フィルターバブルとは、バブル(泡)に包まれたように、インターネット上で自分の興味のある情報だけしか見えなくなることを意味する。自分の視野が狭くなる危険性があるため、フィルターバブルの特徴を理解し、フィルターバブルと上手に付き合っていこう。
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フィルターバブルとは、「インターネット上で泡(バブル)のなかに包まれたように、自分の見たい情報しか見えなくなること」という意味の言葉である。インターネット活動家であるイーライ・パリサーが2011年に出版した書籍『The Filter Bubble(邦題:閉じこもるインターネット)』で初めて提示された。
Googleに代表される検索エンジンや、FacebookやTwitterのようなSNSは、過去のクリック履歴や検索履歴などの情報からユーザーが見たいと思われる情報を自動的に判断して、検索結果やフィードに表示する。この仕組みはパーソナライズと呼ばれている。これは、ユーザーの利便性を高めるために行われている。
パーソナライズの精度が上がると、ユーザーは自分が求めていない情報へアクセスすることが難しくなっていった。その結果、他人と同じインターネット上の情報を見ているつもりでも、自分が実際に見ている情報はフィルターを介してパーソナライズされたもの……ということが起こるようになった。
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フィルターバブルを有名にしたのが、2016年に行われた米国大統領選挙だ。
共和党のドナルド・トランプ氏を支持する保守派の人々は、選挙期間中にFacebookのフィードにトランプ氏支持の投稿しか表示されなくなり、民主党のヒラリー・クリントン氏を支持する投稿は表示されなくなった。同様のことが、民主党のクリントン氏を支持する人々に発生した。
例えば、選挙期間中、トランプ氏を支持するとあるブログ記事がFacebook上で150万回以上シェアされた。ところが、クリントン氏を支持するとあるリベラル派の経営者は、選挙期間中にFacebookのフィード上で、一度もそのブログ記事を目にすることがなかったという。
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フィルターバブルによる問題点としては、視野が狭くなることや、自分と異なる価値観・考え方に触れる機会がなくなることが挙げられる。
情報がフィルターバブルによって取捨選択されてしまい、自分の知見を広げてくれるような情報や、自分にとって都合の悪いニュースを知る機会を失ってしまうのだ。
フィルターバブルから抜け出すためには、いくつか方法がある。
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情報を得るときにはインターネットだけでなく、新聞や雑誌、本などの紙媒体や、TVやラジオを利用しよう。インターネットに比べて不便だが、自分とは違う視点で情報を見るにはいい方法である。
chromeやFirefoxなどのブラウザには、シークレットモードやプライベートブラウズと呼ばれる、閲覧履歴やオンラインフォームに入力したログイン時のデータが自動的に削除される機能が搭載されている。この機能を使うことで、フィルターがかけられていない、フラットな状態で検索が可能になる。
フィルターバブルは視野を狭める可能性がある一方で、ユーザーに高い利便性をもたらす。フィルターバブルのメリット・デメリットを理解した上で、検索エンジンやSNSと上手に付き合っていこう。
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