Photo by Nik on Unsplash
サステナブルな暮らしをはじめる最初の一歩として、竹歯ブラシを使うのはどうだろう。竹歯ブラシは、プラスチック問題の解決に貢献できるアイテムだ。本記事ではおすすめの竹歯ブラシ13アイテムを紹介。竹歯ブラシのメリット・デメリットや、選ぶときのポイントもおさえておこう。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
Photo by Nacho Fernández on unsplash
竹歯ブラシとは、ハンドルの部分が竹素材でつくられている歯ブラシ。手に持ったときに、竹そのもののナチュラルな風合いを楽しめる。
ブラシ部分についても、プラスチックを使わずにつくられている商品が多い。商品によって違いはあるが、BPAフリー(ビスフェノールAと呼ばれる化学物資を使用しない)のナイロンなどが使われる。
竹がサステナブルな素材と言われるのは、捨てる際に環境に負担がかかりにくいから。一般的な歯ブラシはプラスチック製が多く、ごみとして捨てた後、焼却処分で二酸化炭素を含む温室効果ガスが多く排出される。世界で廃棄されている歯ブラシは、年間で約36億本とも言われている。そのため、排出される二酸化炭素の量もかなりのものになると推測される。
それに比べて、竹は天然素材であるため燃えやすく、焼却時に排出される温室効果ガスの量を抑えられて、環境への負担を減らせるのだ。さらに、天然素材である竹は分解されて自然に還るという特徴も。
また、ブラシ部分にも天然素材を使用している竹歯ブラシであれば、化学物質に過敏に反応してしまう人も使いやすい。まさに竹歯ブラシは、環境にも人にもやさしいデイリーアイテムといえる。
Photo by The Humble Co. on Unsplash
竹歯ブラシには、環境に配慮しコスパよく使えるといったメリットがある。なぜ竹歯ブラシがおすすめなのか、メリットを紹介しよう。
竹歯ブラシを使う一番のメリットは、日々の暮らしでプラスチックの使用量を減らせることだ。一般的に歯ブラシの交換目安期間は、衛生面や消耗スピードを考慮すると1ヶ月程度とされている。このペースでプラスチック製の歯ブラシを使った場合、1人あたり年間で12本、日本では約15億本も歯ブラシが捨てられることになる。世界全体で考えると、さらにとてつもない量になる。
プラスチックは竹と違い完全に自然にかえることはなく、焼却処分の際には温室効果ガスを多く発生する。もしこれだけのプラスチック製歯ブラシが適切に廃棄されず、海に流れついてしまったら……。風や波で削られたプラスチックは、マイクロプラスチックとなり、海洋生物が食べるなどして生態系に害を及ぼす。プラスチック問題をますます加速させてしまうだろう。
いつもの歯ブラシを竹歯ブラシに変えることで、プラスチックの使用量を減らし、環境問題の解決に貢献できるのだ。
竹は、使用できるまでにかかる時間が3〜5年ほどと、非常にはやいスピードで成長する。竹がサステナブルな素材と言われるのは、そのためだ。竹歯ブラシのメリットのひとつに、成長がはやい竹素材を無駄なく有効に活用できることがある。
また、近年日本では「竹害」が問題になっている。竹の成長スピードに管理が追いつかず、周囲の木々に太陽の光が行き届かなくなり、竹林が荒れてしまうのだ。だが歯ブラシの生産に竹を活用すれば、環境問題と竹害問題の両方に貢献できるだろう。
竹歯ブラシはプラスチック製の歯ブラシに比べて、丈夫で長持ちすると言われている。もちろん衛生面を考えると一定期間での交換は必要だが、プラスチック製歯ブラシよりも長く使えて、結果としてコスパがいいという特徴がある。
なお、竹歯ブラシのブラシ部分にはナイロンのほか、豚毛や馬毛などの天然素材が使われることが多い。ナイロンは石油由来の素材だが、植物由来のひまし油を原料にしたナイロンが使われているものもある。豚毛や馬毛は耐久性が高いが、動物由来の素材であることを忘れずに覚えておきたい。
竹歯ブラシはメリットが多い反面、長く使うためには注意点もある。購入前に竹歯ブラシのデメリットを十分に理解しておくことがおすすめだ。
竹歯ブラシでもっとも注意したいのは、湿気に弱いことだ。竹は吸湿性が非常に高い。使用後、ハンドルやブラシ部分に水気が残ったまま放置すると、カビや雑菌が繁殖する原因になってしまう。
竹歯ブラシを使った後はタオルなどで水分をよく拭き取り、風通しのよい場所で乾かして保管しよう。毎日のちょっとした心がけしだいで、清潔な状態で長く使える。
竹歯ブラシの存在は、まだ広く世間に知られているわけではない。プラスチック製の歯ブラシと比べると、取り扱いのあるメーカーが限られているため、気軽にドラッグストアやスーパーなどで購入することはまだ難しいだろう。
しかし、近年サステナブルやSDGsへの関心の高まりから、竹歯ブラシが注目されるようになってきている。
Photo by Eric BARBEAU on Unsplash
竹歯ブラシとひと口にいっても、その種類はさまざまだ。竹歯ブラシを選ぶ際、おさえておきたいポイントを3つ紹介しよう。
竹歯ブラシを選ぶ際は、使われている竹素材に注目したい。地産地消や日本の竹害の観点から考えると、国産の竹を使用した竹歯ブラシを選ぶのがおすすめ。または、きちんと管理された竹林から採取された天然の竹が望ましいだろう。
その竹歯ブラシが誕生した背景や商品に込められた想いなど、ブランドストーリーもぜひおさえておきたい。購入前にWebサイトや商品のパッケージなどをよく読んで、ブランドのストーリーをチェックしてみよう。ブランドのサステナブルな活動に対する想いや姿勢に共感できれば、竹歯ブラシへの愛着もいっそう高まり、大切に心地よく使えるのではないだろうか。
竹歯ブラシを購入する際は、パッケージの素材にも注目しよう。歯ブラシは天然素材が使われているのにパッケージはプラスチック製では、プラスチックごみを出すことになる。竹歯ブラシは、紙製の包装やパッケージ無しで販売されていることが多い。細部まで環境への配慮が行き届いているかどうか、確認したうえで購入するのがおすすめだ。
まずは日本のブランドのおすすめ竹歯ブラシを7点紹介する。どれも日本製ならではの、細部まで行き届いた繊細なデザインが魅力的だ。
MiYO Organic(ミヨオーガニック)のオーガニック竹歯ブラシは、ホテルでアメニティの歯ブラシが使い捨てされている現状に疑問を抱いたことがきっかけで開発された。完全オーガニック製法で、3年目の孟宗竹と呼ばれる竹を使用している。
ヘッドは日本人に合わせた小さめサイズのため、奥歯のすみずみまで磨けて使いやすい。漂白剤・防カビ剤はともに不使用で、超音波と紫外線で殺菌消毒を施している点も嬉しいポイントだ。パッケージをすべてなくした仕様で、さらなるゼロウェイストを実現できる(竹紙の包装紙に入ったものもある)。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 無添加竹(3年目の孟宗竹のみ使用)漂白剤・防カビ剤不使用 |
ブラシ | ナイロン610 |
包装 | 無し |
WannaBee(ワナビー)の竹歯ブラシは、孟宗竹が原料。ブラシの部分には、BPAフリーのナイロン素材を使用している。カラフルな仕様は、歯磨きタイムの気分を上げてくれること間違いなし。
ハンドル部分には1月〜12月までの月名が刻印されており、使いはじめた月に印をつけておけば、ひと目で交換のタイミングがわかる。機能的な竹歯ブラシをお探しの方にぜひおすすめしたい。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 孟宗竹 |
ブラシ | ナイロン(BPAフリー) |
包装 | クラフト紙 |
mana.(マナ)のオーガニック竹歯ブラシは、適切に管理されていると認められたFSC認証を取得した竹をハンドル部分に使用している。環境問題に配慮しつつ、機能・デザインともに優秀な歯ブラシをつくろうという思いから誕生した。
ハンドルはやや太めで握りやすく、なめらかな手触りが特徴だ。ブラシ部分は、動物由来の天然毛ではなくBPAフリーナイロンを使用している。細い毛のため、ソフトな磨き心地を好む方におすすめしたい。
素材 | |
---|---|
ハンドル | FSC認証を受けたオーガニックの竹 |
ブラシ | ナイロン6(BPAフリー) |
包装 | 紙(FSC認証取得) |
化学物質に過敏に反応してしまう方を思って開発された、FINE MEGURU(ファイン メグル)の竹の歯ブラシ。竹特有の生分解性を考え、業界ではじめて「2年」の使用期限を設けた竹歯ブラシだ。
三重県伊賀市育ちの竹を使い、すべて国内の工場で生産。ブラシ部分には、ひまし由来の100%植物性樹脂を使用している。包装紙も日本産の竹100%でつくられた「竹紙」を採用している。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹(三重県伊賀市産)の微粉末とポリ乳酸樹脂をブレンド |
ブラシ | ひまし樹脂など4種からチョイス可 |
包装 | 竹紙製の袋 |
peach&life(ピーチアンドライフ)の竹歯ブラシは、ハンドルにオーガニックの竹を100%使用。薄い持ち手で、軽くて握りやすい。
ヘッド部分も小さめのつくりになっており、奥歯や細かなすき間もしっかりと磨ける。ブラシはナイロン製で、ブラウン・ベージュ・ホワイト・ダークグレーの4つのカラーがラインアップ。どれも竹素材と相性のよいナチュラルな風合いを楽しめる。
素材 | |
---|---|
ハンドル | オーガニックの竹 |
ブラシ | ナイロン 竹繊維加工 |
オーガニックの天然の竹でつくられたESTCO.の竹歯ブラシ。ハンドルの長さ18㎝に対して、ブラシ部分は2㎝と、日本人の口に合う大きさで設計されているため、奥までしっかりブラッシングでき、磨き残しも防げそう。再生紙でできた袋に入って届く。
素材 | |
---|---|
ハンドル | オーガニックの竹 |
ブラシ | ナイロン |
パッケージ | 再生紙 |
Nagaruru(ナガルル)は、放置竹林の問題を知った現役の農大生が立ち上げたブランドだ。ハンドルは少し丸みを帯びており、握り心地がよく手にスッとなじんでくれる。ブラシは竹繊維を採用している。
カラーは、ベージュ・ブラウン・チャコールの3色を展開。チャコールカラーのブラシ部分には竹炭を配合している。サステナブルなアクションを起こしながら、オーラルケアにもしっかりこだわりたい方におすすめだ。
素材 | |
---|---|
ハンドル | オーガニックの竹 |
ブラシ | 竹繊維・ナイロン繊維 |
続いて、海外ブランドのおすすめ竹歯ブラシ4点を紹介。デザイン性や機能性に富んだ商品が多く、毎日の歯磨きタイムの気分も上がるだろう。
HYDROPHIL(ハイドロフィル)は、「バスルームのすべての製品をサステナブルに」をコンセプトに掲げるドイツ生まれのブランドだ。ハンドル部分に使われている孟宗竹は、人工灌漑や肥料・農薬の使用は一切なく育てられている。
ブラシ部分は、再生可能原料であるトウゴマの種子由来のひまし油でつくられている。仕上げに使う塗料も、生分解性にすぐれたものを選ぶという徹底ぶりだ。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 孟宗竹 |
ブラシ | ひまし油 |
カラフルなレインボーカラーが一際目をひく、スウェーデン生まれのブランドTHE HUMBLE CO.(ザ・ハンブル・コー)の竹歯ブラシ。歯科医の指導と監修のもとでつくられ、ハンドルは人間工学にもとづいて設計。独特のカーブによって、どの部分でも磨きやすいそう。
ブラシの素材にもこだわっており、植物由来原料のバイオベースナイロンでつくられていて、使用後はリサイクルが可能だ。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹 |
ブラシ | バイオベースナイロン(植物由来原料使用) |
パッケージ | プラスチックフリー |
台湾で生まれたlaboosの竹歯ブラシは、円錐形のような形をしており、スタンドを使わずに立てて保管できる画期的なデザインが特徴。奥までブラシが届いて磨きやすい。活性炭入りの毛先で、歯と歯ぐきをやさしくブラッシングできる。包装紙にも80%のリサイクル素材を使用している。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹 |
パッケージ | 80%のリサイクル材を使用 |
Isabella's Clearly(イザベラズ クリアリー)の竹歯ブラシは、人間工学にもとづく美しいフォルムが印象的だ。ハンドル・ヘッドともに薄型で、握りやすく奥歯のすみまで磨きやすい。BPAフリーのナイロンブラシには、木炭を注入。歯をより清潔に美しく磨き上げてくれる。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹 |
ブラシ | ナイロン(BPAフリー) |
パッケージ | 簡易包装 |
竹歯ブラシは大人用だけでなく、子ども向けサイズでも販売されている。子ども用のおすすめ竹歯ブラシ2点を参考に、家族みんなでサステナブルな暮らしをはじめてみてはどうだろう。
Roost(ルースト)の子ども用竹歯ブラシは、長さ約14.5cmとミニマムなサイズ感。竹製のハンドルは軽いため、小さな子どもも使いやすい仕様だ。パッケージも脱プラスチックにこだわっており、紙製のボックスに包装されている。大人向けのラインもあり。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹 |
パッケージ | ペーパーボックス |
THE HUMBLE CO.(ザ・ハンブル・コー)のハンブルブラッシュは、ブラシ部分には植物由来原料を使用したバイオベースナイロンを採用。ハンドル・ブラシ・包装すべてでプラスチックフリーにこだわっている。
ハンドルの長さは15㎝と、子どもの小さな手でも安定して持ちやすい。鉛筆を持つように軽く持って、やさしくブラッシングして。
素材 | |
---|---|
ハンドル | 竹 |
ブラシ | バイオベースナイロン(植物由来原料使用) |
パッケージ | プラスチックフリー |
Photo by Patricia Valério on unsplash
竹歯ブラシを交換するタイミングは、およそ3〜4ヶ月が目安(商品により1~2ヶ月と推奨されているものもある)。竹歯ブラシのブラシはプラスチック製に比べて丈夫なものが多く、1本である程度長く使える。毛先が開いてきたり衛生面が気になったりした場合は、はやく交換していいだろう。
また、竹歯ブラシは基本的に燃えるごみとして処分する。商品によって、ブラシ部分をペンチやハサミで取り除けば、ハンドルのみコンポストで堆肥化できるものもある。
ただし、メーカーによって推奨している捨て方は異なるため、各ブランドのWebサイトや商品パッケージの説明を確認し、正しい方法で処分しよう。
竹歯ブラシのほかにも、サステナブルなオーラルケアグッズが数多くある。天然由来原料でつくられた歯磨き粉や、竹素材を使用したプラスチックフリーの綿棒などが代表例だ。
以下の記事では、このようなオーラルケアグッズについて詳しく紹介している。ぜひ竹歯ブラシと一緒に、サステナブルなオーラルケアグッズそろえてみよう。
竹歯ブラシは、プラスチック問題の解決に貢献できるアイテムだ。竹素材を有効活用し、コスパよく使えるメリットもある。湿気に弱いが、手入れをすれば長く清潔に使える。
歯ブラシは誰もが毎日使うもの。だからこそ、環境に配慮したものを選びたい。おすすめの竹歯ブラシをチェックして、サステナブルな暮らしをはじめよう。
ELEMINIST Recommends