Photo by Sincerely Media on Unsplash
プラスチックごみが削減できることから、ニーズが高まりつつある固形石鹸。毎日使うものだからこそ、環境にも肌にも配慮したオーガニック由来の石鹸を選択してみてはいかがだろう。選び方と【フェイス&ボディ用】【食器&洗濯用】別におすすめを厳選してご紹介。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
わたしたちの買い物が未来をつくる|NOMAが「ソラルナオイル」を選ぶワケ
Photo by Nadia Clabassi on Unsplash
深刻化が増すプラスチックごみの問題。日本では年間約9,400千トンのプラスチックごみが排出されており、容器包装などが4,260千トンを占める(※1)。さらに、世界では年に約800万トンのプラスチックごみが海に流れ込んでおり、2050年までに海には魚よりもプラスチックごみの方が多くなると言われているほど(※2)。
毎日使うボディソープやシャンプーなどのボトルはプラスチック製が多く、詰め替え用もプラスチックの容器に入れられている。家庭で出るプラスチックごみをできる限り減らしたいと思っている人にとっては、なかなか改善が難しい問題だ。
そういった観点から、ボトルを必要としない固形石鹸が再注目されており、固形タイプのシャンプーなども続々と登場している。液体石鹸よりコンパクトでストック時に場所を取らない点や、シンプルな原料でつくられていることが多く、安心して使用できる点、環境にも肌にもやさしい点などが魅力として挙げられる。
Photo by Sincerely Media on Unsplash
ナチュラル石鹸とは、自然由来の原料が使用されており、石油由来や化学合成成分が不使用、もしくはその使用を限りなく減らしている石鹸のこと。そのため肌にやさしく、敏感肌の人でも安心して使用できるものが多い。
オーガニック石鹸は、有機栽培(オーガニック)された植物由来の成分が原料に含まれているため、環境にも肌にもやさしいのが特徴。オーガニック由来成分が1種でも含まれていれば名乗ることができるため、それ以外の成分に植物・自然由来の原料が多く使われているか、石油由来成分や合成成分の使用が極力抑えられているか、しっかりチェックしよう。
その名の通り、添加物が含まれていない石鹸のこと。石鹸成分のみでつくられた”完全無添加”の石鹸と、植物由来の保湿成分などを含むけれど”化学合成成分は無添加”の石鹸が存在する。
なお、着色料や防腐剤、蛍光剤が無添加であれば、合成界面活性剤などの化学物質が含まれていても、「着色料・防腐剤・蛍光剤無添加」と表記できる。手に取る際には、“何が無添加なのか”を確認することが大切。
Photo by Agata Create on Unsplash
ここでは天然由来の原料を多く含む、オーガニック&ナチュラル石鹸をご紹介。ニーズの高まりからアイテムも多く存在するため、どのように選んだらいいか悩んでしまう人も少なくないはず。選び方のポイントはこちら。
日本には明確な基準がないため、オーガニック・ナチュラル成分が少しでも含まれていれば名乗ることができる。手に取る際には、成分表ができるだけシンプルで、パッとみて何であるかがわかる原材料名が並んでいるかをチェックしてみて。石油由来成分を極力抑えたものを選びたいところだが、細かい成分名をあげればキリがないし、覚えきれないのも事実。迷ったときは、日本オーガニックコスメ協会の「オーガニックコスメ辞典」などを参考に。
厳しい基準が定められている各種認証。それらを取得しているかをチェックするのもひとつの手。代表的なものには、オーガニックコスメの品質を認証する国際的な制度「コスモス認証(COSMOS認証)」や、アメリカの農務省が定めた認証制度「USDAオーガニック認証」などが存在する。なお、日本では複数の団体が独自の基準で認証しており、統一されたものがない。
成分や認証の他に、ブランドの成り立ちやコンセプトなどを知ることもおすすめ。商品に対する想いやこだわりを知ることで、信頼できるブランドかどうかがわかる。共感できるお気に入りのブランドを見つけてみて。
おすすめのオーガニックでナチュラルな固形石鹸を【フェイス&ボディ用】と【食器&洗濯用】の2つのカテゴリーに分けてご紹介。環境や肌に配慮しているだけでなく、そのおしゃれな見た目は、ギフトに喜ばれること間違いなし。
日本発のブランド「NEMOHAMO」のオーガニック洗顔石鹸は、日本では和漢として広く知られ、古くから重宝されているオタネニンジンを使用。 長崎県対馬市の契約農家にて無農薬で育てられた3年もののオタネニンジンのひげ根、葉、茎、花などをあますことなくエキス化している。天然由来成分100%。
弱アルカリ性で弾力のある泡が特徴。泡で顔全体を包み込むようにやさしく洗った後、水またはぬるま湯ですすぎ残しがないようにしっかりと洗い流して。肌にうるおいを与えながら余分な汚れを落とし、明るく健やかな状態に保ってくれる。シンプルかつおしゃれなパッケージはギフトにも最適。
2011年誕生のアメリカ・シアトル発のスキンケアブランド「Herbivore Botanicals」。原材料は、オーガニック栽培された植物と厳選した天然素材のみ。すべての製品づくりの過程で動物実験は行っておらず、ヴィーガン対応。
フェイス&ボディ用のオーガニック石鹸は、ココナッツオイルとオリーブオイルをベースに、フレンチピンククレイが加えられている。肌に必要なうるおいを残しながら、毛穴の汚れを吸着しやさしく洗い上げる。フルーティーなオレンジ&フローラルの香りで気分もリフレッシュ。
「FERMENSTATION」のオーガニック石鹸には、岩手県奥州市で栽培されたオーガニック玄米を酵母と玄米麹で発酵させた「米もろみ粕」をふんだんに使用。厳選された米ぬか油や茶実油、ホホバオイル、椿油、アルガンオイルなどを贅沢に配合している。
もちもちの泡としっとりとした使用感が特徴で、洗顔後の肌のつっぱりが少なく、肌にうるおいを届けてくれる。小物入れとして再利用可能なパッケージは、シンプルなデザインでギフトにもぴったり。
「コスモスオーガニック認証(COSMOS認証)」を取得している、沖縄のオーガニックコスメブランド「琉白(ルハク)」のオーガニック石鹸。沖縄に自生するショウガ科の植物「月桃(げっとう)」のハーブ水とミネラル類などを豊富に含んだ沖縄の海底の粘土”海シルト”を配合しており、天然由来成分100%、原材料の46%は有機栽培された原料を使用。
しっとりとした使用感がありながらも、使用後はすっきりとした洗い心地が特徴。きめ細やかな泡が肌の古い角質や汚れをやさしく吸着し、透明感のある肌へと導いてくれる。
ドイツ生まれのオーガニック洗剤ブランド「SODASAN」。可能な限りオーガニック栽培された原材料を使用し、ヨーロッパで栽培が不可能な原材料はフェアトレードであるかどうかなど、一定の基準を満たしているもののみを使用している。
オーガニックのクリームソープは、有機栽培された植物を原料とし、合成着色料、合成香料、石油由来の原材料は不使用。動物実験は一切行っておらず、排水後は完全に生分解されるという、環境や生物への配慮が嬉しいアイテム。伝統的な”窯炊き製法”で丁寧につくられた石鹸は、洗顔にも体や手洗いにも使える。クリーミーな泡が肌の汚れをやさしく取り除いてくれる。
「メイド・イン・アース」のまあるいせっけんは、トルコのアダテペ村周辺で、無農薬・無化学肥料で育てたオリーブの実の一番搾りである”エキストラバージンオリーブオイル”からつくられる。
高品質なオリーブオイルを伝統製法でじっくりと時間をかけてつくっており、赤ちゃんから大人まで、敏感肌の人も安心して使うことができる。きめ細やかな泡が特徴の石鹸は、体や顔だけでなく、髪など、全身に使用可能。
「アレッポの石鹸」は、厳選されたシリア産のオリーブオイルと希少なローレル(月桂樹)オイルでつくられている。オリーブオイルは無農薬・有機栽培されたものを使用。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸により、汚れは落としつつ、洗い上がりはしっとりなめらか。顔や体だけでなく、髪など全身に使用できるほか、メイク落しやシャツの襟元の汚れ落しなど、さまざまな用途で活躍する。
「cocowell」の洗顔ソープは、農薬を使用せず丁寧に栽培されたココナッツから抽出した”バージンココナッツオイル”を使用。材料に熱を加えず、反応熱だけでじっくり熟成させて石鹸をつくる”コールドプロセス製法”で、職人がひとつひとつ丁寧につくりあげている。
豊かな泡立ちと、高い洗浄力とつっぱらない洗い上がりの両立が特徴。サンパギータはジャスミンの一種で、甘く上品な香りが使うたびに癒しを与えてくれる。顔だけでなく体、髪にも使える。
2004年にハワイ州・カウアイ島の大自然から生まれたオーガニック・ビューティーブランド「MALIE ORGANICS」。契約有機栽培農家と自社農園にて、環境を破壊しない持続可能な有機農法で育てられた植物を原料に使用。
こちらの固形石鹸はオーガニック由来成分を70%配合。手づくりにこだわった”コールドプロセス製法”で、きめ細かい泡と保湿力の高さが特徴。プルメリアやジャスミンなどの南国の花々の甘くフレッシュな香りが、バスタイムを心地よいものにしてくれる。
環境に負荷を与えないものづくりを徹底している「john masters organics」。農薬や化学肥料を使わずに栽培されたオーガニックでナチュラルな原料を使用し、独自の配合でブレンドした製品を取り扱っている。
こちらのオーガニック石鹸は、オリーブ果実油が肌に潤いを与え、植物由来のグリセリンがやわらかく整えてくれる。保湿力の高いきめ細かな泡で、顔や体を包み込むようにやさしく洗って。
ナチュラルな成分やクレイをふんだんに使った「Fair+Square」の石鹸は、ニュージーランド・ノースランド東海岸に位置するスタジオで手作業によってつくられている。
こちらは天然由来素材100%でつくられた6種の固形石鹸のアソートセット。4つのボディ用石鹸と2つの洗顔用石鹸が入っており、さまざまな香りや使い心地が楽しめる。パッケージには、ニュージーランド在住のデザイナーであるMAYK氏によるイラストが施されており、石鹸のカラフルな見た目も相まって、ギフトにも喜ばれること間違いなし。
「WITH OR WITHOUT」は、絶滅危機の国産シルクなど、環境負荷の低い天然素材を使った製品を展開する化粧品・アパレルブランド。絹の産地、群馬県桐生市にて、自社で桑の木を植えて蚕を育てるところから一貫した生産体制を敷いている。
ナチュラル石鹸の「Soooo Silk Fluffy Soap」は、シルクから抽出される、人肌にもっとも近いとされるタンパク質「セシリン」を配合。石油系界面活性剤やアルコール、鉱物油、防腐剤不使用で、98%以上が天然由来成分。ココナッツオイルやオリーブオイルを配合し、きめ細かいふわふわの泡で顔や体を洗い上げてくれる。
植物本来の力を基に、その効能を最大限に活かした石鹸をつくり続けている、イスラエル生まれの「Gamila Secret」。
ゼラニウムソープは、ミネラルやビタミンを豊富に含む上質な”エクストラバージンオリーブオイル”をベースに、植物由来の原料を100%使用したナチュラル石鹸。アーモンド油やラベンダー油、セージ葉エキスなど、15種類の植物原料を配合してつくられている。濃密な泡で肌への刺激が少なく、あらゆる肌タイプの人におすすめ。
「MiMC」は、“自然の力で本来の輝きを引き出していく”をコンセプトに、ひとりの女性化学者によって2007年に誕生。自然・天然由来の原料に徹底してこだわり、地球環境への負荷を減らすことを前提とした製品開発を行っている。
オメガフレッシュモイストソープは、保湿力に優れたカカオバターやナッツオイル、米ぬか油などのこだわりの植物オイルが使用されたナチュラル石鹸。熱を加えず長時間じっくり固める”コールドプロセス製法”で、植物の良質な成分をできるだけ壊さず閉じ込める。
ニュージーランドのノースランド東海岸に位置するスタジオで手作業によってつくられている、天然成分やクレイをふんだんに使った「Fair+Square」の石鹸。
食器洗い&洗濯用のナチュラル石鹸は天然由来成分100%で、合成香料、着色料、添加物不使用。そのほか、プラスチックフリー、ヴィーガン、クルエルティフリーを実現している。食器や洗濯だけでなく、その他の掃除などにもマルチに使用可能。
ニュージーランド発の固形石鹸ブランド「ethique」。バスルーム用品から生み出されるプラスチックボトルや廃棄物の量を減らすことを目指し、創設者のブリアン氏が自宅のキッチンで固形シャンプーの開発をスタートさせたことに始まる。
食器&洗濯用のナチュラル石鹸には、生分解性原料を100%使用。この石鹸ひとつで食器用洗剤・洗濯用洗剤・衣類の部分洗い用洗剤の役割を果たす優れもの。
「SONETT」は、“水と自然を守りたい”という願いのもと、1977年にドイツで設立されたオーガニックブランド。製品の製造には水力発電やグリーンエネルギーなどの自然エネルギーのみが使われている。
ナチュラル石鹸には有機栽培された原材料を含み、合成香料や合成着色剤、合成保存料、酵素、蛍光増白剤は一切使用していない。衣類だけでなく、台所の油汚れの掃除にも最適。
泡立ちのよさやサッと使える勝手のよさが魅力の液体ボディソープは、すっかり私たちの生活に溶け込んでいる。しかし、1970年代に登場し、1990年代後半に浸透するまでは固形石鹸が主流だった(※3)。
近年、環境への配慮や肌への安全性の観点から再び存在感が増してきた固形石鹸。いま使っているプラスチックボトル入りの液体ボディソープや液体食器用洗剤を固形石鹸に変えることは、ささやかながらもプラスチックごみの削減につながるアクションだ。この機会に自分に合ったお気に入りの固形石鹸を見つけて、地球にも肌にもやさしい暮らしを始めてみては。
ELEMINIST Recommends