割れたり欠けたりした器を捨てずに長く愛用できるのが、金継ぎという手法です。この記事では、必要な材料・道具が揃った初心者向けキットを使った基本のやり方について、7つの手順ごとに詳しく解説。さらに、体験レポートに沿って、きれいに仕上げるコツやポイントをご紹介します。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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前述の工程を経て、やっと仕上がった金継ぎの器。丁寧に心を込めて修復しただけに、長く大切に使いたいですよね。使用時に気を付けたいのは、ナイフやフォークなどの金属が金継ぎ部分に強く触れること。傷がつきやすくなります。また、浸け置き洗いや電子レンジ、食洗機や食器乾燥機は漆が剥がれてしまう可能性があるので、避けた方がいいでしょう。
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金継ぎ作業では、接着部分以外に麦漆や錆が付いて汚れたり、水研ぎの工程で傷がついたりします。そのため、陶磁器は釉薬(ゆうやく)がついているものが初心者にはおすすめ。簡単に拭き取ったり剥がしたりできるから。釉薬がついていないものについては、「マスキングテープなどで周りを覆えば防ぐことができますが、傷に合わせてマスキングするのはなかなか大変です。隙間から漆が染み込み、周りにはみ出てしまうことも多いので、綺麗に仕上げるにはコツがいります」(「堤淺吉漆店」談)とのこと。
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ガラスは漆と密着しにくいため、ガラスと密着するガラス用漆があると便利。さらに、「水研ぎをするときに傷が入り、ガラスが曇ってしまうため、マスキングも必要になります。透明なので、一番最初に接着面に塗る麦漆の茶色が、仕上げ後にも見えてしまいます。あまり綺麗ではないので、色漆での下塗りの工程が必要です。陶磁器の金継ぎよりも作業量が多く、技術が必要になります」(「堤淺吉漆店」談)。
木器は、麦漆に木粉を練り込んだ特別なパテが必要だったり、パテの上から麻布を貼る必要があったりと手間がかかり、難易度が高くなります。初心者は手を出さない方がいいかもしれません。
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「漆器などはわざわざマスキングをするよりも、全面を塗り直すなど、金継ぎ以外の他の技術で修理する方が簡単です。また、プラスチックは合成樹脂の種類にもよりますが、漆との相性が悪いと漆が乾かないことがあるので、おすすめしません」(「堤淺吉漆店」談)。
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土鍋や急須、花瓶などは、金継ぎ部分が剥がれるリスクが高くなるのでおすすめしないとのこと。「ただ、金継ぎは茶道用の茶碗に施されてきた歴史があります。蒸気に触れるものは、あまり長い時間でなければ問題ありません。漆は長い時間をかけて固まっていきます。金継ぎをしたばかりは塗膜が柔らかく、接着力も弱い。完成後、3ヶ月から1年ほど置くと耐久性が上がります。急須の尖などは負担が大きいため、漆を育てる(置く)期間を設けてください」(「堤淺吉漆店」談)。
大事に使っていても、気がついたら縁が欠けていたり、うっかり割ってしまったりする食器。すぐに捨てるのはなんとも残念ですよね。そんなときに、新たに命を吹き込んでくれる金継ぎという手法。接着剤がない時代に、自然の中にあるものを活用し、時間をかけて修復し、物を大事にするという行為。先人たちのサステナブルさに感銘を受けます。
初めてトライした感想は、"難しい......けれど、今後もずっとやりたい!"。繊細な作業も多いので、はじめは難しく感じるのは事実です。けれど、金継ぎという日本ならではの文化と技術に触れられた喜び、奥深さと完成したときの達成感、面白さがそれらを上回ります。"もう一度やりたい!"と、虜になってしまいました。
正直難しい。動画を何度も何度も見返しやってみましたが、最初の方の工程では心折れそうになりました。7回の工程(失敗したので、それ以上やっています笑)が終わったら、不思議と「またやりたい!」の気持ちの方が高いです。
Teresa/ELEMINIST SHOP「昔の人の智慧に毎回わくわくしながらすすめられました。先に動画をみてからとりかかるのが大切だな~と思います」
purplebottle/ELEMINIST SHOP何かに没頭する時間というのも、慌ただしい日常の中では必要だったり。興味がある人は挑戦してみてはいかがでしょう。
堤淺吉漆店
金継ぎセット
16,500円
※2022.07.01現在の価格です。
金継ぎって、金で器を補修することは知っている人がおおいけれど、「何でどうやって接着しているのか」具体的に知っている人はすくないんじゃないでしょうか。私は知らなくて、このキットでひとつひとつ工程を経て「金継ぎ」について理解がふかまりました。 工程は皆さんおっしゃるとおり、インスタントではなかったですが、昔の人の智慧に毎回わくわくしながらすすめられました。先に動画をみてからとりかかるのが大切だな~と思います
ずっと気になっていた、本格的な金継ぎが自宅でできると知り、思い切ってチャレンジしてみようと購入しました。 正直難しい。動画を何度も何度も見返しやってみましたが、最初の方の工程では心折れそうになりました。7回の工程(失敗したので、それ以上やっています笑)が終わったら、不思議とまたやりたい!と気持ちの方が高いです。 割れたお皿がないので、割りたくなるくらい早くやりたいです笑 ちょっと言い過ぎだけど、これからは大切な作家のお皿が割れても金継ぎがあるので強い味方を付けた感じです。 色々と自分で準備しないといけないものがあり ちょっと困りましたが、別のものを代用しても大丈夫でした。
難しいのは調合です。説明書にある写真からイメージを膨らませ工程①から作業を進めるが素人の趣味でする作業は思いのほか難しい。一つ一つの作業をスピーディに熟せないこともあり麦漆を塗る段階で麦漆が固まってしまったりします、ヘラや筆で麦漆や漆を塗る作業にも苦戦してます。 時間があるので諦めず一年掛かりでコツコツ作業を進めて思い入れの器を修復し完成する目標です。 説明書にある あったら便利 伽石や角真綿 金粉 テンピン油 を送って下さい。 宜しくお願いします🥺
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