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ケリングとロクシタンが「自然のための気候基金」を設立。リジェネラティブ農業の促進と女性のエンパワーメントを目的とした取り組みだ。すでに1.4億ユーロ(約200億円)を拠出しており、サステナブル投資に特化した仏企業ミローバが運用を担う。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
グッチ、サンローラン、バレンシアガなどのラグジュアリーブランドを傘下に持つファッション業界大手のケリングと、フランス発のコスメブランド、ロクシタングループは、2022年12月、「The Climate Fund for Nature(自然のための気候基金)」の設立を発表した。生物多様性の保護や、リジェネラティブ農業の促進を目的としている。
目標である3億ユーロ(約426億円)のうち、すでに1億4000万ユーロ(約199億円)を拠出。他のラグジュアリーファッション企業や美容業界にも参加を呼びかけ、その規模をさらに拡大していく予定だ。
同基金は、フランスの資金運用会社である「Mirova(ミローバ)」が運用する。ミローバは、サステナブル投資に特化した投資運営企業で、Bコープ認証も取得している。10年前からラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアで30以上のプロジェクトを支援してきた実績を持つ。
運用開始は、2023年第1四半期。ケリングとロクシタンが原材料を調達する国のプロジェクトが対象となる。支援するプロジェクトは主に、植林、マングローブなどの主要な生態系の回復、アグロフォレストリー、リジェネラティブ農業に関するものだという。
同基金が取り組むのは、環境保全だけではない。ジェンダー平等の観点を投資基準にするジェンダーレンズ投資機関「2X Collaborative」と協働し、女性の経済的なエンパワーメントにも注力する。
現状では、融資や土地、トレーニングなどに、男性よりも女性のほうがアクセスしづらいことが多々ある。支援先のプロジェクトでは、このジェンダーギャップの解消が求められる。
気候変動対策と女性のエンパワーメントを両立するこの取り組みが、世界にどのような変化をもたらすのか注目したい。
※参考
Kering and L’OCCITANE Group join forces to finance nature protection at scale with the Climate Fund for Nature|Kering
Kering and L’Occitane Group announce climate fund|VOGUE Business
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