取り除かれることで、口臭の予防につながることも期待できる。また腸内環境が整ったり、代謝が良くなったりすることで、体臭の改善も期待できるだろう。
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ドラッグストアのサプリメントコーナーやネットショップで、食用炭の購入が可能だ。より自分にあったものを選べるとなお安心だろう。ここでは食用炭の簡単な選び方を解説する。
食用の炭にはウバメガシなどの広葉樹でつくった備長炭や、クヌギやカシが原材料の木炭、ホタテやホッキ貝などの貝殻を焼成した貝炭、竹を使ってつくる竹炭などがあり、味や特徴も異なる。
貝炭はミネラル分が多く、料理に混ぜることで味に深みが生まれる。竹炭や備長炭、木炭はどれも基本的には無味だが、竹炭は香りが控えめで食べやすいとされている。そのため、食用の炭として販売されているものは竹炭が多い。
炭であっても食用である以上、できる限り品質の高いものを選びたい。炭は基本的には木や貝からつくるため、個体差によってミネラルの含有量に若干の差が生まれる。原材料の産地や、製造工程を開示しているブランドから購入することで、安定した品質の食用炭を選べる。
近年では、医薬品にも利用される高純度結晶セルロースを電気炉で炭化させることで、安定的な品質の炭を生み出す技術も誕生している。
食べられる炭には、主に粉末をそのまま食べるタイプ、粉末がカプセルに入ったカプセルタイプ、粉末を固めたタブレットタイプが登場している。
粉末タイプのものは、料理に混ぜることで料理の味を引き立てつつ、炭の効果を得ることができる。タブレットタイプやカプセルタイプは持ち運びに適しており、職場や出先でも気軽に食べられる。またこれら以外にも、お菓子やレトルト食品に含まれる形で販売されている。
食べられる炭は、品質や生産工程、形状や含まれる成分によって幅広い価格帯で販売されている。手軽に試せるものは、いずれの形状でも竹炭や備長炭は千円台からネットショップなどで購入可能だ。
基本的には、パウダータイプのものが同価格でも内容量が多くコストパフォーマンスがいい。また、食べられる炭は賞味期限が設定されていないものもあるが、開封後はなるべく早めに食べ切るようにしたい。食べる頻度に合わせて、最適な容量のものを選ぶといいだろう。
炭のもつ多岐にわたる効果について説明してきた。従来の料理や掃除での活用から、近年では食べることによって体内環境を調整する効果も注目されている。
食用の炭はサプリメント感覚で食べることができ、通常のサプリと同程度の価格帯から販売されているため、気軽に取り入れられる健康法のひとつだ。ダイエットやデトックスにも効果が期待できるため、気になった方はぜひ試してみていただきたい。
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