途上国にできる繊維廃棄物の山 「服の墓場」に対応する取り組みがスタート

繊維廃棄物などの山

Photo by Hermes Rivera on Unsplash

インド、カンボジア、ケニア、チリなどの国には、繊維廃棄物が大量に捨てられていることをご存知だろうか。そんな「服の墓場」に対応するため、立ち上がり始めている国がある。

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2024.01.05
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世界の途上国で捨てられる「繊維廃棄物の山」

服の墓場ーー。捨てられたり、売れ残ったりした大量の服が処分されることなく、そのまま放置されている場所がある。それが、インド、カンボジア、ケニア、チリといった国々だ。

世界で生まれる繊維廃棄物は1億3200万トンにものぼるという。安価で大量に生産し、売れ残ったら処分する、というサイクルがこのような大量の廃棄を生み出している。そして、それらの廃棄物が途上国などに送られているのが現状だ。

ファッションレボリューションジャパンの鎌田安里紗氏がケニアでの現状を紹介したように、世界中で大量につくられた服が途上国にしわ寄せのように送られ、ごみの山ができている。

衣類回収ボックスの先で起こっていること ケニア・ギコンバの現状を鎌田安里紗がレポート

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インドの繊維廃棄物の問題解決を目指す組織が発足

このような繊維廃棄物の問題に、ようやく世界が目を向け始めている。例えば、EUでは売れ残った服を処分することが禁止され、「必要な分だけつくる」方法へシフトしようとしている。

また先日、インドの繊維廃棄物の問題について解決を目指す「リスタート・アライアンス」が発足した。ファッション・フォー・グッドの2022年の報告書によると、インドでは綿100%の使用済み繊維廃棄物が毎年172万トン出ているが、適切な収集や分別システムがないことから、そのまま放置されているという。

ファッション・フォー・グッドでは、インドで繊維廃棄物を分別するパイロットプログラムを行ってきており、そのような分別システムのほか、収集やリサイクル等にしやすい前処理を行うインフラの開発などを進めていくという。

ドイツ開発庁はカンボジアの繊維廃棄物問題への取り組みを表明

ドイツ開発庁では、グローバル・ファッション・アジェンダなどとともに、カンボジアでの繊維廃棄物の問題に取り組む計画を先日発表したばかりだ。カンボジアで焼却または埋め立てられている繊維廃棄物の量を削減し、循環型の経済を目指す。

カンボジアでも、分別を改善するパイロットプログラムをすでに開始されているほか、リサイクル繊維生産の支援、リサイクルプロセスで発生する廃棄物の追跡等を行う。

途上国でまだ整備が行き届いていない、分別や廃棄物処理のシステムを構築することはもちろん、EUで売れ残った服を廃棄することが禁止されたように、先進国でそもそも必要以上の服をつくらないシステムに移行していくことが、今後ますます求められるはずだ。

※掲載している情報は、2024年1月5日時点のものです。

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