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「クリックベイト」とは、インターネットやSNSで過剰な表現等でユーザーのクリックを誘う記事やタイトルのこと。Webサイトのアクセス数や、SNSのフォロワー・いいね数の増加、広告収益アップなどの目的で行われる。クリックベイトの具体例をあげ、背景にある問題や対策を解説する。
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「クリックベイト」とは、Webサイトの記事や広告、SNSの投稿などで、ユーザーの興味を引いてクリックさせるために、意図的に関連性のないタイトルや煽るような文言を使うことを言う。
クリックベイトの「ベイト」は、英語で「餌」を意味する「bait」からきている。あえてユーザーの興味を引くタイトルをつけて、クリックさせる手法だ。
SNSでは、「Like(いいね)」の数を増やそうと、クリックベイトが蔓延している。
タイトルと記事の中身に、まったく関連性がない場合や、まったく嘘ではない場合もあるが、タイトルを読んだユーザーが期待する内容と実際の記事の中身がかけ離れていると、ユーザーの信頼を損ねることになる。
ただし"煽情的なタイトル”かどうかは、人によって感じ方が異なるものだ。そのため、クリックベイトを判断するための明確なボーダーラインを設けることは難しい。
クリックベイトと似た言葉に、「リンクベイト」がある。これは、ほかのWebサイトからリンクを集めるための、ユーザーの目を引くようなコンテンツや記事のことをいう。
具体的なクリックベイトの例を見てみよう。例えば、次のようなものがある。
・「〇〇〇〇直伝の美容方法」
女優やモデルなどの有名人の名前をタイトルに使っているが、実際はその人の美容法ではなく、まったく関係のない人が美容法を紹介する記事だった。
ユーザーに誤解させるような言葉・表現を使い、クリックさせるタイプだ。
・「このあと、驚きの展開!」のタイトルをつけているが、クリックするとその先の展開が記載されていない
・タイトルに【閲覧注意】と書かれているが、記事の中身は注意するような内容ではない
わざと大げさなタイトルにして、実際の中身はそうではないタイプの記事だ。
・ユーザーに誤解を生む画像を使用する
・画像であるのに、画像の上に動画再生ボタンのデザインをつけて、動画のようにクリックさせる
サムネイル画像に実際の記事とは異なる画像を使用したり、画像とタイトルで誤解を生むような表現を用いたりするタイプだ。
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クリックベイトが生まれるのは、「Webサイトのアクセス数を増やして利益を集めたい」「有名になりたい」「SNSでLikeを増やしたい」といった理由があるからだ。
とくにWebサイトのアクセスが増え、SNSでフォロワー数が増えれば、それは広告の収益増加にもつながる。そのため、Webサイトの制作者側やSNSの投稿者には、「できるだけクリック数を増やしたい」という心理が働くのだ。
クリックベイトがあると、さまざまな悪影響をもたらす。例えば、タイトルを読んでクリックしたユーザーにとって、中身が異なるものであれば落胆して、そのWebサイトへの信頼を失う。またクリックしたタイトルと中身が異なると、ユーザーは混乱することにもなる。
クリックベイトした側からみると、タイトルと記事の内容が合致していなければ、ユーザーの多くがすぐにそのページから離脱するため、結果として直帰率が上がり滞在時間も短くなる。さらに、クリックベイトによって批判が集まり、炎上することも考えられる。
クリックベイトが横行すると、本当に重要な情報が伝わりにくくなったり、真実が歪んで人々に伝わったりと、インターネットやSNSが健全に発展しにくくなる。そのため、インターネット企業やSNS運営企業は、さまざまなクリックベイト対策を講じている。
Googleでは、クリックベイトの手法に対応するべく、不実表示に関するポリシーを拡大。さらにクリックベイト広告に関するポリシーも導入して、禁止している。
Facebookでは、偽の動画でクリックを誘ったり、画像なのに再生ボタンを加工して、動画と見せかけてクリックさせたりといったクリックベイトについて、2016年頃から取り締まりを行っている。クリックベイトの動画や画像は、ニュースフィードでの優先順位が下げられるなどしている。
クリックベイトの投稿には、フィルターをかけるシステムを導入している。
ニュースアプリのGunosyでは、独自にクリックベイト対策技術を開発。ニュース記事の閲覧傾向などを分析して、クリックベイトが疑われる記事を自動的に見つけ出し、アプリ内で表示する優先度を下げたり、表示させないようにしたりしている。
インターネットやSNSが普及したことで、そこにはクリックベイトのようにさまざまな課題が生まれてきている。同じようなキーワードをいくつか紹介しよう。
インフォデミックとは、SNSなどを通じて、不確かな情報が拡散されること。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のフェイクニュースで注目されるようになった。
フィルターバブルとは、インターネット上の情報のなかで、自分の見たい情報しか見えなくなること。「泡(バブル)のなかに包まれたように」なることから、由来した言葉だ。
キャンセルカルチャーとは、著名人など特定の人の発言や行動を糾弾すること。SNSの普及に伴って2010年代の中頃からアメリカなどを中心に見られるようになった。
クリックベイトはインターネットにあふれており、思わずクリックしてみたものの、がっかりする内容だったという経験はおおくの人にあることだろう。おすすめは、信頼できるWebサイトやSNSアカウントを見つけること。そして、正しいこととそうでないことをジャッジできる判断力も必要になってくるだろう。
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