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ファッション業界誌『The Business of Fashion』がファッションビジネスの大手企業30社を対象に行った最新ランキングを発表。スポーツブランドのプーマ(PUMA)が、100点満点中49点を獲得し、業界でもっとも持続可能なブランドとして評価された。
岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・ライター・キュレーター
ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。編集者・ライター・キュレーターとして活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRE…
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ファッション業界誌『The Business of Fashion』が、サステナビリティ・インデックス2022を発表した。
これは、ファッションビジネス大手企業30社を対象に、パリ協定の持続可能な目標に向けた達成度などからランク付けするもの。ラグジュアリー、スポーツウェア、ハイストリートファッションの3つのカテゴリーにおいて、労働者の権利を含む環境目標と方針に関する情報をもとに分析し、順位を付けている。
2022年のランキングで1位に輝いたのは、ドイツのスポーツ用品企業プーマ(PUMA)。100点満点中49点で、業界平均の28点を大きく上回った。2021年に1位だった、グッチ、サンローランなどを傘下とするケリングは2位。3位以下は、リーバイ・ストラウス(リーバイス)、H&Mグループ、バーバリーが続いた。
順位 | 企業 |
---|---|
1位 | プーマ |
2位 | ケリング |
3位 | リーバイ・ストラウス |
4位 | H&M |
5位 | バーバリー |
2022年のランキングで首位に立ったプーマは、「水と化学物質」「労働者の権利」「透明性」のカテゴリでトップスコアを獲得し、また前年と比較して排出量のスコアも大幅に向上させた。
プーマは2017年から2021年にかけて、売り上げが大幅に増加したにもかかわらず、二酸化炭素排出量を自社事業とサプライチェーンで、それぞれ88%、12%削減。100%再生可能エネルギーの購入や社用車の電気自動車への変更、より持続可能な材料の使用、工場レベルでの効率化の実施などにより、この削減を達成したという。
またサプライヤーのリストを公開してサプライチェーンの透明性を維持するほか、廃水テストの結果を公表し、廃水処理に関する標準を順守するよう努めている。
さらに労働者の権利を向上させるため、公正労働協会および国際労働機関(ILO)のベターワークプログラムと連携。賃金データやその他の社会的成果指標を収集し、年次報告書で公表している。
プーマのビョルン・ガルデンCEOは、ランキングでの評価を歓迎しつつ「まだやるべきことはたくさんある」と述べている。気候変動に関するパリ協定の目標や国連の持続可能な開発目標に沿いながら、ファッション業界を発展させるリーダーとしての決意を新たにした。
今回のランキングを総括して、『The Business of Fashion』のチーフ・サステナビリティ担当のサラ・ケント氏は、「一部のトップランナーは少しずつ前進しているが、基本的には業界全体でのパフォーマンスは悪い」と指摘している。
また「進歩の兆しはあるが、段階的なものだ」と述べ、「2030年のパリ協定の目標を達成するために、今後8年間で行わなければならない大きな変革は見られない」と付け加えた。
2022年のランキングの全体的な傾向として、二酸化炭素排出量の削減でもっとも高いスコアを獲得したが、廃棄物の削減では最悪のスコアを記録している。今後もファッション業界全体でこれらの課題解決に取り組み、サステナブルな未来へ向けた社会的責任を担っていく必要があるだろう。
※参考
Fashion industry needs to pick up pace on climate goals, says report | Reuters
PUMA Ranked Most Sustainable Brand on Business of Fashion Sustainability Index 2022|Businesswire
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