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国内総生産を表す「GDP」は、世界各国の経済状況をしめす指標となる。2024年の世界GDPランキングでは、日本がこれまでの世界3位から4位に転落した。本記事では、最新の世界GDP全ランキングと、一人あたりのGDPランキングの上位について紹介する。
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世界のGDPランキングで、これまで3位につけていた日本だが、2024年のランキングでは4位(4兆2861億ドル)となり、ドイツにその座を渡したこととなった。その理由は何だろう?
GDPランキングはドル換算したうえで順位が付けられる。2023年から円安ドル高の傾向が続いており、日本の総生産はドル換算するとどうしても減少してしまう。このことが影響のひとつとみられる。
ドイツでも、ロシアのウクライナ侵攻による物価上昇は起きているが、日本では物価上昇によって個人消費や企業への投資が伸び悩んだことも一因と考えられる。さらに、日本における生産性が低迷していることも考慮する必要があるだろう。近年は、「物価は上がっているのに、日本の賃金が上がらない」話題が多く取り上げられているが、賃上げによって人々の所得を増やし、それによって消費する“経済の循環”が求められている。
2024年のランキングで5位につけたのは、4兆1053億ドルのインドだ。だが、日本との差はとても小さい。仮に、日本の経済低迷と円安傾向が続くなら、2025年のランキングでは、日本がインドに抜かれ5位まで落ちる可能性も指摘されている。
日本の一人あたりのGDPは34,554ドルで37位だった。2023年は35,390ドルで31位だったため、一人あたりのGDPもランキングも落とす結果となった。一人あたりのGDPランキングは、国民一人あたりの豊かさを示すものであり、日本は依然として世界のなかでは豊かな国にあてはまるが、ランキングは下降傾向にあると言えるだろう。
GDPでも、一人あたりのGDPでも、2024年にランキングを落とすこととなった日本。円安の影響が大きいものの、日本経済の低迷と、国際社会における存在感低下に懸念する声がある。
かつての日本は、世界一の経済大国になるとも言われたことがある。だが、今回のランキング後退は、日本の先行きに不安を感じさせる結果となったと言わざるを得ない。
ただし、GDPランキングが高ければ人々が幸せに暮らしていると、一概に言えるわけではないことも忘れないでおきたい。GDPは国の豊かさのひとつの指標であり、人々がどのくらい幸せに生活を送っているかは、また別の判断基準が必要になるのかもしれない。
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