日本全国にある「ヴィーガン対応のホテル」15軒 選ぶポイントは?

ヴィーガン料理に対応している日本のホテル(草津温泉ホテルクアビオの料理)

Photo by Hotel KURBIO

「完全菜食主義者」を意味する「ヴィーガン」。認知度の高まりとともに、食品や化粧品、ホテルなど、ヴィーガン対応のものが増えてきている。今回は、そんなヴィーガン対応のホテルを選ぶ際のポイントについて解説する。さらにヴィーガン料理を提供している国内15ホテルについても紹介しよう。

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2023.12.19
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そもそも「ヴィーガン」とは

食品をはじめ、化粧品や日用品など、さまざまな分野で見かけることが多くなった「ヴィーガン」という言葉。「地球にやさしい」「健康的」などのイメージを持つ方が多いが、「ヴィーガン」とは実際どのようなことを指すのだろうか。

ヴィーガンとは「完全菜食主義者」のことだ。「ベジタリアン」は植物性の食品のみを摂取するのに対し、ヴィーガンは食生活のみならず、その主義性や思想性に沿った生活スタイルすべてにおいて、動物性のもの、動物由来のもの一切を避けるという特徴を持っている。

ヴィーガンとは? メリットや歴史、ベジタリアンとの違い

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ヴィーガン対応のホテルを選ぶポイント

ヴィーガンでも快適に過ごせるホテルを選ぶためには、いくつかのポイントがある。ここからは、ヴィーガン対応のホテルを選ぶポイントについて解説しよう。

ヴィーガン料理が楽しめる

まず大切なのが食事だ。慣れない旅先や出張先で、ヴィーガン料理が食べられるレストランを探すのが難しく感じることもあるだろう。そんなとき、ヴィーガン料理が楽しめるホテルを選んでおくと、食事に悩まなくて済む。ヴィーガン料理を提供するプランを組んでいるホテルや、事前に連絡しておくと食事を変更してくれるホテルなどがあるので、対応してくれるかどうかを基準にホテル探しをしてみるといいだろう。

キッチンが付いている

地域によっては、ヴィーガン料理の提供ができないホテルしかない場合もあるだろう。そんなときは、キッチン付きのホテルを選ぶのがおすすめだ。キッチンがあれば、近くのスーパーなどで食材を買って自分で料理することができるので、食事の不安が解消されるはずだ。

前もってヴィーガンである旨を連絡しておく

事前にヴィーガンである旨を連絡しておくのも大事なポイント。ヴィーガン対応のプランが予約できなくても、食事を変更してくれるところや、アメニティを交換してくれるなどの対応をしてもらえる場合がある。

【北海道・東北】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

ここからは、国内でヴィーガン料理を楽しめるホテルや宿を、地域別に紹介していく。

【福島】おとぎの宿米屋

「日々の喧騒から離れ、何もせずただ退屈な時間を過ごしてほしい」という思いが込められた、福島県の「おとぎの宿米屋」。

和ヴィーガン料理人が監修したディナーコースや、「きれいになる朝ごはん」と題した植物性の食材のみを使った朝食を楽しむことができる。有機栽培・無農薬野菜の野菜など、食材は有機のものをメインに、調味料は有機認証を取得したものを厳選して使用している。

また、すべての部屋に自家源泉100%のかけ流し温泉付き。アメニティにはオーガニック認証のコスメを導入するほか、宿の電力には再生エネルギーを利用するなど、細部まで配慮している。心ゆくまでくつろぐことができる、まさに“心とからだのリゾート”だ。

【青森】旅の宿 斉川

青森県の人気観光地である八甲田連峰や十和田湖へのアクセスがよい、自然豊かな黒石温泉郷にある「旅の宿 斉川」。寛永元年(1624年)開湯したといわれている、歴史ある源泉かけ流しの板留温泉も魅力のひとつだ。

地元の野菜や山の水を使って調理されたヴィーガン料理は、新しさもありながら、どこか懐かしさを感じられる。お米には、50年近く無農薬米をつくり続けている農家さんの、完全無農薬五分付き米を使用。

【秋田】yuzaka~natural&sustainable inn~

秋田県にある「yuzaka~natural&sustainable inn~」は、サステナブルをコンセプトにした温泉宿。食事はすべてヴィーガン対応(オリエンタルヴィーガンも対応可)で、その土地のオーガニック食材を使用している。もちろん、アメニティ類も、環境や人にやさしいエシカルなものを厳選。

自然派のワインショップも運営しており、そちらで購入したワインを食事に持ち込むことも可能だ。さらに、食材やオーガニック洗剤の量り売りができるゼロウェイストショップを併設しており、ヴィーガンをはじめ、エシカルな生活を意識している方におすすめ。

【関東】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

【東京】帝国ホテル 東京

都心にありながら、目の前に日比谷公園の緑を臨む、落ち着いたロケーションの「帝国ホテル 東京」。130年以上もの歴史を誇る、言わずと知れた有名ホテルだ。

同ホテルでは、さまざまな食文化や背景を持つゲストにも食を楽しんでもらえるよう、ヴィーガンメニューを用意。コースメニューから気軽なアラカルトまで、幅広く選ぶことができる。

【群馬県】草津温泉 ホテルクアビオ(Hotel KURBIO)

「草津温泉 ホテルクアビオ」は、“心身の健康を取り戻してほしい”という想いから生まれたホテル。

静寂の環境と名湯草津の湯、さらにマクロビオティックに基づく食事メニューが織りなす、これまで日本にはなかったような新しいスタイルのヘルシーリゾートだ。ヴィーガン対応メニューのほか、ファスティングプランも充実している。

【神奈川】湯河原リトリート ご縁の杜

「湯河原リトリート ご縁の杜」では、卵や牛乳を含む動物性の食材を使用せず、野菜や穀物を使ったヴィーガン料理を提供。調味料や調理器具(すべて鉄・ステンレス製品)にもこだわっている。

さらに、エサレン®マッサージ、ロミロミ、ディープティシューマッサージなど、さまざまなリラクゼーションメニューを用意。名前の通り、“リトリート”にぴったりなホテルだ。

【中部・東海】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

【石川】一里野高原ホテルろあん

築100年の古民家を移築した囲炉裏処を食事処として使用している、「一里野高原ホテルろあん」。ここでは、アツアツのヴィーガン炭火焼膳を堪能することができる。

露天風呂では、温泉浴と森林浴が同時に楽しめるような自然豊かな場所にある同ホテル。それでいて人気観光地・金沢まで車で約1時間、世界遺産の白川郷までも車で約1時間半で行くことができる立地も魅力的だ。

【岐阜】蕪水亭

飛騨自生の薬草をおいしく調理し提供している、創業明治3年の「蕪水亭」。夕食には「ヴィーガンコース」のほか、「ベジタリアンコース」「ハラール対応コース」などを用意し、さまざまな食文化やライフスタイルに対応している。

館内にある1棟立て全3室のプライベート空間で、ゆっくりと贅沢な時間を過ごすことができるのも魅力だ。

【関西】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

【三重】鳥羽国際ホテル

「鳥羽国際ホテル」は、鳥羽の海に囲まれた美しい景観が魅力。こちらでは、野菜・茸類・穀類・フルーツで仕上げる全7皿のヴィーガンコースが楽しめる。

伊勢神宮や猿田彦神社、伊勢シーパラダイス、伊勢忍者キングダムなど、大人から子どもまで楽しめる観光名所が車で30分以内の場所にあるので、家族旅行にもおすすめだ。

【京都】THE SCREEN

13室のゲストルームすべてを、国内外の異なるクリエイターによって13通りのデザインで仕上げた「THE SCREEN」。京都が持つ伝統や歴史と、新たに生み出されるクリエイティブを楽しむことができる。

京都御苑や寺町通りなどが近く、気軽に京都散策を楽しめるのも観光客に人気のポイントだ。また、外国人宿泊客が多い同ホテルでは、ヴィーガンの為のコース料理を常に用意している。

【大阪】ホテルモーニングボックス大阪心斎橋

「ホテルモーニングボックス大阪心斎橋」は、難波や道頓堀といった繁華街のある大阪ミナミエリアにあるリノベーションホテル。心斎橋駅から徒歩6分の場所にあり、どこにでも行きやすい立地が人気だ。

朝の時間を大事にしているこのホテルでは、朝食とスペシャルティコーヒーを味わいながら、ラウンジでゆっくりとくつろぐことができる。ヴィーガン仕様メニューとして、もちもちの米粉パンに北海道産の餡とヴィーガンバターを使用した、こだわりのあんバタートーストを提供している。

【中国・四国】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

【島根】さぎの湯温泉 竹葉

世界的に高い評価を受ける「足立美術館」まで徒歩30秒という立地にある温泉宿、「さぎの湯温泉 竹葉」。

食事は、女将がマクロビオティックス・コンシェルジュということもあり、地元の無農薬・減農薬野菜を使った自然食「マクロビオティック食」への対応も可能。そのほか「ヴィーガン」「ベジタリアン」「ハラール食」への対応も可能だ。

【岡山】湯原温泉 八景

夕食、朝食をあわせて50種類以上もの野菜を使用し、野菜が主役の料理が特徴的な、「湯原温泉 八景」。予約時に伝えると、ヴィーガン対応にしてくれる。そのほか、赤ちゃんの離乳食やお子さまランチ、ご年配のゲストに合わせた料理などにも対応。

湯原温泉はph9.3の低張性アルカリ高温泉。肌あたりはやわらかで無味無臭のため、赤ちゃんでも入浴することができるそう。家族みんなで楽しむことができる温泉宿だ。

【九州・沖縄】ヴィーガン料理を楽しめるホテル

【沖縄】OKINAWA KARIYUSHI RESORT EXES ONNA

沖縄本島のほぼ中央部西海岸の恩納村にある、「OKINAWA KARIYUSHI RESORT EXES ONNA(沖縄かりゆしリゾートEXES恩納)」。ヴィーガンディナーコースでは、県産の野菜や、島豆腐といった沖縄ならではの食材を使った鮮やかな料理を味わうことができる。

東京ドーム6個分の広大な自然あふれる「かりゆしワンダーランド」内にあるので、動物たちと触れ合ったり、かりゆしの森を巡ったり、施設内で見所がたくさんあるのも魅力的。

【熊本】人吉温泉 清流山水花 あゆの里

「人吉温泉 清流山水花 あゆの里」では、予約の際に伝えることで「ヴィーガン」や「ハラール」に対応してくれる。

同宿がある熊本県の人吉は、日本遺産にも登録された人吉温泉のある温泉の街。さらに、地域の自然をいかした世界ブランドである「球磨焼酎」や、日本三急流の一つでもある球磨川など、数多くの文化遺産が点在する観光地だ。

その土地ならではのヴィーガン料理を堪能しよう

まだまだ選択肢は多くないかもしれないが、今回紹介した以外にも、国内でヴィーガン料理を提供するホテルはある。どこもその土地やホテル・宿の特徴をいかした、個性的かつ満足度が高いものばかりだ。

ヴィーガンの方はもちろん、そうでない方も、旅先で心を休めつつ体が喜ぶヴィーガン料理を堪能してみてはいかがだろうか。

※掲載している情報は、2023年12月19日時点のものです。

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