プーマ、サステナビリティレポートを「Z世代にポッドキャストで配信」 業界初の試み

ドイツのスポーツ企業であるプーマのオフィス

Photo by PUMA

スポーツブランドのプーマが、Z世代へのアプローチとしてポッドキャストシリーズ「RE:GEN REPORTS」を制作。6カ国の次世代思想家とコラボレーションし、2022年のサステナビリティレポートの内容を10のポッドキャストエピソードに集約して配信している。

岡島真琴|Makoto Okajima

ライター

ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。ライター・編集者として活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRESSを運営。

2023.07.20
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

プーマがZ世代へアプローチ ポッドキャスト「RE:GEN REPORTS」を展開

プーマがZ世代へアプローチ ポッドキャスト「RE:GEN REPORTS」

Photo by Business Wire

ドイツに拠点を置くスポーツ用品企業のプーマ。2022年にはファッション業界誌『The Business of Fashion』が発表するサステナビリティ・インデックスで「もっとも持続可能なブランド」に選ばれるなど、サステナビリティに意欲的に取り組む企業としても知られている。

そんなプーマが今回打ち出したのが、ポッドキャストシリーズ「RE:GEN REPORTS」だ。同社は、サステナブルな取り組みをまとめたサステナビリティレポートを発表しているが、これをZ世代により身近に感じてもらおうとするもので、業界初の取り組みだ。ポッドキャストには6カ国の次世代思想家が登場し、レポートの内容を10のエピソードを通して深ぼりしていく。

「もっとも持続可能なブランド」1位はプーマ サステナビリティ・インデックス 2022発表

関連記事

ポッドキャストを通して若いオーディエンスとつながる

プーマの最高戦略責任者(CSO)であるアンヌロール・デスクール氏は今回の取り組みについて、「私たちは、NGOをはじめ、ブランドや消費者、とくに今日くだされた決定とともに生きていかなければならない若者たちなどと、サステナビリティに関するあらゆるコラボレーションの可能性を信じています」と述べる。

2022年9月、プーマはロンドンで「Conference of the People」というイベントを開催。同業者をはじめ活動家やNGO、専門家、消費者らとともに、持続可能な素材の使用や、気候変動の現状、森林保護などについて議論した。当日の様子は世界中でストリーミング配信されて大きな反響を呼んだが、このイベントを通してデスクール氏は、もっと若い世代に働きかける必要があると感じたという。

そして「サステナビリティレポートをポッドキャスト化することは、私たちの業界で初めてのことですが、Z世代のオーディエンスとつながり、対話するための重要なステップであると確信しています」と、ポッドキャストの展開に意欲を示している。

人権・化学物質・サーキュラリティなどがテーマに

プーマはポッドキャストのエピソードごとに、公正労働協会の学生委員会のメンバーであるアミナ・シャキール、香港のEartheroの創設者兼CEOであるバーサ・シャム、インドの環境保護活動家で社会活動家のリプダマン・ベヴリなど、さまざまな新進気鋭の起業家やサステナビリティの専門家とチームを組んでいる。

1回目のエピソードは「人権」。これは、女性の地位向上に関して従業員10万人に研修を行うというプーマの目標に基づいたものだ。米国出身の活動家、モデル、社会起業家であるアニャ・ディラードが、中国に拠点を置くプーマのソーシャル・サステナビリティ担当チームリーダーのヴィオラ・ワンと対話する。

同様に、2回目は「化学物質」、3回目は「サーキュラリティ」がテーマ。プーマは、すべての同社製品を安全に使用できるようし、埋立処分される製造廃棄物を少なくとも50%削減するという目標を掲げており、それらの目標に即した内容だ。ポッドキャストは6月1日から配信が始まり、7月20日まで毎週配信されている。

サーキュラーエコノミーとは 商品事例から意味をわかりやすく深掘り解説

関連記事

サステナブルなファッションブランドとして最先端を走り続けるプーマ。彼らの新たな挑戦がどのようにZ世代へ届いていくのか、引き続き注目していきたい。

※参考
In Industry First, PUMA Creates Sustainability Report Podcast Series To Reach Out To GEN-Z|PUMA

※掲載している情報は、2023年7月20日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends