Photo by Edible Cup
ブルガリアの企業が開発した「Cupffee」は、オートブランと小麦粉でつくられた「食べられるコーヒーカップ」。85℃までの耐熱性なので温かい飲み物にも使えるほか、カップのクッキー生地は40分までサクサクのまま。飲んだ後においしく食べられるのでリサイクルの必要もなく、ごみも出ない。
岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・ライター・キュレーター
ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。編集者・ライター・キュレーターとして活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRE…
Photo by Edible Cup
環境保護への関心が高まるなか、世界では毎年160億個もの使い捨てカップが消費され、地球に負担をかけているという。そんな課題の解決に取り組むのが、ブルガリア第2の都市プロブディフで誕生した、食べられるカップ「Cupffee」だ。
カップは、オートブランと小麦を中心としたクッキー生地。100%ヴィーガンであるほか、人工着色料や甘味料、防腐剤などを使用していない。もちろん、カップが飲み物の味に影響することはない。
Photo by Edible Cup
現在販売されているのは、110mlのスモールサイズと、220mlのラージサイズの2種類。温かい飲み物なら85℃までOK。もちろん、冷たい飲み物にも利用できる。
カップのサクサク感が40分まで持続するため、コーヒーをゆっくり飲んだ後でも、カップをおいしく食べられる。カップのカロリーは、スモールサイズなら56kcal、ラージサイズは105kcal。低カロリーのおやつとしても人気が出そう。賞味期間は製造から9か月間だ。
使用後に、カップをリサイクルする必要がないし、そもそもごみが出ない。新しいコーヒータイムやドリンクスタイルとして定着するかもしれない。
昨今では食べられるカップ以外にも、スプーンやストローなど、さまざまな代替品の開発が進められている。ここでは、その一例をご紹介しよう。
オートミールやカカオの殻の繊維などからつくられた、100%天然素材かつヴィーガンのスプーン。アイスクリームなどの水分が多いデザートや、温かい飲み物のマドラーとしても、60分まで使用できる。
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ドイツの企業が開発した食べられるスプーン「Spoontainable」
デュラムセモリナというパスタ用の小麦でできたストロー。最近では紙のストローを使用するカフェなども増えているが、それよりも耐久性が高く60分まで使用できる。こちらも100%ヴィーガン。
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イギリスの企業が開発したパスタ製のストロー「Stroodles」
こうした代替品には、環境に配慮するだけでなく、見た目の美しさやデザイン製を高めてくれること、「食器やカトラリーを食べられる」という意外性を楽しめること、そしてデザートとしておいしく食べられることなど、さまざまな良さがある。
ふだん何気なく使っているカップやカトラリーが、こうしたアイデア製品にどんどん置き換わっていくことで、プラスチックごみの削減にもつながっていくだろう。
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