【最新】世界人口密度ランキング 世界と日本の傾向と課題とは

人々が行き交う薄暮の雑踏

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国連がリリースしたデータをもとに2022年の国別人口密度ランキング・2023年の都市別人口ランキングを紹介する。人口密度は地域の実態がわかる重要なデータだ。データからは世界や日本の傾向、課題が浮かび上がる。

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2023.04.30
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地球を救うかもしれない… サキュレアクトが出合った「未来を変える原料」と新たな挑戦

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2022年最新の世界人口密度ランキング(国別)

2022年最新の世界人口密度ランキングを見てみよう。ここでは国連・経済社会局人口課(Department of Economic and Social Affairs/Population Division)がリリースした「World Population Prospects 2022(2022年の人口の見通し)」を参考に194位までを紹介する。いずれも2022年7月1日時点のデータをもとに集計された。(※1) なお本記事では海外領土、自治領を除いて掲載している。

順位国名人国密度(人/㎢)人口(千人)
1位モナコ24,62137
2位シンガポール8,6985,941
3位バーレーン1,8691,463
4位モルディブ1,738521
5位マルタ1,672527
6位バングラデシュ1,301169,356
7位バチカン1,1631
8位パレスチナ国8535,133
9位バルバドス654281
10位モーリシャス      6401299
11位ナウル共和国62613
12位ルワンダ55613,462
13位サンマリノ55334
14位レバノン5475,593
15位韓国52451,830
16位オランダ52017,502
17位ブルンジ48412,551
18位インド4731,407,564
19位コモロ441822
20位ハイチ41511,448
21位イスラエル4118,900
22位ベルギー38311,611
23位フィリピン380113,880
24位プエルトリコ3753,256
25位ツバル37311
26位グレナダ367125
27位スリランカ34721,773
28位日本331124,613
29位グアム315171
30位ベトナム31197,468
31位エルサルバドル3056,314
32位パキスタン300231,402
33位トリニダード・トバゴ2971,526
34位セントルシア292180
35位イギリス27767,281
36位セントビンセントおよびグレナディーン諸島268104
37位ジャマイカ2612,828
38位ガンビア2612,640
39位ルクセンブルク247639
40位リヒテンシュタイン24439
41位ドイツ23983,409
42位クウェート2394,250
43位ナイジェリア234213,401
44位マーシャル諸島23442
45位セーシェル共和国 233106
46位サントメ・プリンシペ232223
47位カタール2322,688
48位ドミニカ共和国23011,118
49位ウガンダ22945,854
50位スイス2178,691
51位北朝鮮21625,972
52位アンティグア・バーブーダ21293
53位マラウイ21019,890
54位ネパール20430,035
55位イタリア20059,240
56位セントクリストファー・ネービス    18348
57位キリバス178129
58位アンドラ16879
59位グアテマラ16417,608
60位トンガ163106
61位ミクロネシア連邦162113
62位トーゴ1598,645
63位コソボ(国連安保理決議1244号による)1521,662
64位中国1491,425,893
65位カーボベルデ146588
66位ガーナ14432,833
67位インドネシア143273,753
68位タイ14071,601
69位デンマーク1385,854
70位チェコ13610,511
71位キプロス1351,244
72位アラブ首長国連邦1329,365
73位ヨルダン12611,148
74位ポーランド12538,308
75位アゼルバイジャン12510,313
76位エチオピア120120,283
77位シエラレオネ1178,421
78位フランス11764,531
79位シリア・アラブ共和国11621,324
80位ベナン11512,997
81位ポルトガル11210,290
82位スロバキア1115,448
83位テュルキエ(トルコ)11084,775
84位エジプト110109,262
85位オーストリア1088,922
86位ハンガリー1079,710
87位キューバ10511,256
88位スロベニア1052,119
89位アルバニア1042,855
90位マレーシア10233,574
91位コスタリカ1015,154
92位イラク10043,534
93位アルメニア982,791
94位ドミニカ9772
95位セルビア957,297
96位スペイン9547,487
97位ホンジュラス共和国9410,278
98位モルドバ共和国933,062
99位カンボジア9216,589
100位ケニア9153,006
101位東ティモール891,321
102位セネガル8816,877
103位コートジボワール8627,478
104位北マケドニア842,103
105位ルーマニア8419,329
106位モロッコ8337,077
107位ミャンマー8253,798
108位ブルキナファソ8122,101
109位ウズベキスタン8034,081
110位ギリシア8010,445
111位チュニジア7912,263
112位サモア77219
113位ブルネイ・ダルサラーム77445
114位バハマ76408
115位レソト752,281
116位ウクライナ7543,531
117位ギニアビサウ732,061
118位アイルランド734,987
119位クロアチア734,060
120位タンザニア連合共和国7263,588
121位エクアドル7217,798
122位クック諸島7117
123位エスワティニ691,192
124位タジキスタン689,750
125位メキシコ65126,705
126位ボスニア・ヘルツェゴビナ643,271
127位ブルガリア646,886
128位イエメン6232,982
129位アフガニスタン6240,099
130位パナマ594,351
131位カメルーン5827,199
132位赤道ギニア581,634
133位ニカラグア576,851
134位ギニア5513,532
135位ジョージア543,758
136位イラン5487,923
137位リベリア545,193
138位フィジー51925
139位マダガスカル5028,916
140位南アフリカ4959,392
141位ジブチ481,106
142位ベラルーシ479,578
143位コロンビア4651,517
144位モンテネグロ45628
145位リトアニア452,787
146位コンゴ民主共和国4295,894
147位ジンバブエ4115,994
148位モザンビーク4132,077
149位パラオ3918
150位フェロー諸島3853
151位アメリカ37336,998
152位キルギスタン346,528
153位ラオス人民民主共和国327,425
154位ベネズエラ3128,200
155位エストニア311,329
156位ラトビア301,874
157位エリトリア303,620
158位アンゴラ2834,504
159位ソマリア2717,066
160位ペルー2633,715
161位ザンビア2619,473
162位バヌアツ26319
163位チリ2619,493
164位スーダン2645,657
165位スウェーデン2610,467
166位ブラジル26214,326
167位ソロモン諸島25708
168位パプアニューギニア229,949
169位ブータン20777
170位ニジェール2025,253
171位ウルグアイ203,426
172位ニュージーランド195,130
173位南スーダン1910,748
174位アルジェリア1944,178
175位フィンランド185,536
176位マリ1821,905
177位ノルウェー185,403
178位ベリーズ18400
179位コンゴ175,836
180位サウジアラビア1735,950
181位パラグアイ176,704
182位アルゼンチン1645,277
183位ニューカレドニア16288
184位オマーン154,520
185位セントヘレナ145
186位チャド1417,180
187位トルクメニスタン136,342
188位ボリビア1112,079
189位ガボン92,341
190位ロシア連邦9145,103
191位中央アフリカ共和国95,457
192位ニウエ72
193位カザフスタン719,196
194位ボツワナ52,588

世界の人口密度ランキング1位はモナコだった。2020年と2021年の人口密度ランキングでも1位を獲得している。2位のシンガポールと比較すると約3倍もの人口密度であり、1㎢キロメートルあたり約2万人以上が居住している計算だ。国土に対する人口の多さがうかがえる結果になった。

2020年 世界の人口密度ランキング 人口密度の高い国・都市は?日本は何位?

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2023年最新の世界人口密度ランキング(都市)

次に世界の都市別人口密度ランキングを見てみよう。ここではStatista(Statista Research Department)が集計したデータを参考に15位まで紹介する。(※2)

順位都市名国名人口密度(人/㎢)
1位ダッカバングラデシュ30,093
2位タンタエジプト27,800
3位マカオ中国27,684
4位スーラト中国27,439
5位キンシャサコンゴ27,083
6位ムブジマイコンゴ26,824
7位アラハバードインド26,675
8位サハーランプルインド26,024
9位香港中国25,684
10位ムザファルナガルインド25,589
11位ムンバイインド25,577
12位アサンソルインド24,296
13位マレガオンインド23,714
14位フィロザバードインド23,112
15位エル・マハッラエジプト22,781

都市別の人口密度ランキングでは15位中の7都市がインドだった。ほかの都市も国家の総人口が多く、いずれも億単位か1億前後だ。また、途上国であるという共通項が見える。途上国の総人口と都市人口密度には密接な関係があるだろう。

人口密度が高い国・都市

人口密度が高い国や都市にはどのような特徴があるだろうか。国別世界ランキングの上位を見ると、経済力の高い国がランクインしていることがわかる。

1位から3位のモナコ、シンガポール、バーレーンは富裕層が多い国として有名だ。活発な経済活動が高度なインフラと充実した社会制度を生み出し、豊かな環境をつくっている。4位以下の国もいちじるしい経済成長や観光資源で興隆し、活気にあふれていることは間違いない。

都市別ランキングも同様だ。工業による経済成長、人気の観光資源を持つ都市が多い。ことに1位のダッカがあるバングラデシュは、近年中に途上国のカテゴリーから除外される可能性が高いと予測されるほど順調な経済成長を遂げている。

人口密度が高い国や都市は経済的なエネルギーやポテンシャルを有しているといえるだろう。

しかし、一部の地域に人口が集中することには問題もある。経済活動やインフラが豊かになるいっぽう、過密状態になった都市では感染症、自然災害、交通混雑などのリスクが上がってしまうのだ。人口密度が高い国や地域ではその対策が強く求められるだろう。

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人口密度が低い国・都市

次に人口密度が低い国や都市の特徴を見てみよう。目を引くのは「国の総人口が多く、経済力を持っていても、人口密度が低い国がある」という点だ。

たとえば中国、アメリカは世界屈指の総人口と経済力を持つ国である。しかし世界の人口密度ランキングでは中国が60位、アメリカが148位だ。共通する傾向としては「国土が広い」ということだろう。国土が広い国は人口が密集しない。人口密度が低くなるのも当然と言えば当然だと言える。

人口密度が低い場合、ライフスペースを確保しやすいメリットがある。人目を気にせずマイペースで楽しめる時間も多いかもしれない。そのいっぽう、交通インフラや公共システムが充実しにくい問題が生まれる。

日本の人口密度

日本の人口密度ランキングは27位だった。G7でもっとも高いランクをマークしている。国土が狭く資源に恵まれない日本だが、教育と技術のレベルが高く、内需で活発な経済活動を実現した歴史が人口増と人口密度増をまねいた。

都道府県別に見ると、2022年は1位から3位が順に東京、大阪、神奈川である(※3)。いずれも経済活動が活発で豊かな地域だ。経済活動の活発性により、決して広い土地ではない都市に人口が集中するのは世界人口密度ランキングと同様だろう。

しかし、人口密度が低い地域もある。人口密度が低ければインフラや公共システムに影響が出るのも世界人口密度ランキングと同様である。日本国内でも都市部と地方の格差が問題視され、解決が求められるようになった。

内閣が近年推進する「SDGs未来都市」はその解決策のひとつになるのではないだろうか。地方創生を取り入れたSDGs未来都市は、地方の経済活動を活発化させ、地方格差解消効果も期待されている。

経済活動の活発化による地方格差の解消、人材の流出対策、Iターンの可能性など、人口密度に関する問題点を広くカバーできる。

日本は総人口の減少、少子化など、人口密度と密接に関わる問題も数多い。問題解決のためさまざまな案が打ち出されている。今後も多くの取り組みがおこなわれるだろう。

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人口密度ランキングから見える世界と日本の未来

人口密度ランキングは土地と人口の関係だけではなく、国の経済活動状況や課題を浮き彫りにする有用なデータになる。国力やその国の今後をはかる際には無視できない。

また、人口密度の比較によってメリットやデメリットもわかる。日本だけではなく、世界でも人口密度の高低はメリットとデメリットを生んでいる。メリットを享受し、デメリットを解決するため、人口密度ランキングは今後も注目されるべきだろう。

※掲載している情報は、2023年4月30日時点のものです。

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